韓国、仮想通貨の売買益で課税方針
韓国政府が、仮想通貨取引に係る売買益(キャピタルゲイン)に課税を、来年の税制に盛り込む意向を示していることがわかった。現地メディアKoreaTimesが報じた。
これまで韓国ではキャピタルゲインに対する明確な税制の枠組みがなかったが、2020年の改正法案に向けて、議論を進めていくという。
韓国では、KYCを遵守するため、銀行口座との紐付けを行う実名口座の義務化を行なっており、中小取引所も銀行との連携ができるよう、仕組みを整えてきた。現時点ですでに匿名上の取引はできない体制になっている。
今回の法案で明確な税金プロセスが確立された場合は、個人も仮想通貨取引に係る取引履歴を提出することが必要になるほか、取引所も個人のより詳細な履歴を保持する必要が出てくるなど、より管理体制の強化が予想される。
韓国の仮想通貨市場は、バブル期の真っ只中にあった2017年に一部で匿名取引が可能であったことも影響し、取引が活性化。個人資金が流入するアルトバブルを牽引した存在であった。
実名口座の実装後は、世界シェアでも影を潜めるなど、韓国国内市場規模は大きく減退した。同時期に大手取引所のハッキングや、長期にわたる出金制限なども、一般投資家が離れる原因になったと指摘される。
税制改正が行われる場合、一般投資家による韓国国内市場の撤退に繋がる可能性がある一方で、規制が整備されることでのクリアな市場が確立され、機関など企業が入りやすい市場環境が整うことになる。
現時点で明確な税制内容などは明かされておらず、仮想通貨自体の定義の見直しや、株式などと同様の税制を適応するかなどの議論を行なっていくという。