はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「トークンの可能性を最大限に引き出す」NERO ChainのCEOへ独自インタビュー

NERO Chainが解決を目指す課題

アジア最大級のWeb3カンファレンスWebX2024のプラチナスポンサーで、日本発の多国籍チームが開発を進めるNERO Chain。その創業者兼CEOであるジェイク・ストロースキー氏が株式会社CoinPostの独自インタビューに応じた。

NERO Chainは、ガス代のカスタマイズが可能なアプリケーション環境を支援するEVMチェーンだ。

ストロースキー氏は、NERO Chainの第一の特徴として、最先端のモジュラー式のブロックチェーン構造が基盤となっていることを挙げた。同氏は2022年にローンチしたEVM互換のL1ブロックチェーン「Cube Network」でモジュラー構造のブロックチェーン開発をリードしてきた背景を持つ。

ブロックチェーンの技術的な課題として、その処理速度や開発効率の向上が指摘されているが、NERO Chainは、ブロック生成の高速化やアカウント抽象化サポートなどを通して、開発者にとってより使いやすい環境を整えることに注力しているという。全体的な体験を最適化し、開発者によるより効率的な構築を可能にすることが、結果的にはユーザーにとっての快適な経験を提供することにつながると、同氏は述べた。

トークンの有用性

ストロースキー氏は多くのWeb3プロジェクトの課題の一つは、独自トークンを発行しても、実際にトークンの使い道が乏しいことだと指摘し、チェーンの構造や制限が原因となっているケースが多いと述べた。

ポリゴンやイーサリアム、ソラナなどのチェーンでは、それぞれのネイティブトークン(MATIC、ETH、SOL)がガス代(いわゆるサービス手数料)として利用されるため、それらのトークンに対する需要が高まる一方で、コミュニティの独自トークンの需要を低下させる原因にもなっていると説明した。

コミュニティが発行するトークンがガス代のような重要な機能に使用されない限り、その有用性は限定的なままだ。その上、ユーザーは複数のトークンが必要となるといった不便さに直面し、Web3の体験が複雑化し、エコシステムへの新規参入者の参加を妨げることになる。


トークンの可能性を引き出す

NERO Chainはトークンの可能性を最大限に引き出すことに重点を置いていると、ストロースキー氏は強調。トークンをエコシステムの中核機能に組み込むことで、トークンを「真に価値のあるもの」にすることを目指しているという。

このアプローチにより、トークンの実用性の低さや価格の低迷など、初期段階の課題に対処することができると同氏。それは、トークンが繁栄し、コミュニティにとって有意義な価値を提供するシステムを構築することに他ならないとまとめた。

日本での規制対応

日本の規制では、暗号資産(仮想通貨)と円との交換や仮想通貨同士の交換などには、仮想通貨交換業のライセンスが必要とされている。

一方、NERO Chainのサービスは、このようなライセンス要件に明確に該当しない形で設計されているため、日本における規制にも準拠しているとストロースキー氏は説明した。

NERO Chainはトラベルルール要件への準拠が求められる企業やコミュニティ、ユーザーをサポートするための、独自のトークンソリューションの開発を進めており、日本を含む各国の規制ニーズに適応した環境を構築しているところだという。

柔軟なガス代設定

ストロースキー氏は、ブロックチェーンの課題、特にトークンと開発者環境に関連した課題解決能力が、NERO Chainの強みだと主張。分散型の理念を基盤とした解決策を提供することで、課題の克服に取り組んでいると説明した。

例えば、多くのブロックチェーンが各自のエコシステムに有利な制約の実装を通して、ネイティブトークンの使用を促進しているが、このアプローチでは、独占的な力が働くリスクがある。

NERO Chainは、ステーブルコインによるガス代の支払いを許可する機能を備えており、トークン価格の変動を避けたいユーザーには特に有益だと同氏は言う。また、Web3初心者にとってもアクセスしやすいプラットフォームが構築できることが利点だと付け加えた。

デベロッパー向けのツールとして、NERO Chainでは、アカウント抽象化により、ガス代に使用するトークンを自由に選択できるdApps向けのPaymaster機能「AAプラットフォーム」というサービスを提供している。

関連:10月下旬にNERO Chainのメインネットローンチに伴い、ガスのトークンを自由に選択できるAAプラットフォーム

日本のユーザーにとっての価値

ストロースキー氏は、「予測可能性」、「信頼性」、「長期安定性」などの日本における文化的優先事項が、NERO Chainのアプローチと一致していると主張する。

アカウント抽象化は、日本のイノベーション主導型の技術市場の需要を満たすように設計された機能であり、モジュール式のブロックチェーンモジュール式のブロックチェーン構造は、将来の技術の進歩や市場の変化に適応する柔軟性を提供し、長期的な関連性と回復力を保証すると説明した。

同氏は最後に、NERO Chainの使命とビジョンについて、次のように総括した。

NERO Chainの使命は「アプリケーションに力を与え、その可能性を最大限に引き出すこと」だ。このビジョンを通じて、長期的なパートナーシップを構築し、テクノロジーを超えたソリューションを提供することで、持続可能な価値を創造し、意義あるインパクトを育むことを目指している。

関連仮想通貨を種類別に解説|アルトコイン、ミームコインまでわかりやすく

関連評判・口コミでおすすめ仮想通貨取引所15社 個人投資家の評価は?

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/01 火曜日
17:40
メタプラネット、ビットコインを696 BTC追加購入
メタプラネットが696BTCを追加取得した。キャッシュ担保付きプットオプションで第1四半期に7.7億円の収益を計上し、長期的なビットコイン蓄積と安定収益を同時に狙う戦略を公開した。
15:02
オリコン調査 ビットコイン取引所満足度ランキングbitbankが首位【現物取引】
オリコン顧客満足度調査2025で暗号資産取引所を徹底比較。現物取引ではbitbankが2年連続の総合1位を獲得し、手数料・システム安定性で3年連続首位となった。GMOコインはステーキング・レンディングで高評価。6,260人の利用者の声から見る信頼性の高い取引所選びに。
14:15
エックスモバイルがWeb3参入 暗号資産モバイルサービスを今年度中に開始
マジモバ・ホリエモバに続く展開 格安携帯電話サービスを提供するMVNO「エックスモバイル」は1日、暗号資産(仮想通貨)を含むWeb3事業への本格参入を発表した。今年度中に、ブロ…
13:45
テザー、1Qに8888BTC追加購入
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第1四半期に約1,100億円相当のビットコインを追加購入。総保有量は92,647BTCとなり世界第6位のホルダーに。
13:10
イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上
仮想通貨イーサリアムのDencunアップグレード後、L1の手数料収益が大幅に低下。ガス代削減という目標は達成したものの、ETHのインフレ課題が浮上していることを解説する。
12:11
トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で
4月2日のトランプ関税発表を控え、ビットコイン市場は複雑な状況に直面している。一方ではETFへの資金流入が9営業日連続で続き回復の兆しを見せる一方、マイニングコストは87,000ドルまで上昇。さらにハッシュレートは史上最高の8億5,000万TH/sを記録するという矛盾した状況だ。市場のリスク回避姿勢が強まる中、投資家とマイナーの動向から見える業界の今後を分析する。
11:25
ヘデラ関連企業ハッシュグラフ、企業向けネットワーク「HashSphere」発表
仮想通貨ヘデラ関連企業ハッシュグラフは、プライベートな許可型ネットワークHashSphereを発表。開発目的や想定するユースケース、今後の開発計画が明らかになった。
11:00
米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
米国のトミー・タバービル上院議員が退職金プランでの仮想通貨投資を許可する金融自由法案を提出。旧バイデン政権の規制に対抗し、トランプ大統領の仮想通貨支持政策を後押しする内容に。
10:10
REDXがBingXへの上場発表 モバイルサービス「REDX MOBILE」でユーティリティ拡張へ
ブロックチェーン×エンターテインメントを融合させたWeb3プロジェクト「REDX(レッドエックス)」は、2025年4月1日より、トークン還元型の次世代モバイルサービス「REDX…
10:00
トランプ大統領の仮想通貨活動に共和党内から異例の苦言
米下院金融サービス委員会のヒル委員長が、トランプ大統領の仮想通貨事業がステーブルコイン規制議論を複雑化させていると発言した。民主党からの批判を招いていることが背景だ。
08:40
トランプ家、ビットコインマイニング事業参入 Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立
Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立 米国の上場企業Hut 8(ハット・エイト)は、ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプ氏とドナルド・トラ…
08:01
ブラジル金融当局、主要年金基金の仮想通貨投資を全面禁止
ブラジル国家通貨評議会が年金事業体による仮想通貨投資を禁止。高リスクを理由に規制強化する一方、英国のカートライト社や米国複数州の年金基金はビットコイン投資を進めており、国際的な規制姿勢の違いが鮮明に。
07:30
ブラックロックCEOが見解、ビットコインが米ドルの支配的地位を奪うリスク
ブラックロックのCEOは、米国の債務が増加している現状に警鐘を鳴らし、債務を制御できなくなれば、ドルの準備通貨の地位が仮想通貨ビットコインのようなデジタル資産に奪われるリスクがあると指摘した。
07:00
ビットコイン、S&P500との相関性低下か クジラ数は3ヶ月ぶりの高水準
仮想通貨ビットコインはS&P500が下落する中でプラス推移し相関性の低下を示唆。1,000BTC以上保有のクジラウォレットは3月から11増加し1,991に到達。Cryptoquantアナリストは2020年の強気相場と類似したパターンを指摘した。
06:30
2880億円規模のビットコイン買い増し、ストラテジー社
米ストラテジー社は3月31日、22,048の仮想通貨ビットコインをさらに追加購入したことを公表した。今回の購入規模は2880億円相当のもので、このニュースが好感されビットコイン市場は一時83,757ドルまで反発。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧