- ニューヨーク州プラッツバーグ市、新たな仮想通貨マイニング事業を18か月禁止
- 既存の事業はこの決議の影響は受けませんが、市はこの期間で、電力を使い果たしてしまうマイニング事業者に関わる問題を解決したいとの考えです。
- 仮想通貨が足を引っ張り、町全体の企業が収穫逓減に
- 現地でのマイニング事業では多くの雇用を創出するわけではありません。ブロックチェーンブームは、既に町にある伝統産業の経済的利益とはすべて無縁の話、とのことです。
ニューヨーク州プラッツバーグ市議会で仮想通貨マイニング禁止
ニューヨーク州プラッツバーグ市の人々は仮想通貨のマイニングに懲り懲りしています。
市議会は、新たな仮想通貨マイニング事業を18か月禁止するモラトリアムを承認しました。
電力を使い果たしてしまうマイニング事業者に関わる問題を解決したい、との考えです。
仮想通貨マイニングの電力問題
大多数の仮想通貨は「発掘」作業を必要とします。
マイニングと呼ばれるこの作業では、複雑な計算処理のためにサーバーが使用され、解を導いたコンピュータは新たに発掘されたコインを手に入れることになります。
マイニングには大規模な電力が必要であり、事業者はマイニングに成功するとマイニング装備の大きなネットワークを使用する傾向にあります。
事業者たちはエネルギーコストを削減するために、安価な電力を求めて街に集まっていますが、そのことが地方自治体にとってどのようなコストがあるのかが明確になりつつあります。
直近の市議会会合で、プラッツバーグはこの問題を取り上げ、今後18ヶ月間新たなマイニング事業は認められないとの決定を下しました。
既存の事業はこの決議の影響は受けません。
プラッツバーグ市長のColin Read(以下、Read氏)はマザーボードに対して水力発電所に近いおかげでプラッツバーグ市は世界一電気料が安いと話しました。
米国内の平均電気料金が毎キロワット時に10セントを上回るのに対して、同市ではたったの4.5セントです。
さらに、プラッツバーグ市は、産業向けには2セントで提供することが決められており、これによってマイニング事業者がやってきたのです。
マザーボードによると、プラッツバーグ市は毎月104メガワットの電力を割り当てられており、それを超過した場合、一般市場の高額な電力を購入しなくてはなりません。
2018年1月に、同市は電力を使いすぎたために、全町人の電気料金が100ドル~200ドルも上がったことがあります。
こういった事態が冬季に起こることは知られていましたが、州公共サービス委員会(PSC)は、2つの仮想通貨企業が原因となって、プラッツバーグ居住者の平均電力請求が1月に10ドル増加したと結論付けました。
最大のマイニング事業者であるCoinmintは、1月と2月に市の電力の約10%を使用しました。
今後の動向
現地議員は禁止令の出ている18か月間を利用して、既存のマイニング事業者と協同し恒久的な解決策を練っていく予定です。
今週木曜日(2018年3月15日)、PSCは州政府当局にマイニング事業者に対して課税する権利を与えました。
Read氏はマイニング事業者に市の電力超過分をカバーする義務を負わせることは可能である、とマザーボードに説明しました。
しかし、それはBitcoinの経済的価値についてより大きな疑問を投げかけています。
産業投資を促進するために町が電気料金を下げて、余分な電力がすべてマイニングで使われると、町にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
Coinmintはプエルトリコに拠点を置く企業であるため、現地でのマイニング事業では多くの雇用を創出するわけではありません。
町に住むTom Hilsworthは、NBC 5に、プラッツバーグがマイニング事業に寛容でない場合、ブロックチェーンブームを逃してしまうことを懸念していると語りました。
しかし、ブロックチェーンは実際には何も生成しません。
中には課税ドルに変換可能な仮想ドルをつくっている人がいたり、ランダムな新しい技術職が生まれたりしていますが、既に町にある伝統産業の経済的利益とはすべて無縁の話です。
仮想通貨が足を引っ張り、町全体の企業が収穫逓減になっています。
City In New York Becomes First to Ban New Bitcoin Mining
Mar 17 2018, by Rhett Jones
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