- TD AmeritradeとErisXのCEO、仮想通貨への需要が高騰
- 米オンライン証券仲介大手TD Ameritradeと機関投資家向けの仮想通貨取引所ErisXの2トップが「コンセンサス」に登壇し、投資家から仮想通貨関連商品への投資需要が高まっている現状を語った。
TD AmeritradeとErisXのCEO、高まる仮想通貨への需要
米オンライン証券仲介大手TD Ameritardeと機関投資家向けの仮想通貨取引所ErisXの両トップが大型カンファレンス「コンセンサス」にて登壇し、ユーザーから仮想通貨への投資需要が高まっている現在の状況について語った。
まず、TD Ameritradeのバイズプレジデントを務めるSteven Quirk氏は「仮想通貨関連商品の投資を提供しようとすれば、それを求めてくるクライアントやユーザーは押し寄せるように参入してくるだろう。」と言及し、仮想通貨やブロックチェーンの教育セミナーに参加している人の年齢層も若い世代だけでなく、既存金融マーケットの投資家らもそれに対する興味を示しているとした。
なお、投資家だけでなく、TD Ameritradeにおいて投資アドバイザー(RIAs)など仮想通貨先物などの商品に興味を寄せている。
TD Ameritradeでは、現在約1000万の投資口座が開かれており、米国における大手投資プラットフォームとして人気を博している。異なる年齢層からの仮想通貨への高い関心度や投資需要は実際ErisXの先物商品が承認された場合、同じ口座を通して取引が可能となるため、機関投資家や大口投資家からの資金流入を反映されると予想されている。
TD AmeritradeはErisXの出資企業であり、先日ではTD Ameritradeのユーザー口座を通じてナスダックマーケットでビットコインとライトコインの模擬トレードが確認されていた。なお、ErisXは現在CFTCに対してビットコインとイーサリアムの現物決済先物商品を申請しながら、すでに機関投資家向けの現物市場をローンチした。現時点ではBTC・LTC・BCH・ETHとの4銘柄が提供されている。
「コンセンサス」で、ErisXのCEOであるThomas Chippas氏は、Quirk氏の上述のコメントに対して賛同を示した上で、「実際、機関投資家は一般的な認識よりもビットコインに投資している。」と業界裏側の実情を明かした。
なおQuirk氏はErisXが提供しようとする現物決済のビットコイン先物商品の需要度が高まっていると言及し、「現金決済でなく、実際の仮想通貨現物に準拠し、それをデリバリーするため、市場の健全性と投資のリスクマネジメントの面でもよい働きをもたらすだろう。」と説明した。
ErisX、Bakktの進捗とは
先日、ErisXはシリーズBの資金調達を遂げたことを発表した。新たにサポートをしてくれる企業としてNew York Digital Investment Group社を含め6社の名前を挙げ、さらにConsensys社やNasdaq Ventures社など複数の企業から融資のサポートを受けているとしている。
なお、昨年はすでに日本のMonex Groupや、米金融大手フィデリティ、Digital Currency Groupなどから出資を受けたため、現物取引サービスの提供の実現はErisXにとって大きな一歩とされている。
一方、ErisXと同じで現物決済のビットコイン先物商品を提供しようとするBakkt(ICEが手がける仮想通貨エコシステム)はつい昨日、その商品のテストを7月に実施する予定を発表。日間と月間ベースの2種類のビットコイン先物取引に関する書類をCFTCに提出していることがわかっている。
ErisXもBakktと同様にCFTCから先物商品の承認を待っており、ErisXの方では清算機関としてのライセンスも申請しているが、BakktはNY州のカストディライセンスを取得してからビットコインの先物商品を正式に開始する予定で業界から注目を集めている。なお、Bakktの発表に際し、ビットコインは当時価格の高騰を見せた。