はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「日本でビットコインが普及しない理由」BTC関連書籍の翻訳者・練木照子氏が語る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

第15回 Beyond The Price

19日に公開された15回目の「Beyond The Price」には、著書『ビットコインスタンダード』などの翻訳者で、ベンチャーキャピタル(VC)「フルグルベンチャーズ」に所属する練木照子氏が参加している。

なお、Beyond The Priceのポッドキャストは今年からCoinPostおよびCoinPost Globalから独立。これに伴って「GM Radio」の名称は付かなくなった。

フルグルベンチャーズは、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)とライニングネットワーク(LN)に特化したVC。同社のメンバーは「ビットコインは政治的に中立な次世代の金融システムになる」と考えている。

関連初心者でもわかる「ライトニングネットワーク」とは|特徴と仕組みを解説

一方、ビットコインのブロックチェーン単独では、日常的なトランザクションを処理しきれないと指摘。ビットコインには2層目のネットワークが必要であるとし、LNの開発もサポートしているという。

練木氏は『ビットコインスタンダード』に加え、『ビットコイン、強気にならずにはいられない理由』や『ビットコインの歩き方』の翻訳者でもある。

関連ビットコインが法定通貨になったエルサルバドルへ行ってみた|体験記寄稿1

ポッドキャストの内容

今回の配信タイトルは「日本でビットコインが普及しない理由」。ポッドキャスト(英語)は以下から聴くことができるが、ここから配信内容のポイントを紹介していく。

まず、練木氏がビットコインのことを初めて知ったのは2013年から2014年ごろだという。その後、ビットコインのことを詳しく調べるうちに『ビットコイン、強気にならずにはいられない理由』の原書に出会い、初めてビットコインに可能性を感じたと語った。

そして、『ビットコインスタンダード』の原書を読み始めたのが2018年。以前は既存の金融システムに楽観的な時期もあったが、『ビットコインスタンダード』に既存の金融システムの問題点が指摘されていたと話している。

ビットコインに関心を持っている理由は優れた投資資産だからではなく、既存の問題を改善し、未来を変えていくための手段になる可能性を秘めているからだと語った。

関連グアテマラのビットコイン・レイクに行ってみた|体験記寄稿1

日本とビットコイン

次に、配信のタイトルである「日本でビットコインが普及しない理由」については、30年間デフレーション(デフレ)が続いていたことが背景にあると指摘。日本ではモノの値段や賃金は変化しないという考えが深く浸透しているとの見方は多い。

練木氏は、デフレが長期に渡って続いたため現金を保有していることに日本人は問題を感じず、「ビットコインはデジタルゴールド(金)である」と言われても共感しないのではないかと語った。

また、これまで円を稼ぐことに時間とエネルギーを費やしてきたため、法定通貨を否定し、ビットコインがソリューションであると考えることは、自身の労働を否定することになると考えてしまう可能性があるとも話している。

最近は日本でも物価が上昇しているが、多くの円を両替したり、海外旅行に行ったりしないと円の弱さやインフレーション(インフレ)を実感しづらいのではないかとも練木氏は指摘。日本人がビットコインのメリットを理解して所有・使用していくために何がきっかけになるかは不明確であると話している。

ほかにも、現在の税制にも言及。個人ユーザーにとって仮想通貨の税制は複雑で、ビットコインを保有したり、特に使用したりすることの妨げになっているのではないかと指摘した。

関連10年ぶりの日銀総裁交代、植田新総裁の金融政策は

日本の現状

上記の内容に関連して練木氏は、日本の人々は政府がこれまで何をしてきたかを理解すべきであると訴えている。日銀は景気刺激策や福祉政策を支えるために金融緩和を継続して、資産の価値は目減りしていると指摘した。

また、日本政府はインフレ対策をする時に税金を減らすことよりも、税金の水準は維持したまま補助金を配布する傾向がある。この方法では第三者に価値の大部分が渡ってしまうことにつながりうると述べている。

そして、まずは自身のお金をどのように使うかを決められない現実を理解し、円や国債を所有していることが適切なのかを考え、情報に基づいた決断を独自に行えるようになることを推奨した。

書籍について

練木氏は今回、翻訳した書籍についても話してもらった。

『ビットコインスタンダード』を翻訳する際の個人的なミッションは「本を手にした誰もが、長い・つまらない・難しすぎることを理由に途中で読むのをやめず、最後まで読めるようにすること」だったと説明。正確さはもちろんのこと、読みやすさにもこだわったと述べている。

この本はビットコインというよりは大部分がお金の歴史について書かれているという。練木氏は、ビットコインの価値を理解するためには、お金やその歴史、お金の永遠の問題について理解することが重要であると話した。

GM Radio:Beyond The Price配信まとめ

「ビットコインは重要な気候テック」BTC研究者が語る——「Beyond The Price」 初回放送内容 トコインは最も寿命が長いブロックチェーン」VCパートナーが語る——「Beyond The Price」第2回放送内容
「今の日本におけるビットコインの価値」Diamond Hands東氏が語る——「Beyond The Price」第3回放送内容 J・ドーシー氏ら登壇のBTCイベントを立ち上げたビットコイナーが参加——第4回「Beyond The Price」
「ビットコインは究極の価値の保存手段」投資企業CEOが語る——第5回「Beyond The Price」 「Web3の全ての価値はビットコインに集まる」インフラ企業VoltageのGraham Krizek CEOが語る
「真に分散されたSNSの構築へ」——11月東京開催「Nostrasia」の実行委員が語る 「ビットコインは世界を公正にする可能性がある」BTC関連書籍の著者Jason Maier氏が語る
「法定通貨が不可能なことをビットコインで実現」Podcastアプリ「Fountain」のMalster氏が語る 「ビットコインがお金にもたらす革命をSNSへ」11月東京開催のNostrasia特集を配信
ビットコインの特徴や優位性とは──「Beyond The Price」の未公開内容や過去配信まとめ 「ビットコインはプラットフォームであるべきか」Xverseウォレット開発企業のJan Smejkal CSOが語る
「従来の金融業界がビットコインに注目すべき理由」GS出身の金融専門家Weston Nakamura氏が語る ビットコイン新興企業への投資機会を提供──BTC特化のVC「Lightning Ventures」のMike Jarmuz氏が語る
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧