仮想通貨市況|寄稿:中島翔
今週よりマーケットサマリーと次週の相場の展望について、私見も交えて解説したいと思います。
CoinPostでは、様々な知見のある方が複雑な内容をわかりやすく解説されている良記事がたくさんあるため、サマリーと相場展望に関しては難しいことをできるだけ省いて初心者の方でもわかりやすいように解説できるよう努めていきたいと思います。
見方として「方向性はファンダメンタルズ、エントリーはテクニカルで」ということを常に意識してトレードしていますので、色々な見方やご意見あるかと思いますが一参考としてご理解いただけると幸いです。
今週のサマリー
「シンプルに、金余りから全てのアセットが買われている」
先週の仮想通貨相場はビットコイン、イーサリアムを筆頭に上昇トレンドが継続し、ビットコインは再度12,000ドルを伺うような動きとなっています。
先週末には12,000ドル達成後にポジション調整で短期のロング勢も一緒に投げさせられながら10,500ドル付近まで下落。その後ほぼ下落分を取り戻すようにじりじりと上昇が継続しており、アルトコイン含めて暗号資産相場全体の底堅い展開が続いています。
今週は下記のチャートのようにDeFi(分散型金融)関連のニュースや、ETH2.0の話題からイーサリアムが主導する相場展開となっており、4月からのビットコインとイーサリアムのチャートを比較すると、イーサリアムのパフォーマンスが好調であることがわかります。
関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み
また、米株もNASDAQが最高値を更新していることを筆頭に堅調な相場展開となっており、米実質金利が関係しているのか金価格も上昇し続けているところを見ると、緩和マネーから「買わざるリスク」を意識して、引き続き様々なアセットクラスに資金が流入している様子です。
米株とビットコインの相関関係は、足元弱くなっている状況となっています。
下記はBTCUSD(青)、NASDAQ(赤)、GOLD(オレンジ)、US10Y金利(水色) の6月からの騰落率です。
米債金利は低下している=価格が上昇しているため、債券価格は他のアセットの価格の動きと同方向に動いていると理解してください。
色々と材料を記載しましたが、結局は冒頭記載したように「理由をつけてお金が余っているから全て買われている」とシンプルに考えてトレードした方が取引しやすい環境です。
来週の相場展望
「下値目処は10,000ドルで割れたら撤退。11,000ドル、10,500ドルで押し目買いを」
来週もトレンドが上方向で明確なことから逆らわずにロングエントリーを基本とするポジショニングでいいと考えています。
押し目買いの目処は11,000ドル、10,500ドルの水準で、上記チャートのサポートラインを割れた場合は一旦ポジションは解消して撤退しましょう。
エントリーができた場合は、レジスタンスラインの12,000ドルで半分のポジションを利食い、残りは12,000ドル上の真空地帯に入るとどこで上昇が止まるかわからないことから、損切りラインを12,000ドル割れに引き上げて、利益を可能な限り伸ばすことが大切なポイントと考えています。
オプション市場の動向をみても12,000ドルの位置にある程度ポジションが積み上がっていることから、この水準を超えてきた場合少し走りやすい水準になるため注意しましょう。
関連:プロが解説:ビットコインのオプション建玉から仮想通貨マーケットを読む
注意すべき点はイーサリアムのポジションが積み上がってきており、イーサリアムの価格が上昇し過ぎていると判断されロング勢が一気に投げ始めた場合、ビットコインが下落に追随する可能性があります。
イーサリアムの急落によりビットコインが反応し、取引高を伴った下落を再度見せた場合は、強気で短期ロングエントリーをすることが賢明でしょう。 チャートから10,000ドルまでは淡々とロングエントリーのチャンスを伺いつつ、割れた場合は一旦静観するという目線で考えておきたいと思っています。