はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

FATFの年次報告書 トラベルルールツールの互換性や仮想通貨ウォレットの課題を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FATF規準の実施状況

金融活動作業部会(FATF)は7月9日、「暗号資産:FATF規準の実施状況についての年次報告書」を公表した。

主に「トラベルルールに対応するソリューション間の互換性の向上」、ステーブルコイン、DeFi、NFT取引に関して「VASPの定義に該当する可能性のある主体の特定と規制対応」、および「仮想通貨ウォレットに関連するリスク対策に向けた官民の連携」を求めている。

2023年の調査結果と比較すると、いくつかの重要な法域でAML/CFT規制の導入が進展しているか、進行中。しかし、世界的にはFATF基準の実施が依然として不十分であり、暗号資産(VA)及び暗号資産サービスプロバイダー(VASP)が依然として悪用されやすく、他の金融セクターに比べて基準の実施が遅れていることを示している。

これを受けて、報告書では官民両セクターに向けた主要な改善点と提言が示された。

民間セクターへの提言

  • 暗号資産交換業者およびトラベルルール対応ソリューションの提供者は、疑わしい取引を検出・防止するために取引モニタリングツール間の互換性を向上させるべきである。
  • ステーブルコイン、DeFi、NFT、およびP2P取引を含むアンホステッド・ウォレットに関連するリスクの考察と低減策を含め、公共セクターの関係者との連携が重要である。
  • エマージングリスクや増大するリスクに対処するための公共セクターへの提言を求める。

トラベルルールは、マネーロンダリングとテロ資金供与対策のために国際的に定められた規則。暗号資産交換業者は、顧客から暗号資産の送付依頼を受ける際に、送付人と受取人の情報を受取人側の交換業者に通知する必要がある。

2023年6月1日の改正犯収法により、トラベルルールは日本国内で義務化された。国内の暗号資産交換業者は、主にSygnaとTRUSTという2種類のソリューションを使用するが、異なるソリューションを利用する交換業者間では直接の送金ができず、プライベートウォレットを介する課題がある。

関連:bitFlyer、トラベルルール対応で暗号資産の預入・送金制限を公表

公共セクターへの提言

  • ステーブルコインの採用や犯罪者による使用の増加、及びステーブルコインが他の暗号資産同様にP2Pで移転できる機能性を踏まえ、各法域が市場の動向をモニタリングし、金融犯罪リスクを評価し、適切なリスク軽減措置を講じるべきである。
  • DeFiの仕組みに関連する不正資金リスクを評価・モニタリングし、VASPの定義に該当する可能性のある主体を特定し、責任主体を捕捉するための規制的枠組みを策定し、適切な監督・執行措置を講じ、事例や課題をVACGメンバーと共有すべきである。
  • 各法域は、市場の発展状況をモニタリングするとともに、P2P取引を含むアンホステッド・ウォレットおよびNFTに関連するマネーロンダリング(ML)やテロ資金供与(TF)、拡散資金供与(PF)リスクを評価し、データ収集およびリスク軽減策を含め、その経験を共有すべきである。

本報告書は、トラベルルールを含むFATF基準の実施および促進に向けた方策をまとめたものであり、FATFの暗号資産サービスプロバイダー(Virtual Asset Service Providers, VASP)部門「VACG」が作成した年次モニタリング報告書としては5本目となる。調査結果には以下の内容が含まれた:

  • FATF基準実施促進に向けた方策
  • 北朝鮮による不正な暗号資産関連活動
  • DeFiやアンホステッド・ウォレットを含むP2P取引に関連する新たなリスク
  • など

関連:ビットバンクがコインチェックやbitFlyerへの直接送金制限を発表 トラベルルール対応で

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/02 土曜日
13:30
OpenAI、1.2兆円を資金調達完了 汎用人工知能に関する協議も
OpenAIが新たに1.2兆円の資金調達を完了。経常収益が急成長する中、汎用人工知能(AGI)達成後のマイクロソフトとの技術利用権について協議を進めていると伝えられる。
12:00
ジーニアス法成立、サークル株に対する影響と今後の展望は
ステーブルコインUSDCの発行元サークルが米国で上場し、株価は急騰後に一時300ドル近くまで上昇。GENIUS法案の追い風もあり注目を集めたが、その後は調整局面へ。本記事では株価動向、成長の可能性、リスク、そしてUSDCの仕組みやDeFiでの活用方法を総合的に解説する。
11:15
米シャープリンク、約1.5万イーサリアム追加購入
イーサリアムトレジャリー企業シャープリンクが7時間で14933ETH購入。6月以降46万4000ETH蓄積し未実現利益2億ドル以上を記録。
10:30
DeFi教育基金が米上院に提案、クラリティ法案の4つの原則とは?
仮想通貨業界団体DeFi教育基金が、米上院の「責任ある金融イノベーション法」に4つの重要原則を提案した。分散型金融と従来型仲介業者の区別などを求めている。
09:50
メタプラネット、最大5550億円相当の優先株発行を検討へ
メタプラネットは仮想通貨ビットコインの追加取得のために、発行可能株式総数の増加や永久優先株式の発行を臨時株主総会に付議することを決議。永久優先株式の発行額は最大5550億円である。
08:43
ビットコイン一時11万3000ドル割れ、トランプ新関税発表などで仮想通貨市場に売り圧力=CNBC
トランプ大統領の関税発表などを受けビットコインが3%下落し一時11万3000ドルを下回った。イーサリアムやXRP、ソラナなども下落。専門家は健全な調整と分析。
07:15
ベッセント財務長官、「仮想通貨黄金時代」宣言 
ベッセント財務長官が仮想通貨黄金時代の到来を宣言。トランプ政権が168ページの包括的報告書を公開し、ビットコイン戦略的準備金やDeFi規制緩和を明記。
06:45
英金融当局、10月から仮想通貨ETNの個人投資家向け販売を解禁
英金融行為監督機構が2021年から禁止していた仮想通貨ETNの個人投資家向け販売を10月8日に解禁。FCA承認取引所での取引が条件、デリバティブ禁止は継続。
06:25
米SECの仮想通貨タスクフォース、全米10都市で巡回ラウンドテーブル開催へ
米SECのヘスター・パース委員率いる仮想通貨タスクフォースが8月から12月にかけて全米10都市を巡回。従業員10人以下の小規模仮想通貨プロジェクトとの対話を重視。
06:00
ストラテジーの「iPhoneモーメント」か、アナリストが目標株価を大幅引き上げ
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーの第2四半期決算を受け、ベンチマークとキャンター・フィッツジェラルドが目標株価を上方修正。新優先株STRCを「iPhoneモーメント」と評価し長期成長を予想。
08/01 金曜日
17:45
予測市場が示す2025年後半の仮想通貨相場展望
仮想通貨市場の未来について、現在もポリマーケットなどで予測が活発に行われている。本記事では、2024年に精度で注目を集めた予測市場が示す2025年後半の仮想通貨相場展望をまとめた。
16:30
韓国Four Pillars、Circle・a16z・S&P参加のTACにアジア初のリサーチ企業として加盟
韓国のFour Pillarsがアジアのリサーチ企業として初めてTACに参加。Circle、a16z、S&P Globalなど大手機関と共にトークン化資産の発展に貢献。仮想通貨市場の国際協力体制が強化。
13:45
9割の北米大企業CFOが仮想通貨利用を想定=デロイトQ2調査
デロイトの最新調査により、北米大企業の最高財務責任者の99%が、長期的に仮想通貨の業務活用を想定していることが明らかになった。投資や決済での利用をはじめ、サプライチェーン管理での利用が高く評価され、2年以内の導入に意欲を見せる企業も多い。
13:00
新構想「リーン・イーサリアム」とは? 今後10年の開発目標=ETH財団
イーサリアム財団リサーチャーが、今後10年の開発構想「リーン・イーサリアム」を発表した。特にトランザクション処理能力について野心的な目標を掲げている。
12:15
初心者・女性・大口が選ぶ|仮想通貨取引所のクチコミ人気ランキング
ユーザー基盤の大きい、ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコイン・コインチェックのクチコミ500件を分析。初心者や上級者別に、おすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所を比較しました。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧