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「ビットコインは転換点にある」大手投資銀行シティ、国際取引通貨となる可能性を示唆

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

重要な岐路に立つビットコイン

世界有数の投資銀行シティが、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)に関する新しい報告書を発表した。「転換点にあるビットコイン」(原題:Bitcoin At the Tipping Point )と題した100ページを超えるレポートでは、ビットコインの過去、現在、そして将来の可能性について、様々なデータを駆使して、その変遷を詳細に解説している。

レポートでは、現在、同行が7年前にビットコインを「破壊的なイノベーション」として取り上げた際には思いもよらなかったような大きな変化の波が押し寄せていると指摘。その背景には、マクロ経済要因に後押しされた機関投資家の参入と、そのニーズを支えるエコシステムの進化があると述べた。

さらに、ビットコインの核となる特性や世界的な広がり、および中立性を考慮すると、ビットコインは今後、国際取引における通貨として選ばれる可能性があると評価している。一方、ビットコインの発展を阻むリスクや障害が存在することも事実であり、「ビットコインは、今まさに主流として受け入れられるか、投機的な崩壊に終わるのかの転換点に立たされている」と主張している。

ビットコインの普及を阻む要素

レポートは、5章から成り立っており、そのうちの1章はビットコインの起源や理念と歴史について、3章分をビットコインの発展と現在の立ち位置、そして今後、期待される可能性について、概してポジティブな説明に割いている。そして、最後の1章でビットコインの発展を阻害する要素について説明した。

レポートは主に機関投資家の立場から、次のような懸念点を指摘している。

  • ビットコイン(および仮想通貨)の低い資本効率性
  • 保険とカストディに対する懸念
  • ハッキングなどセキュリティに対する懸念
  • マイニングに関連した環境への影響
  • 規制整備推進に反発する初期からの仮想通貨支持者が離脱し、流動性が分断される可能性
  • 他の仮想通貨がビットコインの存在を脅かす可能性
  • マクロ投資環境の変化により、機関投資家の関心が他の資産クラスに移る可能性

発展するビットコインエコシステム

しかし、レポートの中心となっているのは、現在、ビットコインを取り巻く環境がいかに発展しているか、またビットコインが中央銀行を含む既存の金融システムに大きな影響を与えている事実や、今後、どのような展開が見込まれるかなどの点だ。

ステーブルコインの誕生で、法定通貨からビットコインなどのブロックチェーン上へ資産の移動がより効率的になり、エコシステムの発展に寄与したとレポートは指摘した。

さらにステーブルコインの存在や、プライベート決済ネットワークの誕生は、政府が担う通貨管理の役割に大きく影響することから、多くの政府が中央銀行が発行する独自のデジタル通貨(CBDC)を検討するようになった。2021年1月に、国際決済銀行が60の中央銀行を対象に行った調査では、86%が何らかの取り組みを行い、60%は概念実証や実際の実験プログラムを行なっているという結果が出たという。

レポートは、もしCBDCが実現した場合、個人や企業が銀行口座を持つのと同様に、様々なデジタル通貨を保有するウォレットを持つようになり、法定通貨の経済システムとパブリックブロックチェーンの仮想通貨ネットワーク、プライベートなステーブルコイン・コミュニティなどが連結され、循環することが可能になるだろうと述べている。

このような状況下では、ビットコインは国際取引に最も適した通貨として選ばれる可能性が高いと指摘した。その理由として、ビットコインが各国の財政政策と金融政策の影響を受けないこと、外国為替取引の必要がないこと、ほぼ瞬時の支払いが可能で、取引に際しては支払者のウォレットにビットコインを保有している必要があることから、デフォルトやキャンセルの懸念がない、などの点をあげた。

ビットコインは仮想通貨空間の「北極星」

また、レポートでは、ビットコインの機能は多岐にわたるため、ビットコインに対する人々の認識も変化していると指摘した。現在、ビットコインはインフレヘッジに役立つ独自の資産クラスである「デジタル・ゴールド」として捉えられ始めている。また、国境を易々と超えるグローバルな決済手段としての可能性も注目されている。実際、ペイパル、Visa、マスターカードなどの決済大手が仮想通貨分野に参入している。

革命的と言われるビットコインだが、多くのアルトコインも次々に開発され、ブロックチェーンを基盤としたプラットフォームはさらに進化し、ビットコインの当初の概念を超えるイノベーションも誕生している。分散型金融分野は、急速な成長をとげ、拡大している。

しかし、仮想通貨空間において、ビットコインは他の仮想通貨の道標となる「北極星」であり、その成功がエコシステム全体への関心のバロメーターであるとレポートは締め括っている。

そして、ビットコインの発展を阻むリスクや障害はあるものの、ビットコインが持つ可能性や今後の機会と照らし合わせると、仮想通貨が主流となる大規模な改革が始まる時期にきている可能性もあると、シティは考えているようだ。

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