半減期後の相場
米金融大手JPモルガンは、今週予定される暗号資産(仮想通貨)ビットコインの半減期を理由にした価格上昇はもう見られないだろうとの見方を示した。同社のアナリストによる17日の分析を入手した海外メディアが報じた。
アナリストは、半減期への期待はすでに価格に織り込まれていると主張。そして、上昇しないだけでなく、下落する可能性さえあると指摘している。
下値余地があるとする理由は、先物の建玉から見るとビットコインがまだ買われすぎの水準にあること。もう1つは、JPモルガンがゴールド(金)と比較して算出したボラティリティ調整後の価格である1BTC=4万5,000ドル(約695万円)を現在超えているからだと説明している。
ほかにも、半減期後の生産(採掘)コストと見積もる4万2,000ドル(約649万円)を超えていることも理由の1つとして挙げた。なお、「MacroMicro」のウェブサイトによれば、現在の生産コストの平均はおよそ7万ドル(約1,084万円)である。
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また、アナリストは、仮想通貨相場が上昇したにも関わらずベンチャーキャピタルによる仮想通貨業界への出資が今年に増えていないことも、ビットコインの価格を下げる要因になりうるとも主張した。
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なお、JPモルガンのアナリストは以前から同様の見方を示している。今年2月末には、生産コストを根拠にして、半減期後にビットコイン価格が4万2,000ドルの水準まで下がる可能性があると主張していた。
また先月21日には、ビットコインが買われすぎの水準にあることから下値余地があると指摘。そして、現物ETFへの資金流入が減少していたことも加味した上で、半減期に向けて利益確定の売りが継続する可能性が高いと述べていた。
CEOの発言
JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、18日に公開されたブルームバーグのインタビューで、再び「ビットコインのような仮想通貨は詐欺である」との見解を示した。
通貨として機能する可能性はないとダイモン氏は主張。一方でブロックチェーンやスマートコントラクトには価値があるとの見方を示している。
ダイモン氏は以前から仮想通貨否定派として知られている。先月には、個人的にビットコインを購入することはないが、ビットコインを買う権利は守るとコメントして注目を集めた。
ダイモン氏は今までのスタンスを貫き仮想通貨に否定的な見方を維持しているが、JPモルガンは業務上、ブラックロックが提供するビットコインETFの指定参加者として流動性を提供している。
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