採掘事業に注力
中東の国オマーンは、デジタル経済を推進する中で、暗号資産(仮想通貨)の活用にも尽力していることがわかった。
現地メディアらの報道によれば、オマーン政府は特にマイニング(採掘)事業に力を入れている。一方で、イスラム教のもとで仮想通貨を認可するかどうかについては、議論が継続している模様だ。
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オマーン政府は今月、合計で8億ドル(約1,170億円)規模の「投資」を行なったと報じられている。
例えば、オマーンのマイニングライセンスを運営する「Green Data City(GDC)」が、アブダビ拠点の企業Phoenix Groupと協業。この協業によって、オマーンに150メガワット規模の3億ドル(約439億円)のマイニングファームを作るという。これは地域最大規模のデータセンターで、2024年2Q(4月から6月)に稼働を開始する予定だ。
GDCは、オマーンで持続可能なマイニングを認可するライセンスを運営。企業はGDCに登録すると、GDCのマイニング事業に参加することができる。
他にもExahertz Internationalという企業が創設したデータセンターがオマーンで稼働することを政府は認可。このデーターセンターはマイニングにも利用され、評価額はおよそ3.7億ドル(約540億円)である。
オマーンは、仮想通貨領域の競争が高まっている中東で、デジタル事業の拠点を目指している模様だ。
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規制の先行きは不透明
一方、オマーンらのイスラム教を巡っては、仮想通貨を認可すべきかどうか、以前から議論が継続している。
イスラムの教義に即した金融は「イスラム金融」と呼ばれ、主に以下のような内容を禁止してきた。
- 利子の受け取り
- 投機的取引
- 不確実な取引
現在、イスラムの学者らの間で、仮想通貨を認可すべきかについて議論が継続している模様。一方、ビットコイン(BTC)のように、保有するだけでは利子を生まない銘柄は認可されるべきといった意見もあるようだ。