- 世界有数の法律事務所が仮想通貨の可能性を言及
- 世界最大手の法律事務所で会長を務めるAl Mulla氏は、ドバイで開催された「Arabian Business Startup Academy」に登壇。ブロックチェーン技術と仮想通貨の可能性について、「仮想通貨とブロックチェーン技術は、未来の宝だ」と言及した。
Al Mulla氏の語る可能性
6月25日、世界中に77拠点を構える最大手法律事務所「Baker McKenzie」社の会長および、ドバイ国際仲裁センター(DIAC)の評議員会会長を務めるHabib Al Mulla氏は、ドバイで行われた「Arabian Business Startup Academy」に登壇し、ブロックチェーン技術と仮想通貨の可能性を語りました。
ドバイ・テクノロジー・アントレプレナー・センター(DTEC)で開催される「Arabian Business Startup Academy」は、成長著しい中東の中小企業に対する「付加価値税VAT(Value Added Tax)」の影響にも焦点を当てており、四半期ごとに開催されるワークショップは、起業家だけでなく、中小企業経営者、著名投資家など、スタートアップコミュニティを支援、コミュニティのための有益なプラットフォームとして機能しています。
Al Mulla氏は、仮想通貨分野が適切に規制されておらず、ダークウェブでの薬物売買や、テロ資金支援への使用などが報道されていることから、現時点で多くの人々が仮想通貨にネガティブなイメージを持っていることに言及。
証券や税金、国際間取引、アンチ資金洗浄などを監視する公式機関が仮想通貨関連問題に対して手を焼いていることを認める一方、ネガティブな情報に振り回されないことの重要性を説きました。
同氏は、以下のように述べています。
仮想通貨とブロックチェーン技術は、未来の宝だ。
政府や規制当局が好んでいようが嫌っていようが、おそらく仮想通貨の普及は既定路線にあり、数多くの分野で独占状態に近い影響力をもたらすだろう。
と述べ、ブロックチェーン技術だけでなく、仮想通貨も将来的に多くの分野で大きな影響力を持ち、繁栄していくことを示唆しました。
このように、Al Mulla氏のような既存金融業界内で名の知れた人物が、仮想通貨とブロックチェーン分野の将来的な発展を疑いなく主張していることは、注目に値すると言えるでしょう。
各国間での仮想通貨規制の隔たり
さらにAl Mulla氏は、仮想通貨の規制問題についても言及。
仮想通貨取引自体を禁止している国や、規制が比較的緩い国など、世界中の国々の規制方針には隔たりがあり、先駆的に規制を行なっている国でも、まだまだ定まっていないと主張しました。
一方Al Mulla氏は、今後の仮想通貨の規制は、不可避なものであるとしており、以下のように語っています。
仮想通貨とブロックチェーン技術が、現代ビジネスのあらゆる側面に浸透する前に規制が行われるのは、もはや時期や可能性の問題ではない。
残るのは、「どのように規制されるのか、どの程度規制されるのか」という疑問点だけだ。
彼が言うように、仮想通貨とブロックチェーン技術分野において、繁栄する前段階として、より明確で統一化された仮想通貨規制が求められていると言えるでしょう。
G20と仮想通貨規制
3月20日にブエノスアイレスで行われたG20会議でも、初めて仮想通貨規制について取り上げられ、仮想通貨が、経済や社会に大きな影響を与える重要な分野であることから、「禁止ではなく、技術革新を妨げない程度に適切な規制を行う」という方針が掲げられました。
前回は具体的な規制の施行に至らなかったものの、7月19〜20日に開催される「G20 第4回金融・中央銀行議員会議」および、7月21〜22日に開催される「G20(第3回財務相・中央銀行総裁会議)」にて、より具体的な仮想通貨規制案が提出される予定です。
このように、次回開催のG20会議で、仮想通貨分野における規制の枠組みがある程度固まることによって、「現代ビジネスにおける、あらゆる側面への浸透」が実現する第一歩になるのではないかと期待されています。