はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨特化のヘッジファンド運用額4000億円超えに 投資運用銘柄とその比率は?PwC調査

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界の仮想通貨ヘッジファンドを調査

世界4大会計事務所の一つ、プライス・ウォーターハウス・クーパース(PwC)が、暗号資産(仮想通貨)に特化したヘッジファンドに関する調査結果を発表した。今年で3年目となる世界規模の調査レポート「PwC Annual Global Crypto Hedge Funds Report 2021」では、2020年にヘッジファンドの運用資産総額が約2倍に急増するとともに、リターンの中央値が前年の30%に対し、128%に増大したと報告された。

なお本調査は、2021年第1四半期の調査データに基づいており、「流動性のある上場した仮想通貨」に対しアクティブ運用を行うヘッジファンドを対象にしている。そのため、仮想通貨インデックスファンドや仮想通貨ベンチャーキャピタルファンド(株式タイプの投資)、ETF等は除外されている。

今年の調査対象となった約200のファンドのうちの8割は、2017年から2020年の3年間に設立されたものだった。

運用資産額の増加

PwCは、調査対象から得られた回答に基づき、世界の仮想通貨特化型ヘッジファンドの運用資産総額は、前年の20億ドル(約2,200億円)から、38億ドル超(約4,180億円)に増加したと推計した。

また、運用資産額が2,000万ドル(約22億円)を超えるヘッジファンドの割合が、前年比+11%で46%となり、各ファンドの平均運用資産額は前年1,280万ドル(約14億円)から4,200万ドル(約46億円)に増大した。

運用資産額の中央値で見ると、380万ドル(約4.2億円)から1,500万ドル(約16.5億円)とほぼ4倍に増大している。

戦略とパフォーマンス

ヘッジファンドのリターンの中央値を見ると、2019年に+30%だったものが、2020年には+128%を記録した。

戦略別のリターン(中央値)は以下の通りだが、ロングのみの戦略のパフォーマンスが抜きん出ている。

  • ロングのみ:+294%(前年:10%)
  • ロング/ショート:+129%(前年:23%)
  • マルチストラテジー:+114%(前年:12%)
  • クオンツ、ロング/ショート:+72%(前年:17%)

対象通貨

ファンドの日々の取引活動内容を見ると、ビットコイン(BTC)を取引しているのは92%で、1日の取引量の半分以上をビットコインが占めると回答したのは56%。そのうち15%はビットコイン取引に限定したファンドであることがわかった。

一方、1日の取引量が上位5位を占めるアルトコインと割合は次の通り。(ステーブルコインは除外)

  • イーサリアム(ETH):67%
  • ライトコイン(LTC):34%
  • チェーンリンク(LINK):30%
  • ポルカドット(DOT):28%
  • Aave(AAVE):27%

分散型金融も利用

2020年に急速な成長を遂げた分散型金融(DeFi)分野にも、ヘッジファンドは進出しているようだ。

回答を寄せたヘッジファンドの31%がDeFiを利用。中でもUniswapが最も広く利用されており(15.7%)、1inchが7.9%で続いた。SushiSwapは4.5%、Balancerは3.4%、Curveが2.2%という結果となっている。

ファンドマネージャーによる市場予測

レポートにはファンドマネージャーによる、今年末のビットコイン価格と仮想通貨全体の時価総額の予想も含まれている。

ビットコインの価格に関しては、65%が5万ドルから10万ドル(548万円〜1100万円)、21%が10万ドルから15万ドル(1100万円〜1645万円)との予想で、その中央値は10万ドル(1100万円)となった。

時価総額は、76%が2兆ドルから5兆ドル(220兆円〜550兆円)と予測、中央値は3兆ドル(330兆円)だった。

この調査でヘッジファンドは強気の姿勢を崩していないようだが、一つ留意したい点は、この調査の終了時のビットコイン価格が約5万9,000ドル(約647万円)で推移していたことだ。

「伝統的な」ヘッジファンド

今回のレポートでは、仮想通貨投資に特化していない「伝統的な」ヘッジファンドについての調査結果もまとめている。これらのヘッジファンドの21%が、総資産の平均3%を仮想通貨(デジタル資産)に投資しているが、その85%以上が2021年末までに、さらに資金を投入する意向だという。

一方、仮想通貨に投資をしていないファンドの26%は、投資を計画、もしくは検討の最終段階にあるが、投資を躊躇する理由として、82%が規制の不確実性を挙げた。また64%は仮想通貨に対する知識が十分でないと回答している。

同時に回答者の64%は、このような障壁が取り除かれるのであれば、確実に仮想通貨への投資を開始または加速すると答えた。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧