
仮想通貨投資商品の市況
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesでリサーチ部門のトップを務めるジェームズ・バターフィル氏は6日、先週におけるデジタル資産の投資商品への資金流純入額は59.5億ドル(約8,940億円)だったと発表した。
この流入額は週単位の過去最高額であると説明。資金が流入した背景には、米連邦準備理事会(FRB)の利下げへの遅れた反応、1日発表のADP雇用統計などの下振れや米政府閉鎖に対する懸念があると同社は考えているとした。そして、合計の運用資産残高(AUM)が2,540億ドル(約38兆円)まで増加しているとも述べている。

出典:CoinShares
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投資商品への銘柄別の資金フローは以下の通り。ビットコイン(BTC)には合計35.5億ドル(約5,335億円)が純流入しており、この金額も1週間における過去最大の純流入額だったとした。

出典:CoinShares
また、ビットコインの価格が高値圏で推移したにも関わらず、投資家はショート(売り注文)の投資商品を買うことを選択していないとも指摘している。
上記の表の通り、次に純流入額が多かったのは、イーサリアム(ETH)。その後はソラナ(SOL)、XRPが続く。バターフィル氏は、イーサリアムは年初来の合計純流入額が過去最高水準に達していると説明している。
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国別データ
また、デジタル資産の投資商品への資金フローを国別に見たデータは以下の通り。ポジティブなセンチメント(市場の心理)は広がってはいるが、特に米国の強さが目立つと述べている。

出典:CoinShares
そして、米国とスイスにおける1週間の純流入額が過去最大で、ドイツは過去2番目の純流入額だったと説明した。
なお、今回バターフィル氏が指摘している利下げなどの資金流入の要因は、相場上昇の要因として他の有識者らも指摘しており、なおかつ今週に入っても市場の追い風となっている。
「CoinMarketCap」のデータによれば、本記事執筆時点におけるビットコインのドル建ての過去最高値は12万6,000ドル超。この価格には本日達している。
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