- CoinbaseがXapoの買収を進める、Fidelityをライバル視
- Coinbaseは55億ほどのBTC資産を管理するXapo社に対する買収を進めていると報じられた。買収の競争相手は世界的金融大手フィデリティ。買収の成敗によってCoinbaseの立ち位置はどう変化していくか。
CoinbaseがXapoの買収を進める、Fidelityをライバル視
世界的金融大手フィデリティと仮想通貨取引所Coinbaseは現在、カストディ企業Xapoの買収を巡って競争していることを、業界メディアtheblockcryptoが報じている。
過去数週間では、フィデリティの仮想通貨事業「Fidelity Digital Assets」とCoinbaseが、各自Xapoの買収策を講じていたが、theblockcryptoの情報筋によると、Coinbaseが開示する価格がフィデリティより望ましく、仮に「基本合意書の締結」などが決まれば、およそ5千万ドル(約55億円)の買収価格となるとされている。
香港に本拠地を置くXapo社は、ビットコインのコールド保管やアプリなどのカストディサービスに手がけている企業(NYビットライセンス取得企業)で、すでに55億ほどの資産を管理しているという。なお、2014年創業時には約4千万ドルの資金調達に成功した。
フィデリティは、米ウォール街大手金融の中でも最も仮想通貨事業に力を入れている企業であり、先日すでに機関投資家向けのカストディサービスを先行で一部のクライアントに向けて提供し始め、まもなくビットコインのOTC取引デスクを開始する方針も取っている。
今回Xapoの買収案件で、数多くの仮想通貨銘柄に対応するカストディサービスをすでに提供しているCoinbaseの方が一歩先を進んでいることから、同社が機関投資家向けの事業拡大と米仮想通貨業界における、確固たる立ち位置の確保に注力していることが考えられる。
昨日の大型カンファレンス「Consensus」では、CoinbaseのCEOを務めるBrian Armstrong氏は、自社のカストディ事業が発足してから1年ですでに10億ドル相当(約1100億円)の規模に達していると明かした。なお、70以上の機関投資家が加入しており、毎月1億5千万ドル(約164億円)のペースで資金が増加していることはCoinbaseに対する需要の規模が拡大しつつあることだ。
つまり、Xapoの買収計画は、Coinbaseが目論む独自のエコシステム拡大における重要な一環だろう。