CoinPostで今最も読まれています

DMM Bitcoin代表田口氏:仮想通貨の発展を妨げるジレンマを解説|高金利付き電子マネー発行の計画も明かす

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DMMグループ、デジタル・アセットを流通させる計画
DMM Bitcoin代表取締役の田口 仁氏が「Japan Blockchain Conference YOKOHAMA Round 2019」登壇し、同社の仮想通貨(資産)への見解、またブロックチェーン技術を用いた新たなサービスなどを解説した。

DMM Bitcoin代表田口氏、高金利付き電子マネーを発行する計画を語る

CoinPostはメディアパートナーとして「Japan Blockchain Conference YOKOHAMA Round 2019」に 参加した。

31日同カンファレンスにて、DMM Bitcoin代表取締役の田口 仁氏が登壇し、現在同社が仮想通貨(資産)をどのように捉えているのか、またブロックチェーン技術を用いた新たなサービス、プロジェクトについての具体的な内容が語られた。

DMMビットコイン:仮想通貨関連事業はあくまで金融業

現在仮想通貨交換業として、DMMビットコイン取引所を運営しているが、あくまでこれは金融業であり、仮想通貨(資産)に対しては保守的な立場であると明かした。その理由に仮想通貨(資産)が持つジレンマについて説明した。

仮想通貨が持つジレンマ

仮想通貨は、現存の通貨チャンピオンである国と中央銀行そして国際金融ネットワークやFATFに対し、壮大なチャレンジを挑んでいると話し、いつでも反撃される可能性があると指摘した。

また田口氏によれば、法定通貨と比較して裏打ちがない価値を持つ仮想通貨には「徴税力」が無く、だから懐疑的な見方があり、その点で現存の法定通貨の信頼性に圧倒的に劣る。現在の仮想通貨の利益の取り先が法定通貨である以上、仮想通貨の代替性は証明されるどころか、これは法定通貨に依存し続ける存在だという。

またキャッシュレスとしても、既存のネットガリバー(Amazon・Google・Facebook・アリババなど)の独占領域であるデジタル・ネイティブな領域で、これらの競合となるプラットフォームを構築し、その普及を実現するのは無謀だとし、

多大な資金及び信用を有するネットガリバーは、オープンソースを利用して、いつでもその様なプラットフォームを構築できてしまう。しかし、プラットフォームに著作権などの知的財産権を取得したら非中央集権ではなくなってしまう。

と、仮想通貨(資産)の発展を妨げているジレンマについて解説した。

その上でDMMグループは、デジタル・アセットとして仮想資産を扱っていくと明示し、法制度的にも、業務を行なう立場からしても、しっかり内部管理体制を整えていくという。

デジタル・アセットの流通基盤になる3大ライセンス

田口氏は、デジタル・アセットの流通基盤に必要な「三種の神器」として、3つの金融ライセンスを挙げた。

現在DMMグループは仮想通貨交換事業のみをライセンスを取得して展開しているが、田口氏によれば、この産業分野はこれから法諸制度が明確化していくにつれ、拡大していくかは不明であり、他の分野で事業を展開する道は免れないという。

資金移動業が重要になる理由に、昨年4月経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」という、キャッシュレスに関する方針を策定した事実がある。当方針では大阪・関西万博(2025年)に向け、現在約62兆円程の産業規模を倍にする計画がある。田口氏は、この分野で現在7割を占めるクレジットカードの伸び率の低迷を予測した上で、デジタル・アセットが発展できる可能性を言及した。そのためにも資金移動業のライセンスは必要であるという。

また、金融取引業のライセンスを取得すれば、規制が入ってもレバレッジの以外に焦点をあてたサービスが提供できるようになる、と田口氏は説明した。具体的にはデジタルアセットを有価証券として発行したり、資産担保型トークンを取り扱ったりすることが、ライセンスを取得すれば可能になる。

高金利付き電子マネーの発行「銀行のMRFみたいなことをしたい」

そしてこれらの「三種の神器」が揃えば、従来の銀行が行っていたようなサービスが出来るようになる。法定通貨担保のトークン(JPYトークンやUSDトークン)を、配当が出る金利がついた電子マネーとして発行することもできる。

資金移動業そして金融商品取引業のライセンスを合わせ持つことで、デジタル・アセットを今までにない全く新しい商品として提供できるという可能性を示している。

「現存の銀行が提供しているMRF(マネーリザーブドファンド)みたいなことをしたい、でも銀行より10から数十倍の指定金利をつけて。」と、田口氏はDMMグループの未来の新サービスの思惑を明かした。MRFは公社債投資信託の一種で、超短期の債券で運用されている投資信託である。

更に、それらの新しい形の商品を保管できる分散型技術を用いたプラットフォームを通じて利用者が自由にデジタル・アセットを交換できるようにしたいと加え、その交換手数料で事業者に金利を戻すことも考えられると、その計画を初めて公の場で詳細に語った。

いずれにしろ、DMMグループは今後仮想通貨市場の相場に依存しないビジネスモデルを構築し、展開していくようだ。

「非中央集権的な仮想通貨は現時点では不可能」

デジタル・アセットの新しい形での普及の可能性を解説をした後に、非中央集権である仮想通貨の素晴らしさは理解できるが、先述のジレンマなどを考慮すると、現時点では不可能であると述べた。人類のエネルギーへの依存に起因する経済的な制約などが存在する現実を指摘し、

将来、2050、2060年になって人類がエネルギー問題から開放された時には、非中央集権は有り得る。しかし、今の段階では世界が追いついていない。

とコメントし、プレゼンテーションを終えた。

当カンファレンスで田口氏は、DMMグループの仮想通貨に対し保守的ながらも、攻めるところは法に準基してしっかり攻めるという立場を明確にし、初めて公の場で日本においてデジタル・アセットを流通へ向けた計画を詳細に語った。

銀行よりもかなり高い金利付きの電子マネーが発行され、皆がそのアセットを自由に交換する未来が実現するのは、時間の問題かも知れない。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPostの関連記事

GMOに続きDMMも 金沢の仮想通貨マイニング事業から撤退へ|東洋経済が報道
DMM Bitcoinなど仮想通貨取引所展開も行うDMM.comが、2018年2月から金沢で大規模マイニングファームの運用を始めたマイニング事業から撤退する事になるようだ。東洋経済が取材内容を報じた事で明らかになった。
『真相解説!仮想通貨NEWS!』×『Coin Post』 DMM Bitcoin 代表田口氏にインタビュー
ADコイナーの野村氏が、DMM Bitcoin代表取締役の田口氏に、DMMグループの仮想通貨業界参入の裏側、今後の仮想通貨業界の見通しなど、様々な質問を投げかけた。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
16:00
フロリダ州、年金基金でのビットコイン投資を提案 CFOが州投資委員会に検討要請
フロリダ州が約2,050億ドル規模の年金基金でビットコイン投資を検討。Patronis CFOが州投資委員会に実現可能性の調査を要請。ウィスコンシン州に続く動きで、DeSantis知事のCBDC反対政策とも連動。2025年3月までに結論へ。
15:00
カナダの上場投資会社、ソラナ投資拡大13万SOLへ 株価高騰
カナダの仮想通貨投資会社ソル・ストラテジーズが、ビットコインからソラナへの投資シフトを加速。166BTCから23BTCまで保有を縮小し、ソラナは13万SOL(約35億円)まで拡大。株価は882%急騰。機関投資家のソラナへの注目度が高まっている。
14:10
ビットコインL2プロジェクトStacks、大型アップグレード実行でビットコインとの連携強化
ビットコインのレイヤー2プロジェクトStacksは、トランザクションの高速化を実現する「ナカモト アップグレード」を有効化した。ブロック生成時間が大幅に短縮されるとともに、ビットコンと同等のファイナリティを実現した。
11:34
香港証券取引所、ビットコインとイーサリアムの新インデックスを提供へ
香港取引所がビットコインとイーサリアムの新インデックスを11月より提供する予定だ。アジア時間帯の価格を基準とする。
11:10
ビットポイント、ミームコインPEPE(ぺぺ)取り扱い開始
国内の仮想通貨取引所ビットポイント(BITPOINT)は30日、新たにミームコインのPEPE(ぺぺ)を取り扱い開始した。これに伴い、10万円相当のPEPEがもらえる購入キャンペーンも実施中だ。
10:10
ビットコイン、円建て最高値更新 複数材料を市場が好感
仮想通貨ビットコインは30日、1128万円を超え、日本円建てで最高値を更新した。米ドル建てでも、7万3500ドル付近まで上昇し、史上最高値更新まで目前に迫った。
09:40
日立ソリューションズ、Web3開発支援を開始 知識習得から運用までカバー
日立ソリューションズはWeb3開発支援ソリューションを提供開始。トレーニングからシステム開発、運用保守まで様々な段階をサポートする。
09:00
バイナンス幹部が語る、日本市場の課題やIPOの可能性
日本の仮想通貨市場の課題、規制の取り組みやIPOの可能性などについて、バイナンスに独自取材を実施。地域市場責任者のヴィシャル・サチェンドラン氏とバイナンスジャパン代表の千野氏に話を聞いた。
07:40
JVCEA、ステーブルコインの自主規制団体に
ステーブルコイン発行の環境整備とみられる動きをJVCEAが発表。JVCEAは電子決済手段の自主規制団体になり、名称を日本暗号資産等取引業協会に変更した。
07:30
Bybit、米株指数をパロディしたミームコインSPX6900の永久先物を提供
大手暗号資産取引所Bybitは29日にイーサリアム基盤のミームコイン「SPX6900(SPX)」の永久先物取引を提供開始した。
06:35
メタマスク開発のConsensys社、20%の人員削減を決定
イーサリアムの主要な仮想通貨ウォレットMetaMaskの開発元であるConsensysが、20%の従業員を削減すると発表した。
06:05
売却準備か ブータン王国、100億円相当のビットコインをバイナンスへ入金
ブータン王国政府は29日、100億円相当のビットコインを仮想通貨取引所バイナンスの入金アドレスに送金したことがわかった。
10/29 火曜日
15:16
ドージコイン前月比28%高、マスク氏のD.O.G.E構想が追い風
仮想通貨ドージコイン(DOGE)が月間28%上昇。イーロン・マスク氏が再度、政府効率化部門(D.O.G.E)構想を掲げた。24時間取引量は158%増。時価総額3.7兆円で市場8位に。マスク氏の発言経緯と価格動向をまとめる。
14:45
中央銀行がビットコインを準備資産に加えるべき7つの理由=米シンクタンク報告書
米非営利シンクタンクのビットコイン政策研究所は、新たな報告書で、中央銀行が準備資産としてビットコインの保有を検討すべき理由を、金を保有する理由と照らし合わせて解説した。
14:00
GMOコイン、アバランチ(AVAX)取扱い開始
GMOコインが2024年11月2日よりアバランチ(AVAX)の取扱いを開始。販売所・つみたて対応で、Cチェーンでの預入・送付にも対応予定。Amazon採用で注目のブロックチェーン通貨、記念キャンペーンで最大10万円のチャンスも。取引開始情報とキャンペーン詳細を解説。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧