
ビットコインETFへの流入好調
米国のビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)への流入額は今週、22億5,000万ドル(約3,300億円)に達した。ビットコインは8月以来で12万ドルを回復しており、「アップトーバー」の話題が注目されている。
牽引しているのは、ブラックロックのIBITだ。9月29日には4,660万ドル(約69億円)が流出したものの、その後3日で連続の流入があり、10月2日には4.7億ドル(約690億円)の流入があった。
11銘柄を合計すると、10月1日には6.8億ドル(約1,000億円)の流入があり、6億ドル超えるのは9月12日以来の水準だ。
The Blockのデータによると、11銘柄の運用資産総額(AUM)は2日時点で1,700億ドル(約25兆円)を超えている。

出典:バルチュナス氏X投稿
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は3日、IBITのオプションが現在、380億ドル(約5.6兆円)の未決済建玉を抱えており、ビットコインオプションで最大の取引所である、コインベースの「Deribit」をも上回ったと指摘した。
ETFそのものへの流入は比較的各銘柄に分散しているのに対して、ETFのオプションではIBITの建玉が圧倒的なシェアを占めているとも述べた。
ビットコイン現物ETFとは
実際にビットコインを購入し、そのビットコインを基にした信託(ETF)を株式市場で取引するもの。投資家は直接ビットコインを購入することなく、その価値に投資することが可能になる。さらにはデジタル通貨市場の成熟と認知度の向上が期待される。
10月は、過去6年のデータを見るとビットコインがプラスリターンで終えている。ブルームバーグがこの現象を「アップトーバー(Uptober=上昇する10月)」と名付けて報じたところだ。
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BRNのティモシー・ミシル調査責任者も「10月はビットコインにとって最も好調な月で、過去12年間のうち10年間でプラスのリターンを記録している」と述べる。
また、ビットコインアナリストのティモシー・ピーターソン氏は、年初来リターンが高いほど10月はより強いものの、弱い場合は上昇が抑制されると分析。2025年の年初来上昇率は約20%で「史上最も弱い強気相場年」だと指摘している。
ただそれを踏まえても、この10月にビットコインは「7%から31%上昇する可能性がある」と予想した。
ビットコインは4日に円建てで史上最高値を更新。背景としては、米国政府の閉鎖によって「無国籍資産」としてのビットコインに改めて投資家の注目が集まったことが指摘されている。
仮想NISHI氏は4日のレポートで、ドル建ての史上最高値である12万4,500ドルを上抜けると、短期的にボラティリティ(価格変動の大きさ)が急上昇し、さらに上昇局面が目撃される可能性が高いと分析しているところだ。
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