
仮想通貨トレジャリーのバブル崩壊か
大手ETHトレジャリー企業ビットマインのトム・リー会長は、仮想通貨保有企業のバブルが既に崩壊した可能性があると述べたとフォーチュンが報道した。リー氏は同誌のポッドキャスト番組で、多くの仮想通貨保有企業が純資産価値を下回る水準で取引されている現状を指摘した。
仮想通貨保有企業(DAT)は、ビットコインやイーサリアム(ETH)、ソラナなど特定の仮想通貨を大量保有し、株式形式で投資家に保有資産へのエクスポージャーを提供するビジネスモデルだ。ストラテジーのマイケル・セイラーCEOが2020年にビットコイン蓄積を開始し、このアプローチの先駆者となった。
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リー氏は2012年にJPモルガンでビットコインを知り、数年後に調査会社ファンドストラットを設立した。今年6月にはビットマイン会長に就任し、同社をイーサリアム最大の企業保有者に転換する取り組みを主導している。
ビットマインは時価総額145億ドル超で300万ETH以上を保有しており、ETH総供給量の約2.5%に相当する。リー氏は総供給量の5%取得を目標に掲げ、イーサリアムを「ウォール街のブロックチェーン」と位置づけている。
しかしDAT全体の成功は保証されていないとリー氏は警告。ワールドコインなどアルトコインを保有する企業も含め、多数のDATが純資産価値(NAV)を下回る価格で取引されている状況に陥っている。
日本でもメタプラネットが14日、企業価値指標mNAVが初めて1を下回り、市場から割安評価を受ける状態となった。メタプラネットの現在のmNAVは0.95にとどまっている。一方、ビットマインのmNAVは11.1倍を維持している。
投資調査のスマートカルマで日本株を担当するマーク・チャドウィック氏は、メタプラネットの株価下落について「仮想通貨保有企業の下落はバブル崩壊の兆候だ」と分析した。ただし強気派からは押し目買いの好機との声も出ている。
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