ビットコイン相場
GW明けとなる6日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+3.3%の623万円(ドル)に。
下値が買われ、意識されていた日足50日移動平均線(50SMA)を再度上抜けるなど反発色を強めている。XRP(リップル)が前日比+18.8%、ビットコインキャッシュ(BCH)が前日比+24%、イーサリアムクラシック(ETC)が前日比+31.4%を記録するなど全面高となった。
4日には、イエレン米財務長官が「(景気過熱時の)金利上昇の必要性」に触れたことで、ナスダック市場が急落する場面もあり、ビットコイン市場も連れ安となるなど過剰に市場が動揺する場面も見られた。しかし、その後「連邦準備制度(FRB)」の独立性を強調するなど釈明したことで落ち着きを取り戻しつつある。
早ければ年内にもQE(量的緩和)の縮小を意味するテーパリング観測もあるが、大規模金融緩和には、新型コロナウイルスの感染再拡大リスクを踏まえた経済下支えが大規模金融緩和の根底にあり、金融当局は議論について慎重な姿勢を前面に押し出している。
仮想通貨市場はブル優勢
金融市場が敏感になる中、良好なファンダに後押しされる仮想通貨市場は、再び強気姿勢を鮮明にしつつある。
今年2月に米CMEにイーサリアム(ETH)先物が導入されて以来、ETHのエクスポージャーに対する機関投資家需要が増している。CryptoCompareのデータによれば、ローンチ当初の1週間は、CMEのETH先物取引量はわずか2300万ドルだったが、直近では週間取引高は過去最高の3億5300万ドルに達した。BTC先物取引高に対するシェアも1.36%から、9.36%にまで急進した。
前週にかけて高騰したイーサリアムは、目先材料とされ値たETH基盤最大手の分散型取引所「UniSwap V3」ローンチにより上昇を一服。最高値付近で揉み合う中、イーサリアムクラシック(ETC)やビットコインキャッシュ(BCH)など派生銘柄への投機的な循環物色が強まった。
中でもドージコインは、前週比+100%、前月比約+1,000%という規格外の値動きを見せている。投機的な値動きの背景には、米最大手投資アプリ「ロビンフッド」の影響も示唆される。
関連:「DOGE、ETC、BCH」米大手投資アプリRobinhoodで取り扱う仮想通貨が軒並み高騰
その他銘柄動向
前週比+32%のチェーンリンク(LINK)が5日に過去最高値を更新。51ドルをマークした。
DeFi分野の主要オラクルプロバイダーであるChainlinkは、プロトコルアップグレード「Chainlink 2.0」に関する136ページに及ぶホワイトペーパー(計画書)を公開した。
OKEx Insightsの調査によれば、非中央集権的なオラクルネットワークの進化を謳ったもので、さまざまな分散型金融(DeFi)プロトコルで採用されている価格オラクルの拡張性とプライバシーを向上を目指す。
オラクル(Oracle)とは、ブロックチェーン上にあるスマートコントラクトにチェーン外の外部データを伝える重要な役割だ。Chainlink 2.0のホワイトペーパーでは、スケーラビリティ向上のユースケースとして、DeFi市場におけるラップドトークンにも言及した。
ラップドトークンとは、他のデジタル資産の価値にペッグされた仮想通貨のこと。ラップされたトークンは、任意のタイミングでオリジナルの資産に償還できる。
「WBTC」であれば、ビットコインをイーサリアム規格のERC20トークンとして1:1の価値でロックアップすることで、様々なブロックチェーン間でのインターオペラビリティ(相互運用性)向上につながる。すでに市場に多くが出回っているイーサリアムチェーンと互換性を持つ仮想通貨を発行するための「ERC-20規格」に準拠することで、同等の資産価値を有するクロスチェーン特性を備えたエンティティとなる。
Chainlink 2.0のデータベース管理システム「オラクル機能」では、リザーブ・ステータスをETHブロックチェーンからBTCブロックチェーンに、よりタイムリーかつ正確に中継することが可能になるという。
関連:分散型オラクルChainlink、バージョン2のホワイトペーパーを公開
20年3月には、ChainlinkとDeFi Money Market(DMM)が、イーサリアム・メインネット上で、トークン化された実世界の資産に裏付けられた高利回りのMoney Market開始が好感され、高騰していた。
ブロックチェーン技術を介した高利回りの分散型金融市場の創出を通じて、短期資本のデジタル通貨ローン構築を目指すMoney Market(DMM)は、ETHチェーンチェーン上のデジタル資産と現実世界の資産との間のブリッジとして機能し、保有者がチェーン上で利子を獲得できるようにするもの。