大口ウォレットへの集中化を観測
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の大口保有者(クジラウォレット)が、これまで最大の割合でETHを保有していることが明らかになった。仮想通貨情報プラットフォームSantimentが17日に報告した。
現在、少なくとも100,000 ETHを保有するウォレットは104件存在し、これらのウォレットが全供給量の57.35%を占めている。これは過去最高の割合であり、金額にして約3,331億ドル(51兆円)相当のETHを保有している。
🐳 There are currently 104 whale wallets holding at least 100K Ethereum. Their combined holdings currently sit at 57.35% of all existing ETH tokens, currently worth ~$333.1B.
— Santiment (@santimentfeed) December 17, 2024
Meanwhile, wallets with 100-100K hold their lowest ratio of supply in history, 33.46%. And sub-100 ETH… pic.twitter.com/9qDN3lotQy
一方で、100ETHから100,000ETHを保有するウォレットは、過去最低の33.46%の供給割合に落ち込んでいるところだ。これにより、イーサリアムの中規模保有層の存在感が徐々に薄れ、大口保有者の支配力がより強まっていることが示されている。
さらに、小口保有者(100ETH未満のウォレット)は、全供給量のわずか9.19%しか保有しておらず、これは2021年1月以来の最低水準である。この数字は約4年間で最も低い割合であり、小規模投資家がETHを手放している傾向を示唆している。
クジラによる蓄積は大口投資家の見通しが長期的に強気であることを示す可能性もある。
イーサリアムは現在、DeFi(分散型金融)やステーキングの用途で多くのウォレットに分散されているところだ。それにもかかわらず、大口保有者がETHを積極的に蓄積していることは、その安定性と将来性に対する自信の現れとも言える。これらのウォレットの行動は、マーケット全体の心理にも大きな影響を与えるため注視する価値がある。
現在の動向を見ると、クジラウォレットの保有量が増加し続けている背景には、イーサリアムの市場価値が回復し、4,000ドルを一時的に突破したことも影響している。これにより、大口投資家が将来的な価格上昇を見込んでさらにイーサリアムを買い増している可能性が高い。
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ステーキングのETF導入承認なるか
米国の現物ETFもイーサリアムへの資金流入を後押ししている。
SoSoValueによると、米国のイーサリアム現物ETFへの週間純流入額は12月9日から13日の週に8.55億ドル(1,300億円)と、過去最高を更新したところだ。
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イーサリアムETFについて、投資銀行バーンスタインは今後トランプ新政権下でステーキングによる利回りが組み込まれる可能性があると意見している。
ARK Investや21Sharesは、イーサリアム現物ETFの上場を米証券取引委員会(SEC)に申請した際に、ステーキング要素を削除していた。ゲンスラー委員長下のSECが、様々な仮想通貨に証券性を見出して厳しい法的措置を行ってきたことが背景だ。
ステーキング要素を組み入れると、SECより有価証券性についての懸念が浮上する恐れがあったとみられる。
新たな体制のSECでは、委員長含めて5人の内、3人が仮想通貨に肯定的な人物が占める見込みだ。このために、ETF含め、仮想通貨に対してより前向きな方針に転換することが期待されている。
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