海外の仮想通貨も申告
韓国の国税庁(NTS)は20日、暗号資産(仮想通貨)の投資家に関するデータを含む資料を公開した。
その資料からは、今年に申告した納税者は全体で、合計131兆ウォン(14.5兆円)相当の仮想通貨を国外で所有していることが判明。韓国では今年から、条件を満たす場合は海外で所有する仮想通貨についても報告が求められるようになったという。
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上述した金額は、納税者の外国資産全体の70%超を占める。また、仮想通貨を海外で所有していることを申告した納税者(個人と企業)の数は1,432だった。現地メディアの「Yonhap News Agency」によれば、現行のルールでは、海外の全資産が5億ウォン(約5,550万円)を超える場合に申告が求められる模様だ。
国ごとにみると、韓国の企業が所有する国外アカウントの数が最も多いのが米国。その後に日本と英国が続く。個人についても最も多いのは米国で、その次はシンガポール、香港である。なお、国ごとのデータには追跡が困難な仮想通貨は含まれていない。
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韓国の仮想通貨規制
韓国の仮想通貨規制については、新しい課税のルールの施行が度々延期されていることが伝えられている。昨年の7月には、年間250万ウォン(約27万円)を超える利益に20%の率で税金を課すことなどを定めたルールの施行を2025年に延期したことが明らかになった。
本来は2022年から施行予定だったが、一度2023年まで延期することが決定。そして、その後にも2024年に繰り延べる案を大統領が検討していることが報道されていた。
また、今年の6月には、仮想通貨に特化した法的枠組みとして「仮想資産ユーザー保護法」を国会が承認。その後に政府に回付され、一年以内に発効される見込みである。
この法律は、仮想通貨取引などについて不正な行為に罰則を課し、サービスプロバイダーが投資家の利益を保護するために特定の要件を遵守することを求めるものだ。