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コインベース:ビットコインキャッシュ上場の舞台裏

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

サトシ構想会議にてコインベースのBCH上場に言及
東京でひらかれたSatoshi’s Visionで、コインベース のビットコインキャッシュ(BCH)上場プロジェクトリーダー、Josh Ellithorpe 氏が、BCHのフルサポートの実装を行う際に直面した技術的問題点への取り組みについて発表を行いました。
コインベースでのBCH上場時の裏側
コインベースでは、2017年12月下旬にBCHの売買および保管サービスを開始したところ、一時、取引を停止せざるを得ないほど、多くのアクセスが殺到しました。その裏ではすべての顧客の資産残高を把握し続けることに成功したエンジニアリングチームの尽力があったのです。

サトシ構想会議にてコインベースのBCH上場に言及

東京でひらかれたSatoshi’s Vision で、コインベース のビットコインキャッシュ(BCH)上場プロジェクトリーダー、Josh Ellithorpe 氏が、数十億ドルのデジタル資産の安全性を確保しつつ、BCHのフルサポートの実装を行う際に直面した技術的問題点への取り組みのについて発表を行いました。

世界大手の仮想通貨取引所であるコインベースは、2017年12月下旬にBCHの売買および保管サービスを開始したところ、利用者の絶大な支持を受け、一時、取引を停止せざるを得ないほど、多くのアクセスが殺到しました。

しかし、その裏では、事態が収束するまで、すべての顧客の資産残高を把握し続けることに成功したエンジニアリングチームの尽力があったのです。

コインベースでのBCH上場時の裏側

多くの取引所は、変化する時代の中で、顧客の資産の安全性を確保することが、最優先課題であると決まり文句のようにアピールしますが、エンジニアにとって顧客資産の安全性確保は、極めて現実的な問題です。

大規模なハッキングや盗難につながるエラーは、コインベースに限らずどんな取引所をも、財政的および規制上の深刻な苦難に陥れてしまいます。

取引所が新たな通貨を追加することは、もとより簡単なことではないのですが、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の二つの通貨が持つ類似性ゆえに、コインベース でのBCHの導入はより困難なものとなりました。

最も多く時間を割かなくてはならなかったのが、 UTXO (未使用トランザクションアウトプット) 管理で、コインベースのUTXO管理コード(ニックネームはウォレス=Wallace)は、フォークしたコインを処理するようには構築されておらず、同じ履歴を持つ二つのコイン上で、未使用のアウトプットを追跡する方法を見つけなくてはなりませんでした。 

ビットコインの genesisブロックからBCHが創られたハードフォーク時点のまでのUXTOデータをウォレス(Wallace)上で置き換える作業だけで、1ヶ月以上を費やしたため、コインベースは、ブロックチェーンデータの同期化と巻き戻しという両面から攻略する策を講じて、入念なチェックを行いました。

コインベースで取引と関連サービスの 基盤となるコードベースは、モノレール (the Monorail)と呼ばれ、Ruby ( Rails )で書かれており、コインベースのモバイルアプリや他のサービスを作動させるAPI もこのコードベースです。 

コインベースが法定通貨とビットコインの取引を開始した当初は、このモノレールですべてのサポートが可能でしたが、その後、ライトコインとイーサリウムを上場する際には、それぞれのコインに特定のルールを処理するためにいくつかの新しい条件を定義するブロックが必要になりました。

新しい通貨を追加するにつれ、その複雑さは増していったのです。

Ellithorpe氏率いるエンジニアリングチームは、個別の通貨用に、アドレス表示、承認数、手数料などのオブジェクトを提供するため、モノレールコード上で、大規模なリファクタリングを行いました。

しかし、このような資産保全のためのエンジニアの不断の努力にもかかわらず、 BTCとBCHがプロトコルと履歴を共有しているという性質上、ユーザーエラーは依然として、資金喪失につながる恐れがあります。

BTCとBCHを間違ったアドレスに送るというエラーはよく起きますが、コインベース は間違いを未然に防ぐ対策を講じるため、従来のアドレスのサポートの継続と同時に、独自のRubyライブラリを構築し、新しいBCHアドレスフォーマットをデフォルト設定しました。

リリースコードを上回る数のテストコードを使用するほどの、入念で大規模なテストに加え、開発者環境と文書化の刷新を行い、コード変更を統合する コマンドツール(feature gates) を付け加えました。

このプロジェクトによって、コインベースは、将来新しい通貨を上場させるための労力をかなり省くことができるようになりますが、今後の上場通貨の予定等についての言及はありませんでした。

最終的に、このプロジェクトに費やした膨大な「苦労」は報われたのでしょうか。

その質問に対しEllithorpe 氏はこう答えたのです。

BCHを買うことに、心底惚れ込んでいる人たちがいるんです!

Ellithorpe 氏は、結びに、 コインベースのBCH Buy Widget を導入した最初のプラットフォームで、実使用事例初となったソーシャルメディアの yours.org とその共同創始者でCEOの Ryan X. Charles 氏に感謝の意を表しました。

Josh Ellithorpe Coinbase How Coinbase Added Bitcoin Cash (It Wasn’t as Easy as You Think)

March 25, 2018 by Jon Southurst

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