取引所の次は発行企業との対話
米国の仮想通貨イーサリアムの現物ETF審査について、新たな進展が確認され、これまで見られなかった「S-1」フォームにおけるSECと発行企業間の対話が新たに報道された。
The Blockが一つの発行企業の役員に取材したところ、「我々の投資管理部はSECの方針転換に不意を突かれたような感じだが、SECとの対話はまだ始まったばかりだ」と話したという。
ETFの成立に関しては、SECの取引市場局が19b-4を、企業金融局がS-1の申請書類を承認する必要がある。これまで、SECはCboeやナスダックなどの取引所に19b-4の更新を依頼していたが、「S-1」フォームの本格的な進捗は今回の報道でようやく確認された。
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また、発行企業側の新たな動きとしては、今週フィデリティやブラックロックがS-1フォームで、イーサリアムの運用資産をステーキングしないと変更した。
SECの承認プロセスでは、各承認(19b-4とS-1フォーム)に先立ち、通常、フォームは修正のために送り返され、再提出される。最終版が提出されると、SECはそれを承認することを選択することができるという流れだ。そのため、S-1をめぐる議論が現在進行中であり、今後も修正が行われる可能性がある。
19b-4とは異なり、S-1の承認はオンラインでは公表されない。その代わり、SECは発行企業に内々に「これでOK」と通知するという。
さらに、SECの審査期限に関しては、米時間23日(日本時間24日中)にまずVanEck社の19b-4に対して判断の結果を出す予定だ。ビットコインETFで起こったように、複数の発行体を一度に承認する意図があると考えられているため、多くの識者は承認されるとなれば、今日明らかになるだろうと楽観視している。
また、Galaxy Digitalのレポートによると、仮に承認されれば、7月か8月に取引所に上場され取引を開始する可能性が高いという。
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