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ピザハットやプリングルスなど米大手飲食もNFT事業に参入、検索数は2017年のICO相場並に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

高まるNFTブーム

ブロックチェーンを導入したNFT(非代替性トークン)の注目度が急速に高まる中、米国では、大手ファストフードチェーンのピザハットやタコベル、日本でも馴染みのあるチップスブランドのプリングルスなどが独自のNFTをマーケットプレイスRaribleで販売を開始した。

日本でも有名な企業やブランドが手がけるNFTをピックアップして紹介する。

GoogleTrendsの統計によると、NFTの検索数は2017年仮想通貨バブルにおける「ICO」検索数に匹敵する水準に達するなど世界的に過熱しつつある。

「食品系」のNFT

今月に入り、海外ではレストランチェーンなどが手がけるNFTの販売事例が相次いでいる。

プリングルス

世界的なポテトチップスメーカーのプリングルスは18日、独自の「クリプト・クリスプ味」の限定NFTを50個をリリース。通常のポテト缶と同じ値段から落札がスタートし、50個全て完売した。

ピザハット

同日には、カナダのピザハットも、ピクセル化されたピザのNFTを販売。

ピザハットのNFTは、二次流通市場で5ETH(執筆時点で約90万円)もの価値で高額取引されたという。

タコベル

また日本でも店舗を展開するタコベルも3月上旬、独自のタコスをイメージしたNFTセールを実施。こちらも二次市場で価格が高騰する事例が目立った。

関連:セカンダリー市場で高騰事例も、米大手外食チェーン・タコスの「タコベル」独自NFTが即完売

Bratz

食品業界以外でもNFT事業への参入は数多い。

00年代初頭に北米圏女子の間でブームとなったコレクタブル人形ブランド「Bratz」も、2020年12月に独自のNFTをリリース。親企業のMGAエンターテインメントがブロックチェーン企業Animocaとブラント及びコンテンツの使用許諾契約を締結して実現した。

Charmin

P&G傘下のトイレットペーパーメーカーのCharminは、独自の「NFTP」(非代替性トイレットペーパー)をリリース。NFTの販売で得た利益が、人道支援を行うNPOのDirectReliefに寄付された。

日本のキャラクター・ブランドのNFTも続々登場

海外の注目度も高いが、日本国内でもNFTの関心は高まっている。GoogleTrendによれば、国内の「NFT」検索数は2月第3週から、右肩上がりに上昇している。

出典:Google Trends

スクウェア・エニックスもNFT市場参入

21年3月17日には、大手ゲーム企業スクウェア・エニックス社が国内ブロックチェーン企業double jump.tokyo株式会社との共同開発で「ミリオンアンサー」シリーズのNFTシールを2021年夏に販売する計画を発表。ブロックチェーン技術を活用して初めてNFTデジタルシールを展開していく。

関連:スクウェア・エニックスがNFT市場進出 国内ブロックチェーンゲームを先導するdouble jump.tokyoと協業へ

ストリートファイターのNFT

また、国内大手ゲーム企業カプコンの人気格闘ゲーム『ストリートファイター』に登場するキャラクターのNFTも、21年2月18日からWAXブロックチェーン上で販売された。WAXブロックチェーンはゲームアイテムのトレードに特化したチェーンで、カードの希少性を生み出す「9ラフティング」機能も好評だという。

1987年にアーケードゲームとして登場して以来、長きに渡り多種多様なメディアで親しまれてきたゲームのキャラクターをNFTとして保有できることから注目を集めた。

関連:『ストリートファイター』シリーズのNFT発売、希少性を生み出す仕組みとは?

ゴジラのNFTも販売へ

さらに21年3月には、東宝が1954年に公開された特撮怪獣映画「ゴジラ」シリーズのNFT化が決定した。野球カードなどのコレクタブルを展開する米大手のTopps社と、上述のWAXブロックチェーンとの連携して実現。

海外では3月24日に公開を控える新作「ゴジラvsコング」に際し、3月31日より漫画カバーのアートや、オリジナルのデザインのNFTが販売される。

大手企業CEOもNFTに関与

米国の大手テック系企業がNFTを販売する事例も散見される。

ビットコイン擁護派として知られるツイッター社のジャック・ドーシーCEOは3月上旬、Twittterで始めてツイートされた投稿のNFT化を発表。販売して得る利益をアフリカの貧困対策団体「GiveDirectly」に寄付することを示した。

ドーシー氏のツイートは総額290万ドル(約3億円)で落札された。

関連:ツイッター社ドーシー氏、NFT化されたツイートの売上をチャリティーへ

また米国の大手EVメーカーテスラ社CEOのイーロン・マスク氏も16日、「NFTに関するこの歌をNFTとして売る」と投稿。1月下旬にはビットコイン関連のツイートやミームコインのドージコイン(DOGE)に関する投稿を相次いでツイートしたマスク氏の言動は大きく注目を集めた。

関連:イーロン・マスク氏、音楽のNFT(非代替性トークン)を販売へ

スポーツ選手のNFT化も顕著に

米国ではCryptoKittiesを手がけたDapper Labsが発行する「NBA Top Shot」がリリースされた昨秋以降、NFT市場を独占している。CoinPost提携メディアのThe Blockの提供するデータによれば、週ごとの取引量やユーザー数などのカテゴリーで一位になっている。

NBA Top Shotは米国のメジャーなプロスポーツの一角であるNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)のスター選手が活躍するワンシーンなどをNFT化したもの。サービス開始以来の流通取引量は総額400億円を超えており、リリースから半年が経過した現在も高い人気を誇る。

さらに3月に入り、米国のアメフト選手が独自でNFTを発行してRaribleなどで販売する事例も相次いだ。

今年2月に行われた第55回スーパーボウルで18年ぶりにのチャンピオンに輝いたタンパベイ・バッカニアーズ所属のRob Gronkowski選手も先週、自身のNFTの初期セールを実施。総額2億円のNFTを販売した。

また2020年のスーパーボウルを制したカンザスシティ・チーフス所属のQB(クォーターバック)のPatrick Mahomes選手も17日にNFTセールを発表。NFTセールの利益の一部を米国のNPO「Boys&Girls Clubs of America」と自身の慈善団体「15 and the Mahomies」財団に寄付する方針を示していた。

NFLはNBAと並び、米国で高い視聴率を誇るナショナル・フットボール・リーグの略称。テレビの放映権など一部の収益をリーグ全体に分配する独自の仕組みを採用しており、チケットのNFT化や、コレクタブルのNFTなどの構想を検討していることが先週18日に報道されている。

関連:NFLがNFT(非代替性トークン)などブロックチェーン構想を検討、選手のNFT発行事例も相次ぐ

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