ビットコインETF9つも一挙に非承認
米SECは日本時間23日、計3社が提供する9つのビットコインETFを一挙に非承認とすることを発表しました。
今回非承認になったETFのリストは以下の通りです。
ProShares (2種類)
Direxion(5種類)
GraniteShares(2種類)
ProShares版ビットコインETFの最終可否判断日程が、米国時間23日に発表される予定であったことで、注目が集まっていましたが、今回のSECによる否決は、ProSharesを含む3社9つのETFが対象となりました。
非承認となった理由は、ウィンクルボス兄弟関連ETFでの非承認理由と同様、ビットコインETFの水準を満たしておらず、価格操作や詐欺対策の欠如を理由に挙げ他ほか、将来性などの説明が不十分と指摘しています。
しかし、米SECは「今回の否決は、BTCやブロックチェーン技術の利用価値を否定するものではない」と示しています。
なお、これの否決発表を受け、申請中で残るETFは、残すところ「Cboe版のビットコインETF」のみとなりました。
可否判断日程の注目度
米国時間8月23日に発表されるとされていた、ProShares版ビットコインETFはSECによる最終の可否判断を予定しており、仮想通貨業界全体の注目を集めていました。
今回の内容が注目されていた背景には、ウィンクルボス兄弟のETF否決やCboeの可否判断延期の発表が影響し相場が下落に転じるなど、過去の状況から相場への影響度が高いことで、見極めようとする動きが強まっていることがありました。
なお、ProShares版ビットコインETFは、これら2つのETF関連発表後初となることから、より注目度が高まっている状況下で非承認が発表されたことを受け、相場の下落が危惧されていたものの、日本時間8時30分の時点では、発表による相場の下落は限定的であると言えます。
相場への影響が限定的であったのには、ウィンクルボス関連ETFの非承認やCboe関連ETFの延期など、度重なるビットコインETFに関する悪材料で、今回のETFに対する相場の期待感は薄れているといった投資家心理の減退が影響していると考えられ、それはメディアが実施していたアンケート結果にも表れています。
事前アンケートでは非承認とする見方が強かった
大手仮想通貨メディアCoinDeskは、ProShares版ビットコインETFの可否判断がどちらに転ぶと考えているかをユーザーに問うツイッターアンケート調査を実施、調査結果を発表していました。
CoinDesk polled 1,000 crypto traders. The majority (62%) don’t think a ProShares Bitcoin ETF will be approved by its final deadline Thursday. pic.twitter.com/jyRdG6Ka4R
— CoinDesk (@coindesk) 2018年8月22日
結果は、「否決となる」を選んだユーザーは圧倒的なシェアを占め、62%に。「可決」と「分からない」を選んだユーザーは各々22%と16%となっています。
Cboe関連VanEck版ビットコインETFが、SECからの初承認を受ける点で最有力視されている背景があることや、過去の可否判断の流れが影響したためか、投資家の見方は厳しいものとなっていた様です。
非承認の見方が強く出ていたことは、承認による期待感の薄れを表していると言え、織り込み済みであったことで、今回の発表による短期的な下落インパクトを抑えた一つの要因と言えます。
専門家の見解は
フィンテック関連法律専門の法律事務所Polsinelli PCの理事長であるRichard Levin氏は、SECがProShares版を通す見込みは薄いと考えを示していたものの、今後も続くビットコインETFの可否判断発表の中で、SECは認めるのではないだろうかと言及している。
また、eToroのシニアアナリストMati Greenspan氏は、個人投資家を保護することこそがSECが慎重に判断する要因だと分析、長期的な視野の必要性を強調しました。
参考記事:GraniteShares
参考記事:Direxion
参考記事:ProShares
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