ハイテク投資「QQQ」の流入額を上回る
米資産運用会社ブラックロックのビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト・バイ・ブラックロック(IBIT)」が、今年の資金流入額でナスダック指数連動型ETF「QQQ」を上回る水準にあることが22日にわかった。
フィデリティの「フィデリティ・アドバンテージ・ビットコイン(FBTC)」も同時期の資金流入額で上位にランクインしている。
インベスコQQQトラスト(QQQ)とは
米ハイテク株中心の指数であるナスダック100指数に連動するETF。パフォーマンスと成長ポテンシャルにより、多くの投資家に人気があり、7月22日時点の運用資産は「2927億ドル(約45兆円)。
2024年1月10日、米証券取引委員会(SEC)は11のビットコイン現物ETFの発売を承認した。投資家は直接ビットコインを保有することなく、ビットコインへのエクスポージャーを得ることができるようになった。
一部でIBITは、史上最も成功したETFの立ち上げとの評価も受けている。Sosovalueによれば、7月22日時点でIBITへの累計純流入は195億ドル(約3兆円)、AUMは220億ドルに達した。累計純流入額では、大手資産運用会社バンガード社が提供する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」に迫る勢いだ。
機関投資家のマネー・マネージャーの資金は、トップ10のうち4つがブラックロックのETFに注がれている。ブラックロックのETFへの資金流入が続けば、バンガードも方針を見直す必要に迫られるかもしれない。
ETF分野の代表的な企業バンガードは、「ビットコインがハイリスクでボラティリティが高すぎる」として、ビットコインETFを顧客に提供していない。資産運用大手バンガードの新しい最高経営責任者(CEO)であるサリム・ラムジ氏は5月、会社としての一貫性を重視し、現物型ビットコインETFを発売しないという同社の決定を覆さないと述べた。
しかし、ラムジ氏はブラックロックでビットコイン(BTC)現物ETFの立ち上げに携わった人物であるため、表向きの表明とは裏腹に同社への市場の関心は高まっている。他の機関投資家も、機関投資家の資金流入が加速するようであれば、自分たちも仮想通貨の需要に対応するべきだと考える可能性がある、と期待される。
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イーサリアムETFの発売が迫る
米国時間7月23日には、イーサリアムの現物ETF、9銘柄の取引が開始される予定だ。これらのETFは、投資家が直接イーサリアムを保有することなく、イーサリアムへのエクスポージャーを得る手段を提供する。
まず注目されるのは、初日の出来高と資金流入額だ。ビットコインETFの初日では、11銘柄全体で46億ドルの取引高をもたらし、純流入額は合計で6億2580万ドルに達した。純流入額のトップはビットワイズ・ビットコインETF(BITB)で2億3790万ドル、ブラックロックのIBITは1億1170万ドルだった。
複数の投資会社やアナリストが、米国のイーサリアムETFの需要がビットコインETF需要の約25%〜30%になると予想している。
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取引初日の純資金流入総額
米国で23日に取引開始された9銘柄のイーサリアム現物ETFの合計出来高は、約10億ドル(約1,550億円)となった。ビットコインETFの全11銘柄の初日取引高が合計46億ドルであるのに対し、イーサリアムETFの取引高はその22%に相当する。Farside Investorsによると、取引初日の純資金流入総額は1.05億ドルで、ビットコインETFへの初日の流入総額6億2580万ドルの16.8%にとどまった。