リップルの4Qの総括
米リップル社は28日、2021年4Qのレポートを発表。暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)の売却状況や活用事例、CBDC関連プロジェクトや、相互運用性の向上などをまとめた。
リップル社は4Qの仮想通貨市場について、昨年10月に米国で初のビットコイン(BTC)先物ETFがSECに承認されたことをきっかけとして、仮想通貨市場が一時的に成長したことに触れた。
しかし、デリバティブ市場のレバレッジが不安定な水準まで高くなったことなどもあり、仮想通貨市場は再び縮小。21年末には、仮想通貨全体の市場規模は、ピーク時の3兆ドル(約346兆円)から2兆ドル(約230兆円)へと戻った。
また、リップル社は、ザ・サンドボックス(SAND)などメタバース関連のプロジェクトやクロスチェーンブリッジへの注目が高まったことや、コスモス(ATOM)、アバランチ(AVAX)、XRPLなどのブロックチェーン上で様々なエアドロップ(トークン配布)が行われたことにも言及している。
クロスチェーンとは
規格・仕様の異なるブロックチェーン同士を跨ぐこと、及びそれらを接続する技術を指す。イーサリアムのスケーラビリティ問題を受け、様々なプラットフォームでクロスチェーン導入が進んでいる。処理速度の向上のため、高速なブロックチェーンとの連携で負担を軽減する方針だ。
▶️仮想通貨用語集
XRPの売却
リップル社による4QのXRP販売総額は、3Qの4.92億ドル(約567億円)に対して7.17億ドル(約826億円)と上昇した。販売目的としては、取引所での事前資金調達の必要性をなくし、グローバルな即時決済を可能にするなど、送金ソリューションODLの利便性を向上させることを挙げている。
仮想通貨データ企業CryptoCompare社の提供するCryptoCompare TopTier(CCTT)指標によると、4Qのリップル社によるXRP総販売額は、世界のXRP総取引量の0.43%に相当。なお、前四半期のXRP販売額は総取引量の0.26%だった。
4Qでは30億XRPがエスクローから解除され(毎月10億XRP)、総額24億XRPが再び新しいエスクロー契約に凍結されている。
CBDC関連
リップル社は、英国でCBDCの採択を推奨する非営利団体「デジタルポンド財団」の設立に参加。英国でCBDCに関連する知見を提供していくとしている。パラオ共和国とも提携し、クロスボーダー決済と、XRPレジャー(XRPL)上で米ドル裏付けのステーブルコインを開発することに取り組んでいく見込みだ。
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ODLの状況
リップル社は、XRPを使用する送金ソリューション「オンデマンド流動性(ODL)」の状況も説明。現在、世界で20以上の市場があり、21年4Qより中東も加わった。
またアジア太平洋地域(APAC)でもODLへの需要が増加しており、21年中には、ODLでの取引量が2倍以上になった。
XRPインフラの最新情報
英国のデジタル資産カストディ企業Digivaultは、XRPの取り扱いを開始した。Digivaultは、英国の金融当局にライセンス登録済で、企業や富裕層向けのカストディソリューションを提供している企業である。
また、仮想通貨取引所Delta Exchangeは、XRPのオプションを提供開始。これは、中央集権型取引所では初のことだ。
さらには相互運用性も向上している。TokensoftがラップドXRP(WXRP)を発表したことで、XRP保有者がイーサリアムのブロックチェーンにアクセスする手段が増えた。また、XRPLはまもなくAllbridgeと統合され、ソラナ(SOL)、テラ(LUNA)、アバランチ(AVAX)など12種類のブロックチェーンとリンクする。