- 仮想通貨市場
- 米中経済がリセッションの危機に陥り、国際金融市場が大きく動揺する中、海外大手仮想通貨取引所「Bitfinex」における、ビットコインのLS比率におよそ2ヶ月ぶりの変化が表れた。
金融マーケット
ビットコイン価格は、狭いレンジの中でほぼ横ばいの推移をたどっている。
本日は、日本の証券取引所における1年間の取引の初日となる「大発会」だったが、日経平均株価は、一時773円下落(終値452円安の1万9561円)の大幅安に見舞われた。
前日の米Apple業績下方修正や、市場予想を大幅に下回る「ISM米製造業景況指数」の急悪化が、米中貿易戦争の影響だと見なされた嫌気売りの連鎖により、米国株が大幅下落した影響によるものと思われるが、場中に米中が「1月7-8日に次官級の通商協議へ」と報じられると、下げ幅を縮小した。
株価が上昇しやすい大発会がマイナスで引けたのは、実に3年ぶりだ。
「ISM(米供給管理協会)製造業景況指数」は、通常50が景気動向の良し悪しの分岐点とされるが、前回発表時の59.3から今回54.1まで急落。市場予想のコンセンサスとなる57.9を大幅に下回ったことで、米中貿易摩擦の影響が想像以上に深刻であると市場に認知され、リスクオフが加速した。
日本の金融マーケットも例外ではなく、日経平均株価は昨年末、1年3ヶ月ぶりに20,000円を割り込み、さらに大幅下落している。日本政府は、2019年10月に消費税率を「現行8%から10%」に引き上げる方針を表明している中、難しいかじ取りを迫られることになる。
世界的な景気減速懸念から、急激な円高・株安が続いており、これを受けて本日13時より、国際金融資本市場に関する「情報交換会合」が開催された。
主な参加者は、以下の通り。
- 財務省 浅川財務官
- 金融庁 遠藤長官
- 日銀 前田理事
会談終了後、財務省の浅川財務官は記者団に対し、薄商いの中ドル円が104円台まで急落するなどしたことについて、
大きなボラティリティを伴う為替の値動きは、強い懸念を持って認識せざるを得ない。市場のファンダメンタルズから正当化できない動きは看過できない。
(今後の市場動向について)必要なことがあれば適切に対応するというスタンスに変わりなく、投機的な動きがあるかじっくり見ていきたい。
などと、投機筋を牽制した。
日本時間22:00より、米国の雇用情勢を調べた景気関連の経済指標を示す「米雇用統計」の発表も控えており、統計内容を受けたFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長ら関係者の発言も注目される。場合によっては、ビットコイン価格に再び影響を及ぼす可能性も考えられるため、予断を許さない状況と言えるだろう。
ビットコイン市場との相関性を考察
コインポストのマーケットレポートで何度か考察しているが、投資家心理を示す「VIX指数」や追証回避売りの資金捻出など複数の理由により、ビットコイン価格が株式市場など国際金融マーケットの暴落と連動するケースも度々見受けられる。
直近では1月3日、日本時間7:30に約1万円幅ほど急落を見せたタイミングの世界金融市場を確認すると、年始で薄商いの中、為替レート109円台から一時104円85銭までフラッシュクラッシュしており、同タイミングでビットコイン価格も急落(その後反発)していることが、比較チャートから明確に見て取れる。
また、過去に暴落タイミングで相関性を示したチャートでは、AM9:00前後に大きく動いたが、この時間帯は東京株式市場の寄り付き時間とビットコインの日足確定タイミングとが重なるため、大口による売り仕掛けのタイミングとして適している可能性があり、今後も注意すべきタイミングと言えるだろう。
MarketWatch調査では、仮想通貨投資家の約75%がロング
総合投資情報サイトのMarketWatchが、仮想通貨投資家の75%以上が、ロング(買いポジション)していると報じた。
記事内では、仮想通貨市場に関する調査を行なったDailyFXの調査アナリストFan Xu氏が、以下のように語っている。
ビットコインにおいて個人投資家の77.5%がロングしており、ロングとショートの比率は3.44:1だ。ロングの投資家の割合は前日比-0.4%、前週比+6.2%になる。
それに対して、ショートの割合は前日比-2.7%、前週比-6.4%だ。
仮想通貨市場が低迷する中、今回のデータは市場が上向きになることを示唆するとする声もあるが、Xu氏は逆の見方をしているようだ。
我々は群衆と反対の立場をとっている。つまり、ロングポジションが多いということは将来的な下げ圧力となるため、ビットコイン価格がさらに下落する可能性も十分考えられる。
前日比・前週比、共に直近ではロングポジション比率が上昇しているが、現在の相場観に対して、弱気なトレード・バイアスを築いている。
Bitfinexでも数ヶ月ぶりに拮抗
なお、CoinPostの調査でも、大口の多い海外大手取引所「Bitfinex」におけるL/S(ロング/ショート)比率にて、ロング比率がショート比率を上回った。
下図を参照しても、ショートポジションが大幅に解消されていることが確認できる。
「Bitfinex」でのロング比率がショート比率を明確に超えた場合、ビットコインキャッシュのハードフォークに伴う「ハッシュ戦争」の影響で、2018年11月中旬にBTC価格が底値割れして以来、およそ2ヶ月ぶりとなる。
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