はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

著名アナリストAlex Kruger「モルガン・スタンレーの仮想通貨レポートは理解不足」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨に注目しはじめたウォール街

BNYメロンやドイツ銀行などの世界的金融機関の暗号資産(仮想通貨)事業参入が大きな注目を集める中、米大手投資銀行モルガン・スタンレー傘下の投資部門「Counterpoint Global」が、ビットコイン(BTC)を投資対象に加えることを検討していると報じられた。Counterpoint Globalの運用資産額は1500億ドル(約15.8兆円)。

関連:モルガン・スタンレー、ビットコイン投資を検討か=報道

モルガン・スタンレーは、「仮想通貨が影の存在ではなくなってきた」との見解を発表するなど、仮想通貨を支持する姿勢を見せている。また、現時点でビットコインを直接保有していないが、約7万BTCを準備資産として保有する米上場企業MicroStrategy社の株式の10.9%を保有しており、間接的なビットコイン投資効果を得ていると見る向きもある。

仮想通貨に対する限定的な理解

一方、経済学者で著名仮想通貨アナリストのAlex Krüger氏は、米モルガン・スタンレーが先週公開した仮想通貨市場分析に関して、辛口の意見をツイートしている。

「正直言って、このレポートは、仮想通貨をあまり理解していないアナリストが書いたという印象を与える。(中略)しかし、金融業界の人々はこの程度のものに触れているのだと考えると、興味深い。」

モルガン・スタンレー仮想通貨レポートの概要

レポート内で以下のような分析がされている。

ビットコイン・仮想通貨に関する重要点まとめ

  • 機関投資家にとっての魅力が上昇
  • インフレヘッジ、中央銀行によるマネーサプライの急速な増加、今後の政府規制の効力に関する懸念に対するヘッジ手段としてのテーマは残る
  • 環境への配慮は重要だが、しばしば見落とされている
  • 政治的干渉が起きる可能性は依然として高い
  • 仮想通貨、デジタル通貨、デジタル金融、および中央銀行デジタル通貨の市場は大きく、急速に進化している

2020−2021の仮想通貨市場トレンド

「中央銀行による景気刺激策を受け、機関投資家がビットコイン市場に参入」

  • ビットコインは2020年3月から2021年1月8日までに720%上昇、その後25%の価格調整を経て、さらに2021年1月27日の底値から49%上昇
  • 2020年、暗号資産の資金流入の97%はビットコインへ
  • 2020年の月ごとのビットコイン価格変動率の平均は、ナスダックとS&P500の2倍以上
  • 取引所におけるビットコインの2020年の年間取引量は、2019年から倍増し12兆ドル(約1270兆円)に。2021年1月の第1週だけで5390億ドル(約57兆円)の取引が行われた
  • 2020年、アルトコインの取引量も増加したが、依然としてビットコインが時価総額の61%、イーサリアムが15.5%を占めた
  • ビットコイン価格上昇は、2017年はアジアに集中していたのと対照的に、2020年には米国の取引時間帯に起きた
  • ヘッジファンド、年金ファンド、資産管理会社などを含む、著名な機関投資家が仮想通貨支持者となった
  • その多くは、類似した時価評価もしくは資産比率を用いて、金市場をベースにターゲット価格を設定

ビットコインの流動性の低下

「新規発行のビットコインは、より少ない人数・アドレスによって保有されている」

レポートでは、100万ドル(約1億円)の価値のあるビットコインを保有するアドレスが増加しており、新たに発行されたビットコインの60%は、100BTC以上保有するウォレットに属すると説明。ビットコインの流動性の低下が続けば、「価値の交換手段」としてのビットコインの使用は「擁護するのが困難になる」と主張した。

この点に関して、Krüger氏は次のように反論している。

「流動性の低下に関して、(レポートの)分析では、取引所を考慮していない。ビットコインがより少数のアドレスに保有されていることと、少人数に保有されていることとは同じではない。いずれにせよ、ビットコインの魅力は価値の保存手段としてであり、決済手段としてではない。供給量の低下は、もしそれが事実であれば、価格の上昇につながる。」

その他の論点

レポートでは、さらにDeFi、CBDC(中央銀行デジタル通貨)、アルトコインについても言及。特筆すべきは、モルガン・スタンレーが、ポルカドット(DOT)ネットワークを、イーサリアムの8万倍の取引を処理することが可能で、昨年は、秒毎に換算すると、クレジットカード大手のVISAの8000倍の取引を処理したと称賛したことだろう。

この点に関してKrüger氏は、「DOTのサクラだ」と切り捨てている。仮想通貨に関する理解において、同氏はウォール街を評価していないようだ。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧