- 村上ファンド元代表の村上世彰氏が、仮想通貨に言及
- 村上ファンド元代表の村上世彰氏がTwitterで仮想通貨に言及し、「仮想通貨が暮らしに根付くかどうかは不明だが、お金は道具であると同時に人体で言えば血液のようなもの。日本人の金融資産の内、半数以上が銀行預金しており上手く巡っていない。」などと述べた。
旧村上ファンド代表の村上世彰氏が、仮想通貨に言及
1999年から2006年まで、M&Aコンサルティングなどを主軸に活躍するなど、日本を代表する実業家として知られる旧村上ファンドの代表「村上世彰」氏が仮想通貨に言及。お金と経済が回っていない現在の日本経済について、危機感も示した。
仮想通貨が本当に僕たちの暮らしに根付くかわかりませんが、それでも石から貝殻に、貝殻から硬貨に、カタチを変えてきたように、今後も様々なカタチのお金が登場するでしょう。しかしカタチが変わろうとも、お金が暮らしの道具であるという本質は変わりません。
— 村上世彰(旧村上ファンド代表) (@murakamifnd) 2018年11月13日
お金は道具であると同時に人間の身体でいう血液のようなものです。今の日本は血液の流れが良くない身体と同じ状態になっている。血液となるお金は日本にいっぱいあるのに、うまく巡ってないのです。
— 村上世彰(旧村上ファンド代表) (@murakamifnd) 2018年11月13日
日本のそれぞれの家庭が所有するお金の合計は1800兆円。この1800兆円のうち、なんと半分以上を銀行に預金している。日本人は持ってるものを溜め込むことが多い。これは会社でも同じ。もっと事業を大きくしたり人を雇ったりするために使う資金を貯め込んでいる。その額は、今や400兆円。
— 村上世彰(旧村上ファンド代表) (@murakamifnd) 2018年11月14日
2017年7月には、日本の大物実業家ホリエモンとの対談の場で、堀江貴文氏による仮想通貨のICO(イニシャル・コイン・オファリング)の説明に関心を示し、「ニューマネーサプライみたいなものだ」と言及する場面もあった。
投資より預金を好む日本人
銀行の普通預金は使い勝手がよく、国民の生活に欠かせないものとなっている。
しかし、銀行預金の利息は、デフレやマイナス金利政策による影響により、今や0.01%程度の水準でしかない。
日本では、1971年に「預金保険法」が制定されたことで誕生したペイオフ制度があるものの、万が一、銀行が破綻した場合でも、元本1000万円までしか補償されない。
日本銀行調査統計局が2018年8月14日に発表した「資金循環の日米欧比較」によると、個人金融資産の内、現預金の占める割合が、米国13%、欧州33%に対し、日本は52%にも達していることがわかる。
特に投資信託・株式等は、米国48.0%、欧州28.8%に対し、日本は14.9%という極めて低い水準に留まっている。
2017年4月の日本経済新聞には、『タンス預金が止まらない』との記事も出ている。
日銀のマイナス金利政策による預金金利の低下が一因となり、によると、直近の2月末時点で43兆円と前年同月比8%増えた。(情報:第一生命経済研究所)増加額は3兆円で国内総生産(GDP)の0.6%に達するという。
このような状況にある中、日本政府は、スローガンである『貯蓄から資産形成へ』を定着させるべく、株式市場でも「NISA(少額投資非課税制度)」の仕組みを定着させるなど推進しているが、今ひとつ成果が得られていない現状がある。
低迷する日本の経済成長率
先日、CoinPostでインタビューを行なった参議院の藤巻健史議員も、日本の名目GDP(国内総生産)が、30年間で約1.5倍と低迷している状況について指摘。
「アメリカのGDPは約4.1倍、イギリスは約4.9倍、韓国は約19倍、中国は約75倍だが、日本の経済成長率は他の先進国と比較して大幅に劣っている。」と言及したほか、参議院予算委員会での答弁でも、「インターネット革命の次にある成長産業であるブロックチェーン。ブロックチェーンの発展と表裏一体の関係にある仮想通貨であり、過剰な規制や税制などで、妨げになってはならない。」などと見解を述べている。
このような状況を打開するためにも、将来性のある「仮想通貨及びブロックチェーン産業」の発展を促進し、国の税収源を確保するとともに、日本政府が経済にお金が回る仕組みをしっかりと主導していくことが求められる。