はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

中東レバノン、金融システム危機で「ビットコイン・プレミアム」高騰

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

レバノンでビットコイン需要

元日産ゴーン氏の国外脱出劇で知名度の高まった中東レバノンで、政府による資本規制のため深刻な現金不足が起きており、代替資産としてビットコインを購入する人が増えている。

経済危機に陥っているレバノンでは、非公式であるが銀行で資本統制が敷かれた。国内の外国為替の引き出しは、月50ドルから300ドル、海外送金は年5万ドルを上限と規制されている。

また中東の報道機関アルジャジーラによると、銀行口座の貯金の価値も約40%ほど目減りしているという。こうして銀行に対する信用が大きく低下し、仮想通貨市場に向かう人が増えている。

ピアツーピア(P2P)のBTC取引プラットフォームLocalbitcoinsのデータによると、レバノンのビットコイン価格プレミアムは上昇を続けており、売り手は1BTCあたり15,000ドル(約165万円)を要求。世界の平均現物価格は、データ比較時点で9,500ドル周辺であったため、レバノンのBTC価格プレミアムは平均よりも50%も上乗せされた計算となる。

対面取引や小切手を利用

地元のビットコイントレーダーはアルジャジーラに対し、「銀行システムを回避したい場合、ビットコインは対応策の一つとなり得る」と語った。

ただ、レバノンの中央銀行は、クレジットカードを使用した仮想通貨の購入に制限を課しており、仮想通貨取引所を通じてビットコインを購入することは難しい。

Web開発会社のCTOであるSimon Tadros氏によると、ほとんどの取引は紹介を通じて行われ、多くの買い手と売り手がWhatsAppグループを通じて出会うという。ほとんどの販売は直接対面方式で行われ、ビットコイン送金のための額も現金支払いされる。

また、他の方法としては、銀行小切手でビットコインを購入することだ。小切手は国の中央銀行によって裏付けられ、他のレバノンの銀行にのみ入金できる。

レバノン国内の銀行システムが信頼性を失っている中で、売り手はこの種の取引に対して高額な手数料を請求している。ビットコインを現金で取引する時、売り手は通常1〜5%の手数料を請求するが、銀行の小切手でビットコインを販売する売り手は最大40%の手数料を請求するという。

金融システムや経済危機の影響

ある国の銀行制度や金融システムが信頼性を失う時、代替資産としての仮想通貨需要が拡大する例は他の国でも見られている。経済が不安定で米ドル購入を制限する外貨規制を取り入れたアルゼンチンでも、昨年末ビットコインのプレミアム価格が観測された。

一方、中東地域の国イランでは経済的な安定を求めて、国が仮想通貨の使用を提案している。イランのHassan Rouhani大統領は、昨年末、米ドルの代わりにイスラム教国間の取引で利用する仮想通貨の発行を提案した。

背景としては、イスラム教国は、米国の金融政策や米ドルの支配から自分たちを守る方法を模索すべきであるという認識がある。

米国はイランに対し、経済、貿易、科学、軍事の領域で、1979年から制裁を課してきた。Rouhani大統領は「米国は他国を横暴に支配し、圧力をかけるための手段として経済制裁を利用している」と訴えた。

今回のサミットにはトルコやカタール、マレーシアのトップも出席。マレーシアのMahathir Bin Mohamad首相はRouhani大統領の提案に同意し、「制裁が経済の発展を押さえつけている。我々が独自の共通通貨を利用することは可能だ」と語った。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
14:00
ステーブルコインとは|市場規模・取引量・主要銘柄と規制の行方
ステーブルコインとは、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨。本記事では仕組み・種類(USDT/USDC/JPYC等)・市場規模・リスク・将来性・国内での買い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
13:50
フィリピン当局、未登録取引所への取り締まり強化 コインベースなどアクセス遮断
フィリピン規制当局が無登録の海外仮想通貨取引所50社へのインターネットアクセス遮断を命じた。コインベースやジェミニも対象になっている。
13:20
ST市場効率化目指す、SBI新生銀行ら6社が新たな決済実証を開始 預金のトークン化で
SBI証券、大和証券、SBI新生銀行ら6社がトークン化預金DCJPYを利用したセキュリティトークンのDVP決済の実証に関する協業を開始した。
13:00
イオレ、仮想通貨レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約開始
東証グロース上場のイオレが暗号資産レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約を開始。年利8%〜、約1万円から利用可能。2026年1月下旬の正式リリースを予定し、事前登録者には4月まで13%の特別料率を適用する。
12:50
クシム、社名を「HODL 1」に変更 Web3・仮想通貨トレジャリー事業へ転換
東証スタンダード市場上場のクシムが社名を「HODL 1」に変更すると発表した。Web3・仮想通貨トレジャリー事業を中核とする企業へ転換。
12:25
国内衣料上場企業ANAP、15億円で109BTC追加購入
衣料品販売のANAPホールディングスが15億円で仮想通貨ビットコインを追加購入し、総保有量が1346BTCに達したと発表した。
11:37
中国環境省、環境管理にブロックチェーンなど先端技術を導入
中国生態環境部が12月25日、ブロックチェーン、AI、ビッグデータを環境管理に統合する方針を発表。全国炭素排出権取引市場ではデータ改ざん防止に既に活用。中国は仮想通貨を規制する一方、ブロックチェーン技術応用は国家レベルで積極推進。
10:36
パンテラ専門家の2026年仮想通貨12大予測 DAT企業統合や量子パニックなど
パンテラ・キャピタルのジェイ・ユー氏が2026年の仮想通貨業界12大予測を発表。AI技術の浸透、DAT企業の統合、トークン化ゴールドのRWA主役化、ステーブルコイン決済の拡大、量子コンピューターによるBTC懸念など、注目のトレンドを解説。
10:02
2025年仮想通貨デリバティブ市場レポート、取引高1300兆円突破=コイングラス
コイングラスが2025年の仮想通貨デリバティブ市場に関するレポートを公開。ETFやDAT企業などへの機関投資家による投資が加速したと分析している。
08:54
ビットコインの買い方をやさしく解説|初心者の不安を解消【図解】
ビットコインは500円から購入可能。スマホと本人確認書類があれば最短当日から取引開始できます。口座開設の手順、おすすめ取引所の比較、初心者が押さえるべき投資の心構えまで図解でわかりやすく解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧