はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ブロックチェーン関連の特許出願件数が急増、2020年はアリババがIBMをリード

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

特許出願の急増を牽引するアリババ

米シカゴに本拠を置く知的財産コンサルティング会社「KISSPatent」の最新の報告書によると、ブロックチェーン技術に関連する特許の出願件数が急増しており、今年上半期だけで、2018年の3倍の出願件数を記録した2019年を既に上回っているという。

公開された特許出願件数のトップを走るのはIBMと中国Eコマース大手のアリババだが、アリババの今年の公開件数はIBMの10倍にあたり、年内にもアリババがIBMを抜くことになるだろうと、報告書は指摘する。

ブロックチェーン特許出願の特徴

ブロックチェーン特許出願をカテゴリー別に見ると、最も多いのは、フィンテック関連で出願件数の半数近くを占める。この中には、仮想通貨(暗号資産)の使用や保管、取引をサポートするもの、またブロックチェーンを介した金融取引をサポートするものが含まれている。

次に多いのが、ブロックチェーン上の分散型ビジネスプラットフォームやソリューションで、特許出願の約10%を占める。その他には、金融に関連したサービス、ブロックチェーンを利用した医療や銀行サービスがある。医療分野の例としては、ブロックチェーン上で処方箋を管理する特許があるとのことだ。

ブロックチェーン特許出願件数が最も多い国

報告書によると、ブロックチェーン関連の特許出願件数が最も多い国はアメリカだが、2位には中国ではなく、ケイマン諸島がランクインしている。調査の結果、ケイマン諸島にあるアリババの子会社が、アリババの全ての特許権及び出願を所有・管理しているからだと判明したという。

そして、現在最も多くのブロックチェーン関連の特許出願を保有している企業はIBMだが、下のグラフに見られるように、アリババの今年上半期の出願件数は、既にIBMを大きく上回っており、IBMを抜くことになる公算が高い。

ブロックチェーン企業による特許出願

報告書では、米経済誌「Fortune」が公開する世界企業番付 「Fortune 500」にランクインする大企業は、特許を出願しているのに対し、ブロックチェーンに特化したスタートアップによる特許出願が非常に限られている現状が指摘された。上のグラフでも「純粋な」ブロックチェーン企業は、nChain(本拠:英ロンドン)のみで、昨年12月のプレスリリースによると、これまでに900件以上のブロックチェーン関連の特許出願を行なっているとのことだ。

ブロックチェーン企業による特許出願が少ない理由として、ブロックチェーン・コミュニティにはオープンソースを尊重する気風があることを、報告書では指摘している。そのセンチメントを代表するものとして、イーサリアムの共同設立者、ヴィタリック・ブテリンの下記のツイートを引用している。

「ブロックチェーン特許の数を自慢するようなら、その国/企業/組織はブロックチェーンのことがわかっていないということだ。」

ヴィタリックの意見にはコミュニティから賛否両論が寄せられている。

オープンソースの精神を維持するための非営利団体設立

そんな中、ツイッターの創業者Jack DorseyがCEOを務めるモバイル決済サービス「Square」が、今月、基礎的な暗号通貨技術に対する特許を排除するよう求める非営利団体「Cryptocurrency Open Patent Alliance 」(COPA、暗号通貨オープン特許同盟)の設立を発表した。

Squareは、暗号通貨技術とその普及は、未だ初期段階にあり、成功するためにはコミュニティが一丸となって既存の技術に基づいた開発を行うことが重要だと主張している。

「基礎的な暗号通貨技術を特許により閉じ込めてしまうことは、技術革新を阻害し、これらの技術が、新たに、そして改良されて応用されることを妨げる。また悪質な行為者による誤った攻撃的な特許の使用は、暗号通貨技術の成長と自由な利用を脅かすことになる」

基礎的な暗号通貨技術に関連する特許に限られるが、COPAは会員に、自社が所有する特許を共有ライブラリに解放し、他の会員が自由に使用できるよう誓約することを求めている。なお、Squareは既に、自社の特許をこの共有ライブラリに入れることを約束している。

暗号技術を扱う企業であれば、特許の有無にかかわらず、COPAに参加することができるという。 賛同する会員が増え、共有特許ライブラリが拡大し勢いを増すことで、集団で特許を守る盾となり、特許が民主化されると主張している。そして、自由な特許利用はさらなる革新と進歩につながり、暗号通貨コミュニティ全体に利益をもたらすとSquareは考えているようだ。

出典:KissPatent

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/05 金曜日
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
13:30
CZとピーター・シフが激論交わす、ビットコインvs金「どちらが真の価値保存手段か」
バイナンス創設者CZ氏と金支持派エコノミストのシフ氏が4日、ドバイでビットコイン対トークン化金の討論を実施。金塊の真贋確認場面が話題となり、検証可能性や価値保存機能をめぐり対照的な見解を示した。
12:00
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」、チケット販売開始
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」が2026年7月13日・14日にザ・プリンスパークタワー東京で開催。本日よりVIP Pass、Business Pass、Booth Passのチケット販売を開始。開幕セール価格は2月28日まで。
11:52
ビットコイン、政府系ファンドは8万ドル台で買い増し 日銀政策と円キャリートレードにも注目
ブラックロックのフィンクCEOは、複数の政府系ファンドがビットコインの大幅下落局面で買い増していたことを明らかにした。一方、CryptoQuant CEOは2022年のような大暴落は起きにくいと分析。市場は12月の日銀政策決定に注目、円キャリートレードの動向がビットコイン含むリスク資産に影響を与える可能性を考察する。
11:20
「ストラテジー社は株価指数から除外されてもBTCを売却しないだろう」Bitwise
Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、ストラテジー社は株価指数から除外されてもビットコインは売却しないだろうとの見方を示した。その根拠を説明している。
10:15
XRPレジャーの流通速度が年間最高値を記録 オンチェーン活動が急増=CryptoQuant分析
XRPレジャーの流通速度流通速度が12月2日に年間最高値0.0324を記録。大口保有者による2100億円規模の買い増しや取引所準備金の減少など、オンチェーン活動の活発化が確認された。CryptoQuant分析。
10:05
年末にかけての下落リスクを軽減する価格帯は? ビットコイン最新市場分析=Glassnode
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新週間レポートを発表。需要低迷と含み損拡大の中、年末の下落リスクを抑える価格帯などを分析している。
08:55
JPモルガンがストラテジーのビットコイン売却回避能力を評価、「マイナーの動きより重要」
JPモルガンのアナリストが、ストラテジーのビットコイン売却回避能力がBTC価格の短期見通しにおいてマイナー活動より重要だと分析した。
08:20
21シェアーズ、米国初のスイ(SUI)連動2倍レバレッジETFを上場
21シェアーズが米国証券取引委員会の承認を得て、スイ(SUI)の価格に連動する初のレバレッジETFをナスダックに上場した。日次リターンの2倍を提供する商品で、スイエコシステムに関連する初のETFとなる。
08:10
「政府系ファンドは相場下落時にBTCを買い増し」ブラックロックのCEO
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、複数の政府系ファンドが仮想通貨ビットコインを購入していると明かした。相場下落時に買い増ししている様子も伝えている。
07:25
ソラナとベース間ブリッジが稼働開始、チェーンリンクとコインベースが安全性確保
レイヤー2ベースチェーンがソラナとのブリッジをメインネットで正式稼働。チェーンリンクCCIPを採用し、両チェーン間でのトークン移動と取引が可能になった。
07:02
メタがメタバース予算を最大30%削減検討、VR・ホライゾン・ワールズが対象=報道
ザッカーバーグのメタ社がメタバース関連事業の予算を来年最大30%削減する検討を進めている。投資家から歓迎され株価が上昇した。
06:25
ロシアが仮想通貨マイニング収益の公式統計反映を検討、隠れた輸出として年間数千億円規模か
ロシア大統領府のオレシュキン副長官が仮想通貨マイニング収益を貿易収支に計上すべきだと提案した。マイニング収益は1日約10億ルーブルに達し、隠れた輸出として外国為替市場に影響を与えているという。
06:02
ソフトバンクなど出資のビットコイン企業「21キャピタル」、12月9日から「XXI」で取引開始
ビットコイン特化企業の21キャピタルとカンター・エクイティ・パートナーズの事業統合が株主承認を得た。ティッカーシンボル「XXI」として株式の取引を開始。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧