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日本版ビットコインETFを見据える金融機関の動向 次世代の分散投資|WebX2024

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本版ビットコインETFは実現するか

国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostが企画・運営し、一般社団法人WebX実行委員会が主催する国際Web3カンファレンス「WebX」において、日本を代表する金融機関のトップリーダーたちが集まり、「暗号資産と金融業界の融合 日本版ビットコインETFは実現するか」をテーマに特別セッションが開催された。

2024年1月11日、米国証券取引委員会(SEC)は11銘柄の現物ビットコインETFの上場を承認し、取引が開始された。さらに、同年5月にはイーサリアムETFも承認され、オルタナティブ投資の新たな選択肢として注目を集めている。

セッションでは、伝統的な金融事業者3社が暗号資産交換業者との連携を深めつつ、日本版ビットコインETFの実現に向けた課題について議論を交わした。特に、日本市場における投資家の理解を促進し、需要を高めることが重要な要素とされた。

登壇者: 大和証券グループ 板屋 篤 常務取締役
野村ホールディングス 池田 肇 常務執行役員
三井住友信託銀行 米山 学朋 常務執行役員
モデレーター:
ビットバンク 廣末 紀之 代表取締役社長

暗号資産と金融業界の融合

大和証券の板屋氏は、個人金融資産が約2199兆円に達する日本で、現金や預金がその半分以上を占める現状を踏まえ、暗号資産を新たな投資選択肢として提供することの意義を強調した。暗号資産は、ポートフォリオの分散効果やインフレヘッジとして機能し得るものであり、一定の現金を他の資産クラスに振り向けることで、資産価値の目減りを防ぐ可能性があると述べた。

大和証券グループ本社は2018年、Fintertech株式会社を設立。2020年にクレディセゾンが資本参加。Fintertechは暗号資産を担保とするローンサービス「デジタルアセット担保ローン」を提供している。他にも、シンガポールで暗号資産関連ビジネスを行うペンギン・セキュリティーズ・ホールディングス(HD)に出資するなど、大和証券グループ全体でオルタナティブアセットの知見を深めている。

三井住友信託銀行の米山氏は、金や石油などのコモディティが持つカウンターシクリカルな性質と、ビットコインの可能性を比較し、データが価値を持つ時代においてビットコインが新たな価値表現の手段となる可能性に触れた。

三井住友信託銀行は、アジア最大の資産運用グループとして、bitbankとのジョイントベンチャー「JADAT」を通じて、国内で唯一の暗号資産カストディバンクの設立を目指している。米山氏は、日本市場で信頼性の高い健全な資産運用の機会を提供するために、日本版ビットコインETFの導入が必要だと強調した。

野村ホールディングスの池田氏は、スイス子会社のLaser Digital Holdings AGが機関投資家を対象に実施したアンケート結果を基に、日本版ビットコインETFへの期待を表明した。調査によると、62%の機関投資家が暗号資産を分散投資の一環として捉え、9割がETFを通じた投資を望んでいると回答した。

出典:野村ホールディングス株式会社 Nomura Report 2022 戦略3 デジタル戦略

池田氏が率いるデジタルカンパニー社は、DX領域においてクリプトとセキュリティトークンの2つの柱を中心に事業を展開している。池田氏は、パートナーシップを結ぶWeb3リサーチ「Omakase」、ニュースメディア「コインデスクジャパン」、そして同社が提供する機関投資家向けの情報サービス「Laser Focus」を通じて、投資家に必要な情報を提供する体制を強化していると述べた。

モデレーターの廣末氏は、セッションのまとめとして、伝統的な金融機関である3社が日本版ビットコインETFの実現に向けて積極的に取り組んでいることを強調した。また、機関投資家の資金が新たな産業の成長に欠かせないとして、聴衆や事業者に対して、3社と協力し合い、共に取り組むよう呼びかけた。

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