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大手金融リサーチ企業、今後の決済手段に革新もたらす「4つのカギ」を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

東南アジア、革新する決済システム
大手金融リサーチ企業CEOは、東南アジアなどでのスマホやQRコード普及などが要因となり、アジア地域の決済手段に著しい発展が見られると言及。今後の決済システムのイノベーションの鍵となる4つの要素についても語った。

東南アジア、革新する決済システム

東南アジアにおける決済手段の革新は、急速に進んでいる模様だ。

主にアジア地域に拠点を置く金融テクノロジーのリサーチ・コンサルティング企業「Kapronasia」の設立者Zennon Kapron氏は、タイのバンコクで開催されたリップル社主催のカンファレンスにて、決済システムのイノベーションに重要な要素について言及した。

イノベーションを加速させる要素として、Kapron氏は以下の4点を挙げた。

・デジタル決済へのシフト

・決済システムの近代化

・プラットフォームとしての決済

・クレジット決済の課題克服

デジタル決済へのシフト

Kapron氏によれば、アジアにおいてオンライン・オフライン取引の両方において、電子決済の重要性が高まっている背景には、3つのトレンドが関係しているという。そのトレンドが以下の3つだ。

  • ノンキャッシュ決済(現金を使わない決済)の急激な増加
  • スマートフォン利用者の急増
  • QRコードの普及

上記の要素が互いに影響を及ぼし合い、アジア地域でのデジタル決済の需要が急激に高まっていると説明。

また、2018年におけるアジアとその他の地域における電子決済の利用額を比較すると、アジア、特に中国において、圧倒的に決済利用額が上回っている点を指摘。これは、スマートフォンの普及によるものだと述べた。

また同社の予測データによれば、2020年までにスマートフォンの普及率は66%にまで高まるとしており、さらなる需要の拡大が見込まれるとしている。

一方でスマホ普及率が高まるにつれ、読み込みやシェアのしやすさからQRコードを利用した決済手段の人気の高まりも見せているという。

またそうした決済手段は、クレジットカードやデビットカードを利用した決済に比べ、詐欺被害の防止や、設定のしやすさ、決済スピードといった点で、使いやすさは大幅に向上しているとのことだ。

決済システムの近代化

決済インフラの整備が劇的に発展することで、現在のデジタル決済へのシフトが可能となる。

Kapron氏曰く、日本を皮切りに、政府がリアルタイム決済の普及に取り組み始めたことで、近い将来ほぼ即時の決済システムが新たなスタンダードになるだろうとのことだ。

現在米国では、LyftやCitibank、eBayなどの電子決済手段は広がりを見せており、中国においてもWeChatやAlipayといった決済手段が普及している。

現在、このような決済サービスが多く誕生しており、競争が激化する中で、既存の決済システムに、ライフスタイルを一変させるような、様々な付加価値を備えたサービスが加えられている点にも言及。

こうした企業間での競争がプロダクトの差別化を生み、サービスの質を高め、電子決済システムの発展・普及につながるとの見解を示した。

プラットフォームとしての決済

クレジットカードやデビットカードのような、既存の決済手段における収益モデルは、その仲介で発生する手数料から利益を収めるといったものが中心で、現在においても、仲介手数料が利益の大部分を占めている。

ただKapron氏は、徐々にそれら手数料も削減されると予測しており、Kapronasia社のデータによれば、2018年度の、中国の銀行におけるカード決済手数料からの収益が500億円(約5兆5000億円)減収したとしている。

同氏は、こうした手数料の低下も一つの要因となり、電子決済が広がるだろうと話した。

クレジット決済の課題克服

今日に至るまで、小売業者における国際間取引やオンラインショッピング、旅行における決済といった場面でクレジットカードは席巻してきた。ただKapron氏は、QRコードとスマホを利用した決済手段が誕生したことで、クレジットカードの利用機会が減少していると語る。

その要因としてQRコード利用の決済に比べクレジットカードでの決済は処理時間が遅く、特定のアカウントを必要とすることを挙げた。

また国際決済に掛かる手数料の割合も、為替を加味すると5-8%となっている。

同氏は、既存の決済システムから、即時決済アプリケーションへの移行は、銀行や小売業者、消費者にとって容易だとし、また同システムの導入で不正検出の必要性も削減されるとした。

こうしたことを背景に、これからもカード利用の機会は減少し続けるだろうと予想している。

結論

Kapron氏は、上述したトレンドを背景として、東南アジアにおける市場競争は激化しており、どんどん手数用は安くなり、利用価値も上昇していくだろうと話した。

また、こうしたアジア地域を中心に新たな決済手段が台頭してカードの優位性を挑戦する中で、将来的により便利で早く、そしてコストを抑えた決済システムが普及するだろうとした。

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