はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

北朝鮮ハッカー集団ラザルス、コロナ給付金を装ったフィッシング詐欺を計画

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ラザルスによる大型フィッシング詐欺計画

北朝鮮政府が支援するとみられるハッカー集団、「ラザルス(Lazarus)」が、日本を含む6カ国に対する大規模なフィッシング詐欺を計画していることがわかった。500万人以上の個人および企業を標的に、新型コロナウィルス感染症の経済支援を行う政府機関を装い、フィッシングメールを送付する手口だという。

Cyfirmaが警告

日本とシンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ企業、サイファーマ(Cyfirma)が、6月1日にこの詐欺計画の最初の手がかりを発見、16日まで調査・査定を行った後、18日に公式サイトで、その詳細を発表した。

報告によると、ラザルスがターゲットにしているのは、日本、韓国、シンガポール、インド、イギリス、アメリカの6カ国。これらの国の政府の共通点は全て、パンデミックによる経済悪化に対し、政府が個人や企業への大規模な財政支援を発表しているところだ。ハッカー集団は、支援を行う政府機関や関連業界団体を装ったメールを送りつけ、偽のサイトに誘導し、個人情報や財務情報を提供させる計画のようだ。

日本向けの詐欺

サイファーマは日本向けの詐欺の手口を次のように説明している。

  • 個人が対象(110万人分のメールアドレス入手と主張)
  • 財務省を騙り、全日本国民ならびに居住者に対し、8万円の追加支援を謳う
  • 偽メールアドレス:「covid-support@mof.go.jp」
  • 6月20日開始予定

*偽メールテンプレート*

出典:Cyfirma

このメールの内容には、例えば、現在は存在しない「大蔵省」と言う表現など明らかに不審な点がある。実際、一人当たり10万円の特別定額給付金の担当省庁は総務省で実施主体は市区町村となっている。

今回のフィッシング詐欺との関連はないが、総務省では、特別定額給付金に乗じ、携帯電話事業者を騙った詐欺が散見されるとして、電気通信事業者関連4団体を通して利用者へ注意を喚起している。

他国向けの手口

日本以外の5カ国に対しては、アメリカ、インド、韓国は個人が対象とされ、イギリスとシンガポールは企業がターゲットになっているようだ。サイファーマはそれぞれの国あてのフィッシングメールの例も公開し、注意を呼びかけている。

さらに、対象国の政府に対しては、すでにラザラスの詐欺計画を警告済みだという。

シンガポールの経済紙ビジネスタイムズの報道によると、シンガポールのサイバーセキュリティ庁は、19日、ラザラスの詐欺計画について関係者に通知し、企業や個人向けには注意勧告を出したとのことだ。

インドでは、CNBCテレビが既にこの詐欺計画を詳しく報道している。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、悪意あるハッカーが機密情報にアクセスするための手段。個人が対象の場合、被害は大きいものの規模は限定されるが、企業が攻撃された場合は、その影響は、遥かに広範囲に及ぶ可能性があり、顧客データや財務情報といった重要データや資産までも危険にさらされると指摘されている。

新型コロナの感染拡大に対する経済支援をいち早く、迅速に行ったドイツでは4月、オンラインでの給付金申請開始と同時に多くの偽サイトが立ち上がり、入力された情報を利用した給付金を騙し取る詐欺が横行した。

特に被害が大きかったドイツ西部のノルトライン・ヴェストファーレン州では、虚偽の申し立ては3500件から4000件に及び、被害額は最大で1億ユーロ(約119億円)にのぼると見られている。

そのほか、仮想通貨取引所や個人の仮想通貨を狙ったフィッシング詐欺も数多く報告されている。

北朝鮮によるサイバー攻撃

アメリカ政府は4月、北朝鮮によるサイバー犯罪が国際社会や国際金融制度に脅威を及ぼすとして、北朝鮮のサイバー攻撃に関するガイドラインを発表している。

また、5月には北朝鮮から情報発信する英字メディア「Daily NK」が、ラザルスの仮想通貨並びに取引所に対するサイバー攻撃が活発化していると警告していた。

コロナ禍で困窮が深まる北朝鮮がハッカー集団を利用して、様々な攻撃を画策している様子が、今回の詐欺計画からも垣間見れる。

参考:Cyfirma

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05:45
イーサリアム、今後の価格動向を示唆する重要なホルダーのコスト水準とは?
BlitzzTradingの最新分析によると、過去一週間で高騰していた仮想通貨イーサリアムは現在重要な価格帯に到達。ETHホルダーの平均コストに関連した価格動向が明らかに。
05/15 木曜日
17:44
リミックスポイントが決算発表、経常赤字5.4億円に 来期の暗号資産は強気シナリオ想定
リミックスポイントが25年3月期の決算を発表。暗号資産(仮想通貨)評価損が影響し、5.4億円の経常赤字となった。一方、来期はビットコインETF資金流入やトランプ政権政策を背景に、業績の大幅回復を見込んだ。
17:16
NXPCとは|MapleStory N対応の仮想通貨を解説|買い方・将来性
Nexon発のMapleStory Nで使用される仮想通貨「NXPC」の仕組みや買い方を初心者向けに解説。メイプルストーリーのWeb3版ゲームの経済システムからウォレット設定まで徹底ガイド。
14:00
「イーサリアムにおける重要な転機」BTCS社、ETH保有増やすために最大84億円調達へ
ナスダック上場のBTCS Inc.が84億円規模の転換社債発行で仮想通貨イーサリアム購入戦略を強化。第一弾の調達ではバリデーターノード運用拡大とステーキング収益増加を目指す。
13:15
米民主党、トランプ一族の仮想通貨事業に関する「疑わしい活動報告」提出を財務省に要請
米下院の民主党幹部が財務省に対し、トランプ一族のDeFi事業「WLF」とミームコイン「TRUMP」に関する疑わしい活動報告(SAR)の提出を要請した。民主党は、要請の根拠として「贈収賄、汚職、利益相反」への懸念を挙げた。
13:00
パンテラCEO、ビットコインが米株式市場を凌駕する理由を解説
仮想通貨VC大手パンテラキャピタルの創設者がToken2049で講演。米政権の好意的な政策や市場の割安感から、ビットコインが株式市場を上回る成長をいずれは遂げると分析。
12:00
JPモルガン・Ondoなど、RWAトークン化のクロスチェーン決済実験に成功
チェーンリンク、JPモルガン、Ondo Financeが共同でトークン化米国債ファンドのクロスチェーン決済テストを実施した。DvP取引の効率化とリスク低減を実現するとしている。
11:53
アジア富裕層が仮想通貨投資を拡大、アルトコイン市場は節目を超える
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは10万ドル台を堅持し、過去最高値まであとあと6%の位置に迫る。アルトコイン市場も840億ドルの抵抗線を突破し、底打ち反転のシグナルも。UBSの調査ではアジアの富裕層が従来の資産から仮想通貨へ資金を移している現状が指摘された。
11:20
ウクライナ、国家のビットコイン準備金創設へ=報道
ウクライナが国家戦略としてビットコイン準備金創設を進める模様。トルコでのロシア・ウクライナ首脳会談の動きと併せて解説。
11:15
カルダノ創設者ホスキンソン、3700万ウォレットに仮想通貨エアドロップ計画を発表
チャールズ・ホスキンソン氏がConsensus 2025で8つのブロックチェーンをまたぐ「Glacier Drop」を発表。ベンチャーキャピタル排除の新エアドロップ戦略で仮想通貨コミュニティの統合を目指す。
10:30
セイラーのストラテジー社、「ビットコイン戦略でナンバーワンの上場企業へ」=アナリスト
アナリストのジェフ・ウォルトン氏はFTの特集で、ストラテジー社が仮想通貨ビットコインを基盤に市場で最強の企業になると予測。
09:50
リミックスポイント、ビットコインを追加購入 暗号資産保有総額は111億円超に
リミックスポイントがビットコインを5億円分追加購入。イーサリアムやリップルなども含めた暗号資産(仮想通貨)の総保有額は111億円を突破。Web3領域の投資事業を加速。
09:45
イーサリアム価格急騰の3つの要因とは、資産運用会社が分析
仮想通貨イーサリアムの価格急騰の背景には、ステーブルコインとトークン化、Layer 2の進展、投資家のショートポジション解消などが影響。市場動向と成長要因を詳しく解説。
09:31
BTC以外の仮想通貨に分散投資するメリット、Bitwise幹部が考察
ビットコイン以外の仮想通貨にも分散投資を行うメリットをBitwise幹部が考察。インターネット業界の株価の歴史を例に挙げ、大多数の投資家がアルトコインも保有すべきだと主張している。
09:25
メタプラネット1Q決算、ビットコイン投資で135億円の含み益
メタプラネットが2025年第1四半期決算を報告。5月時点で保有ビットコイン量が6,796BTCに到達し含み益へ転換している。株主数も増加中だ。ビットコイン財務戦略の最新状況を解説する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧