MoriXの暗号資産ウォレット
暗号資産(仮想通貨)をどうやって管理するべきかは、常にユーザー(保有者)の議論の対象となってきた。利便性を取るか、安全性を取るかというトレードオフの関係に対し、その管理手段もさまざまなものが出現している。
例えば、暗号資産取引所に預けておくことは、最も簡単かつ利便性の高い手段の一つだが、ハッキングなど不正流出によって取引所から資産が盗まれるリスクもゼロではない。
現在でこそ金融庁や自主規制団体管轄の元で大きく整備されているものの、過去には国内大手取引所でホットウォレット(インターネットに接続して利用するウォレット)に保管された暗号資産を盗まれる事例が国内外で発生。金融庁が本腰を入れて対策に乗り出し、大幅な「規制強化」を図るとともに、仮想通貨交換業者も顧客の資産をコールドウォレット(オフラインで使用するウォレット)中心に管理するなどの対応を迫られた経緯がある。
コールドウォレットには、個人向けのデバイスも存在し、自分自身で仮想通貨の資産(秘密鍵)を管理することが出来る。コールドウォレットについては、海外製のものが多くみられる中、生体認証システムの開発等を行う国内企業の「MoriX(モリックス)」の製品が新たに登場した。
指紋認証付きのウォレット
指紋認証システムを開発・販売する株式会社MoriXのウォレットカード「MoriX Wallet Card」は、ネットワークに接続されていないコールドウォレットに当たる製品で、薄いカード型でありながら、一段上のセキュリティ対策として、MoriXのノウハウを活かした「指紋認証機能」を搭載する。
ビットコインの価格上昇とともに資産額が増加したユーザーも少なくない。パスワード管理や情報漏洩など暗号資産におけるリスク管理の重要性が増すなか、スマホのアプリと連携することで、高い利便性とセキュリティを実現させている。
対応通貨
2020年11月時点の対応通貨は、以下の8種類。
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ライトコイン(LTC)
- ドージコイン(DOGE)
- ダッシュ(DASH)
- リップル(XRP)
今後、流通量の多いERC-20規格トークンにも対応予定としている。
MoriXとは
開発を行ったMoriXは、2005年に設立され、指紋認証関連開発を長年行ってきた技術力に定評のある企業。MoriXはクレジットカードなど金融カード向けの指紋認証カードを開発しており、指紋センサーをICカードに実装する技術の開発が、暗号資産ウォレットの開発へと繋がっている。
MoriXの久保田 守彦社長は、ウォレットのプレスリリースで以下のように語った。
ただ急成長する市場だからこその不安も顕在化しています。その1つが暗号資産の安全面です。ネットワーク上で多様な暗号資産を売買できる利便性がある一方で、ネットワークの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が相次いでいます。
このように、「暗号資産を保有する個人も、自ら資産を守るための対策が必要」との危機管理意識が、ウォレットカードの提供に繋がっているという。久保田社長がCoinPostに対して「MoriX Wallet Card」の魅力を語ったインタビューの特別編は、後日公開予定。
利便性とセキュリティを兼備
MoriXのウォレットカードは、セキュリティの高さだけでなく、カードに搭載された各機能が利便性を実現している。
セキュリティ点では、PCやスマートフォンの専用アプリとの連携に、BluetoothとUSBという2つの方法が用意されているが、ウォレットへのアクセスや送金を行う際には、必ず専用カードでの「指紋認証」を要求される。
薄いカード型であるため持ち運びに便利な形状であるが、雨天や水没に備え、水深1mの防水性能(防水・防塵 IP68取得)も獲得している。カードに備え付けられた小型ディスプレイで暗号資産ごとの残高を表示できるほか、QRコードを暗号資産の送金先に見せることで、カードだけで暗号資産を受け取る機能も備えている。
国内の企業であるため、トラブル時の対応が受けやすいこともメリットに挙がる。
MoriX Wallet Card 購入ページ
「MoriX Wallet Card」の価格は、2万7000円。
2020年8月より、AmazonのECサイトにて販売開始している。
MoriX Wallet Cardに関するお問い合わせ
メールアドレス:hiroshi.kataoka@morixjp.com
担当者:片岡