ビットコイン採掘速度が最高値更新、仮想通貨市場に好影響をもたらす4つの理由

株式市場と仮想通貨

米国株式市場では、NYダウが一時563ドル高に達するも、決算シーズンを前に過熱していたハイテク株を中心に売り優勢となり急落。前日比10ドル高まで値を落とした。

今年行われる大統領選において、米国第一主義を掲げ国内経済や株価動向を重視するトランプの劣勢報道や、新型コロナに係る米中摩擦懸念なども相場の重しとなっている。

本日から明日15日にかけて、日本銀行の「金融政策決定会合」と黒田総裁会見を控え、様子見基調が強まるか。

先月の金融政策決定会合では、一段と悪化する国内景気を支えるべく、国債の上限なし買い入れにより潤沢な資金を供給する「大規模金融緩和策」の維持を表明した。

ビットコイン動向

14日のビットコイン(BTC)は、前日比-0.33%安の98.9万円(9220ドル)に。ダウの反落に連れ安したようにも見受けられる。

昨年7月以降の相場同様、徐々に高値を切り下げる日足のディセンディングトライアングルが意識される中、じきに日足雲の下支えも途絶えることから、これを明確に上抜けない限り下目線が優勢となりやすい相場環境にある。

現在のビットコイン市場は自立しているとは認められず、米ダウ市況との兼ね合いもあり強気派も弱気派も決定打に欠けることは否めないが、いずれにせよフルレバレッジで全力投資するような行為は避けたい局面と言えそうだ。

採掘速度がATH

仮想通貨市場では、ビットコインの採掘速度(ハッシュレート)が、過去最高の1.47億TH/s(秒間147.88EH)を記録した。

blockchain.comの週平均でも、BTC半減期直前のピークを上回っている。

ハッシュレート推移

半減期直後にもかかわらず、ハッシュレートが過去最高値を更新した意義は大きい。

仮想通貨市場の見通しに対して、稼働拡大する大手マイナーの中・長期的な強気姿勢を表すほか、BTCネットワークの堅牢性がより高まったことを意味するからだ。

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一方で、ビットコインネットワークは13日に難易度調整を終え、ディフィカリティは17.35Tで前回比+9.89%と大幅な難化調整で完了した。難易度としては過去最高値を更新している。

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米国の金融・経済ジャーナリストであるMax Keiser (@maxkeiser)は、「BTCハッシュレートはBTC価格に先行する。ハッシュレート増加は、米連邦準備理事会(FRB)による無制限量的緩和策(QE4)などの影響で、ネガティブな影響が懸念される米ドルに対する逃避資産としての信頼を示している。」などと主張した。

好影響をもたらす4つの理由

Nick Chong (@_Nick_Chong) は、強気のハッシュレート推移がビットコイン相場に好影響をもたらす4つの理由について考察した。

  1. マイニング企業による投資金の流入
  2. 中国における「雨季」の影響
  3. より高性能なASICマシンの導入
  4. 潜在的な国際ハッシュレート戦争

1については、中国マイニング企業最大手のビットメインと米ブロックチェーン企業Core Scientificが大型契約を結び、新型採掘マシンのフラッグシップモデル17,000台を仕入れたほか、Peter Thielが支援するマイニングスタートアップLayer1が今年2月に操業開始したことを理由に挙げた。

マイニング事業を営む日本企業では、SBIホールディングスやGMOインターネットの積極参入も資金流入の後押しに。

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2については、他国よりも安価な電気代を強みとして、仮想通貨マイニングが盛んな四川省を中心に水力発電が普及する中国では、ビットコインハッシュレート全体の約65%を占める。

3については、テクノロジーの世界は日進月歩で、マシンの採掘効率は常に進化し続けている。

中国の大手マイニングマシン製造企業MicroBTMicroBTは、今年4月に最新モデル「Whatsminer M30S ++」を販売。昨年4月の旧型マシン比較で約35%効率を向上させた。

最大手のBitmainは、今年5月に最新モデル「Antminer S19 Pro」を公開。昨年12月に販売したモデルよりも、採掘効率を27%向上させている。

4については、イラン、ベネズエラなどの国々が、仮想通貨のマイニング事業を厳しく規制し始めているなか、国際的なハッシュレート戦争が加速し、大規模な事業投資に拍車をかけるとする見方である。

Nick Chongは、過去のBTC弱気相場でもハッシュレートが一貫して上昇し続けてきたことを根拠に、採掘業界の動向は仮想通貨市場を牽引し得ると見ているようだ。

買い集め期間との見方も

ボラティリティ減少が著しいビットコイン相場は、再び「買い集め(accumulation)」期間に入った可能性がある。

CoinPostと提携するデータサイトCryptoQuantが公開した最新の取引所データによれば、取引所に保管されるビットコインの在庫推移を測る「30日移動平均」と「90日移動平均」のギャップ(差)が、マイナスからプラス圏に推移しつつある。

このギャップは3月〜4月にかけてマイナスに転じ、半減期を迎えた今年5月に底を付いた。CryptoQuantのKi Young Ju CEOによると、このギャップ(マイナスの部分)は、投資家の「下振れリスク」を示している。

ここでいう下振れリスクは、投資価格が数値・指標などの想定水準よりを下回るリスクを指しており、下振れリスクの減少は、中・長期的相場の好転に繋がる買い集め期間を示唆しているという。

過去のパターン

CryptoQuantは、過去のパターンを用いて「買いシグナル」となる事例を提示した。

2015年以来、「30日移動平均」と「90日移動平均」のギャップ(ピンク線)がマイナス、あるいはゼロに到達すれば、下振れリスクが減少。結果的に買い集め期間に該当した。

ーKi Young Ju

過去のチャートでは、ギャップ(ピンク線)がポジティブに転じるにつれ、ビットコイン相場も好転傾向が確認された。直近では2019年12月〜2020年1月の間にも買い集めも期間と認識されており、2月以降の強気相場につながったとされる。


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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します