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仮想通貨モネロ(XMR)が10月18日ハードフォークを予定|トランザクションサイズ80%削減へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Moneroがハードフォークを実施
代表的な匿名通貨の一つであるMonero(モネロ)は間も無く、「Beryllium Bullet」と呼ばれる新しいハードフォークを実行する。今回の特徴としては、ASICのマイニングができなくなる変更が含まれている他、総じて取引の負担軽減や手数料低下、匿名性強化などが図られる。
アップデートに関連して
今回のアップデートではユーザー自身がウォレットのアップデートを行う必要がある。また、直近のニュースとして、ライトコイン創業者のCharlie Lee氏がMoneroに期待していると発言しており、同氏もMoneroのハードフォークに好意的な姿勢を見せていた。

Moneroがハードフォークを実施

匿名通貨の代表と言われるモネロ(以下Monero)の公式SNSアカウント によると、10月18日、Moneroは新しいハードフォーク=「Beryllium Bullet」を実行すると判明した。

これにより、プロトコルのアップデートに伴い、取引は制限される模様だ。

また、Redditの公式ページで新たなウォレットのバージョン「v0.13.xx.xx」を公開し、Monero保有者にはソフトウェアのアップデートが必要となる。

今回のハードフォークによるバージョンアップの目玉は、Bulletproofsと呼ばれる機能だ。

これは、Moneroの匿名性に関わる機能であるRing Confidential Transactions(通称RingCT)で利用されるrange proofsと呼ばれるゼロ知識証明(Zero Knowledge Proofs)の手法を最適化する役割を持つそうだ。

取引は全てプライベートな状態で処理され、受取人やその額が公開されないというMoneroの特徴を一層強調することになるとされている。

RingCTでは取引の額が非公開になるが、その額が実際に取引されたと証明するために、MoneroではRange Proofsというゼロ知識証明の手法を用いる様だ。

これがないと、実在しない取引を捏造して攻撃される可能性があり、そうなるとコントロール不可能なインフレが起こりかねないと考えられる。

必要となる大規模ストレージ容量

同発表によると、この導入に関して課題となるのが、大規模なストレージの容量が必要となることだった。

Range Proofを利用したMoneroの取引に必要なストレージは約13Kb(キロバイト)で、これはビットコインの通常の取引のおよそ53倍にものぼるが、今回、Bulletproofを適用することで、これが約80%削減されて2.3Kbの容量で取引きを処理できるようになる。

これでもビットコインの取引に要するストレージ容量より大きいことは間違いないが、以前に比べると格段に改善されたことになる。

Moneroユーザーにとっては、これにより取引手数料が安くなり、ブロックチェーンのスケーリングにも改善が見られるようになる。

ハードフォーク後のBeryllium Bullet実装で、取引手数料は優先度の低い状況だと約20〜30%削減されると見込まれる。

前回のMoneroのハードフォーク時点からすでに高性能マイニングマシンのASICを利用したマイニングへの対抗は望まれていた。

ASIC対策に関して

2017年の夏からハッシュパワーは毎秒1ギガハッシュにまでのぼり、MoneroのコミュニティではこれはBitmainが提供するASICがMoneroのマイニングに対応したのではないかと推測していた。

そこで、開発者たちはコンセンサスアルゴリズムのプルーフオブワーク(PoW)システムを変更し、ASICを振り払おうとした。

2018年春のハードフォークののち、ハッシュレートは下落し、やはりASICがMoneroマイニングに対応して猛威を振るっていたということが証明されたのだった。

今回のハードフォークにおいては、Moneroは再度「PoWシステム」を変更する予定だ。

ハードフォーク後に急速にASICが勢いを取り戻すような危険性はないものの、Moneroはハードフォークのたびにシステムを変更する予定であると認めた。

さらに今回のハードフォークで重要な点として、匿名性維持のために利用されるリング署名という方式で利用されるリングサイズの変更がある。

リングサイズはどれだけのトランスミッターが取引に利用できるかを表す指標だ。

今年4月には、このサイズの最小値は7となっていたが、状況次第で最大で41までユーザーが選択できるようになっていた。

今回のハードフォーク後にはリングサイズは11に変更され、リングサイズの差による取引の差が着きづらくなり、匿名性も高くなる。

とはいえ、やはりMoneroのブロックサイズはビットコインに比べて大きいままである。

アップデートに関連して

今回のアップデートで注意しなくてはならないのが、ユーザーが自身でウォレットのアップデートを実行しないと反映されないという点だ。

これは、Cake Walletのようなモバイルウォレットでも必要となる。

新しいバージョンはAppStoreやGooglePlayStoreから利用可能となっている模様だ。

新しいバージョンを支えているか確認するためには、設定の下部にある「Info」から見られる。

今回のハードフォークにおいては上記で紹介した以外にも細かな変更が多く記載されている。

18日にはハードフォークが実行されるため、Moneroのネットワークは一時停止することもあり得るとしている。

Moneroは米15日、約9%の価格急上昇を見せ、一時12,300円台を記録したが、現在は12,000円前後で推移している。

また、先日はライトコイン創業者のCharlie Lee氏がMoneroに期待していると発言しており、Moneroの持つ匿名性はビットコインやライトコインから失われてしまいつつあるもので、なおかつニーズがあるものだと述べていた。

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