Robinhoodのシステム障害でFINRAが調査
有価証券の取引や仮想通貨(暗号資産)サービスを提供するRobinhoodのシステムが一時的にダウンした問題で、米金融取引業自主規制機構(FINRA)が調査を開始した。Robinhoodが発表した補償額が15ドル(約1500円)であることにも不満の声が上がっている。
システムダウンが発生したのは現地時間の3月2日。米株式市場が大幅反発した日だ。ダウ工業株30種平均が8営業日ぶりに反発し、前日比1293ドル高という過去最大の上げ幅を記録。各国中銀が金融緩和に踏み切り、世界経済を下支えする期待が高まった。
しかし、Robinhoodではその日、ユーザーはアカウントにログインできず、取引が行えなかったという。
Our system is experiencing downtime issues that are affecting all functionalities on our platform. We are aware of the issue and are working to have all systems up and running as soon as we can. We’re so sorry this is happening!
— Robinhood Help (@AskRobinhood) March 2, 2020
Robinhoodは手数料無料サービスの提供で人気を博し、1000万人を超えるユーザーがいると報じられている。2日の内に復旧したと思われたシステムは3日に再度ダウン。その後同日内に復旧し、現在は問題なく取引もできるようになっている。
アプリの利用や仮想通貨取引などサービス全体で約2日続いた今回のシステムダウンは、ユーザーに重大な影響を与えた。システムに負荷がかかりすぎたことが今回の原因とみられている。
取引できなかったユーザーに与えた影響を考慮し、Robinhoodが発表した対応は、「ゴールドメンバー」に毎月5ドル(約530円)ずつ、3ヶ月間で合計15ドルの補償金を支払うというものだった。それ以外には影響を受けたと申し出るユーザーと直接やりとりを行い、個別に対応すると説明している。その不透明な対応に、FINRAが調査を開始した。
この対応を受け、ユーザーから不満の声が上がっている。ソーシャルメディア上でも非難を受け、システムが停止している間にRobinhoodと連絡がとれないと主張するユーザーもいた。ヘルプセンターのシステムもダウンしていたと伝えられている。
今回の問題で、ユーザーは様々な対応を考えている。例えばFINRAには、Robinhoodに全ての金融サービスを停止させるよう陳情書を提出した。この陳情書には1500名の署名が集まったという。
現在FINRAはRobinhoodと連絡をとり、状況を監視している。ユーザーだけでなく、ブローカーディーラーなど取引関係者に対し義務を果たすように求めていく構えだ。