はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

10年で185兆円の経済効果──ブロックチェーン技術が世界経済に与える影響|PwCレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンがもたらす大きな経済効果

世界4大会計事務所の一つ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、ブロックチェーン技術の採用が世界のGDPにもたらす影響を調査した新しいレポートを発表した。

「信頼の時代:ブロックチェーンを再考すべき1兆ドルの理由」と題したこのレポートでは、ブロックチェーン技術の専門家や関連企業幹部へのインタビューに基づき、今後10年で現実的に導入できると考えられるユースケースの包括的なリストを作成。各ユースケースを調査、分析し、ブロックチェーンの採用が世界のGDPにもたらす総計的な効果を導き出した。

PwCは、2025年までに大多数の企業が、何らかの形でブロックチェーンを使用するようになると予想している。そして同技術が主流になることで経済効果が急速に高まり、2030年までに、世界のGDPを1.76兆ドル(約185兆円=昨年のGDPの1.4%)押し上げると予想している。

ブロックチェーンの採用を促進する利用例トップ5

レポートでは、経済価値を生む可能性によって、ブロックチェーンの利用法を順位付けした。

起源/出所

10年間の経済効果:9620億ドル(101.5兆円相当)

製品の出所とその流れを確認し、サプライチェーンの透明性を強化。不正や汚損、偽造を即座に特定し、顧客の安全を確保することで、社会的・倫理的責任を果たすための取り組みを強化できる。

 

決済・金融商品

10年間の経済効果:4330億ドル(45.7兆円相当)

  • ビットコインなどの仮想通貨の決済利用
  • ステーブルコインを利用した国際送金や決済方法の開拓
  • 各国の中央銀行がデジタル通貨(CBDC)の発行による決済インフラ改善を模索

身元証明

10年間の経済効果:2240億ドル(23.6兆円相当)

運転免許証や資格証明書などの個人記録を、ブロックチェーン技術で保護し、オンラインで安全に共有することが可能になる。大幅な費用の効率化がもたらされるとともに、詐欺や個人情報の盗難を抑制することに貢献。

契約と紛争解決

10年間の経済効果:730億ドル(7.7兆円相当)

ブロックチェーン技術で、台帳と契約、決済をまとめることができるため、契約の流れを改善するとともに、紛争への対応を促すことが可能。

顧客エンゲージメント

10年間の経済効果:540億ドル(5.7兆円相当)

従来のカード基盤のロイヤリティプログラム・報酬プログラムを顧客関係管理プラットフォームと統合し、スマートフォン上での使い勝手を向上することで、顧客の関与を高める。

最も恩恵を受ける分野は

ブロックチェーン技術は、幅広い産業分野に恩恵をもたらすとPwCは主張しているが、その価値が発揮されるのは主に「舞台裏」であるインフラだという。今後10年以内に世界のインフラの10%から15%がブロックチェーンを利用すると予想している。

そして、最大の恩恵を受ける可能性がある分野として、行政、教育、医療分野を挙げた。特に身元証明や資格証明分野の効率化によって、2030年までにこれらの分野には5740億ドル(約57.7兆円)の利益がもたらされるとPwCは予想している。

ブロックチェーン革命をリードする国々

さらに、今後10年間で最もブロックチェーン技術の恩恵を受ける国は、中国とアメリカとなると予想している。

PwCはブロックチェーン導入の成功には、好意的な政策環境と、技術がもたらす新たな機会を開拓するビジネスエコシステム、そしてそれに適した産業構成が必要だと指摘。その点、中国はイノベーションを受け入れ、独自のデジタル通貨の開発を積極的に推進しているため、今後10年間で、4400億ドル(約46.4兆円)を創出し、GDPを1.7%増加させる可能性があるという。

一方、米国では、巨大なサプライチェーン関連の機会と、消費者の社会的・倫理的な要求を満たすために、ブロックチェーンの採用が進み、4070億ドル(約42.9兆円)が生み出されると予測されている。

その他の地域でGDPの高成長が見込まれるのは、スエーデン(3%)、ルクセンブルグ(2.6%)、ドイツ(2.4%)、イギリス(2.3%)と予想した。

日本に関しては、GDPの成長率は示されなかったが、ブロックチェーン技術導入により、61万7000の雇用が生み出され、720億ドル(約7.6兆円)の経済効果が見込まれると予想されている。

出典:PwCレポート

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧