仮想通貨市況
週明け4日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比-1.06%の258万円(19,055ドル)で推移している。
反発も一時的で、上値の重さを印象付けるような値動きと言える。
今年5月以降、金融マーケットの地合い悪化やアルゴリズム型ステーブルコイン「UST(TerraUSD)」崩壊、及びテラ・ショックの影響を受け、暗号資産(仮想通貨)市場が紛糾している。
7月2日には、渦中にあるヘッジファンド「Three Arrows Capital(3AC)」が経営破綻したことがわかった。業界最大手の融資会社から巨額資金を借り入れて実行した高リスクの資産運用が仇となり、融資した企業の資金繰りにも重大な影響を及ぼすなど負の連鎖が波及した。
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同じく破綻の危機にあるレンディング大手のCelsius Network(セルシウス)については、リードインべスターであるBnkToTheFutureが先月末に3つの再建案を提示し、意見を募っている最中だ。これに先駆け、最大手取引所を運営するFTXは、セルシウスの財務状況が想定以上に酷いとして救済候補から手を引いた。
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マイナー情勢
仮想通貨の大幅下落に伴い、数多くのマイナー(採掘業者)も帰路に立たされている。
今年6月のイーサリアム(ETH)のマイニング(採掘)収益は5億2800万ドルで、前月比45.5%減少した。
今年5月時点ではビットコイン(BTC)マイニングよりも高収益だったが6月は逆転。今年6月のビットコイン(BTC)のマイニング収益は6億6800万ドルで、前月比26.3%減となった。
採掘関連機材の下落も目立つ。暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)で使われるGPU(グラフィックボード)の価格は、22年1月以降、平均57%下落。6月だけで約14%減少した。テックアウトレット「Tomshardware」のデータで判明した。
2021年の仮想通貨高騰に伴い需要が急増したGPU価格は大幅上昇してきたが、昨今の市況悪化とインフレを受け、マイナーが使う電気料金の高騰も事業コストを圧迫。採掘済みの仮想通貨やGPUの売り圧力につながった。
過去の弱気相場同様、損益分岐点を割り込み採算が取れなくなった場合、大手マイナーが保有する旧型マシンの稼働停止を余儀なくされたり、中小マイナーがマイニングファームの閉鎖・撤退に追い込まれるリスクが高まる。
その場合採掘コスト補充のため、採掘済みビットコインの大量売却を余儀なくされるシナリオが想定されるが、弱小マイナーが淘汰されれば売り圧減少につながり、トレンド転換の予兆となるとの見解もある。
6月下旬時点のGlassnodeのデータによれば、マイナーが取引所への送金量(週平均)は、過去7ヶ月で最も多い9,476BTCに達した。
マイナー売りが強まるサイクルの中で、直近相場では3,000〜4,000BTC/月が発生したことが観測されている。
また、1日あたりのビットコイン発行総額を年平均で割り、マイナーの収益率を算出・指標化した「Puell Multiple(プエル倍数)」は、6月中旬の暴落時に過去最低水準の0.35まで低下した。(7月1日時点:0.41)
過去の相場の統計データでは、プエル倍数0.5以下の水準(緑ゾーン)は買いシグナルとされ、4倍以上の水準(赤ゾーン)は売りシグナルとされ、1BTC=3,300ドル台まで下落した18年12月にはプエル倍数0.30、コロナショックの20年3月には0.37まで低下した
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