はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

Polkadotの本格運用へ大きく前進──実験ネットワーク「Kusama」のオークション開催へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Polkadotの本格運用へ大きく前進

Polkadot(ポルカドット)で稼働させる前に実験的なネットワークとして利用される「Kusama(クサマ)」について、パラチェーンオークションの予定が発表された。

メインのネットワークであるPolkadotを本格的に稼働させる前に、Kusamaに異なるブロックチェーンを接続。問題なく稼働することを確認した上で、Polkadotの本格運用につなげる計画だ。

Polkadotは異なるブロックチェーンの相互運用を目指すネットワーク。メインネットはローンチされているが、異なるブロックチェーンを接続する機能はまだローンチされておらず、その本格運用に向けて準備を進めている段階だ。

KusamaとPolkadotは、独立した様々なブロックチェーンを「パラチェーン」として接続し、相互運用を実現する設計になっているが、どのブロックチェーンも自由に接続できるわけではない。

関連初心者でもわかるPolkadot(ポルカドット)|仕組みと将来性を解説

接続を希望するブロックチェーンは、「Slot(スロット)」と呼ばれる枠を獲得しないといけない仕組みになっており、そのために行われるのがオークションである。これを実験的なネットワークという位置付けであるKusamaで先行して行われるというのが今回の発表だ。オークションは大まかには、Polkadotであればネイティブ通貨である「DOT」、Kusamaであれば「KSM」の保有量に応じて、接続できるネットワークが選ばれる。

今回の発表では、最初のオークションを日本時間の6月15日21時から開始するとした。予定通り進めば、同22日20時にオークションの最初の勝者が決まり、その後も1週間ごとにオークションを行なっていく予定。1つのオークションで1つのブロックチェーンが選出される仕組みで、5つのオークションを行った後は、およそ2週間ごとに開催するスケジュールに移行するという。

出典:Kusama

なお、公式ホームページでは、この日時は目安だとされており、スケジュールの決定もガバナンスを担当するメンバーによる最終認可を待っている状態だ。

Polkadotの共同創設者ギャビン・ウッド氏は先月、今後の計画を発表。Polkadotの方でパラチェーン機能のローンチを開始するために、以下の2つの条件を挙げた。そのため、Kusamaのオークションに対する注目度は高い。

  • Kusamaで最低でも1つのオークションを実行し、少なくても1つのパラチェーンを動かす
  • 外部機関による監査を全て終える

関連Polkadot、ギャビン・ウッド氏が今後の計画を発表

Kusamaのオークションの予定が発表されたあと、KSMの価格は上昇。いったん下落したものの、CoinGeckoのデータでは本記事執筆時点で前日比+13%となっている。

出典:CoinGecko

Kusamaについて

KusamaはPolkadotと同様の構造を持ち、実験的なネットワークとされているが、テストネットという位置付けはされていない。

Polkadotでできることをほとんど実行でき、KSMという経済的に価値のあるネイティブトークンも持っている。KSMは大手取引所のバイナンスやクラーケンなどにも上場している暗号資産(仮想通貨)だ。

KusamaはPolkadotと比較して、ネットワークのアップデートが高速で行われる点、またパラチェーン接続に必要なトークン量が少ない点が主な特徴。このような性質から、新しいアイディアの実験に加え、初期段階にあるスタートアップらの利用に適していると考えられている。

クラウドローンについて

他のブロックチェーンとの相互運用を実現してネットワークの処理能力を向上させたり、スマートコントラクト機能を利用したり、またネットワークの基盤となる「リレーチェーン」のセキュリティの仕組みを活用して開発コストを削減したりするために、Polkadotに接続することを目指しているプロジェクトは多い。

関連テザー(USDT)、PolkadotとKusama上で発行計画

しかし、Polkadotにパラチェーンとして接続できる枠の数は現時点で100と設定されているため、各プロジェクトはネイティブ通貨をできるだけ集めて、オークションに参加する必要がある。

そのためにPolkadotとKusamaには「クラウドローン」という仕組みが用意されている。これは、各プロジェクトが保有している仮想通貨だけでなく、コミュニティ等からDOTやKSMを借りることができる制度だ。厳密には、パラチェーンのオークションは「クラウドローン」と実際の「オークション」の2つから成り立っている。

プロジェクト側からすれば、オークションに参加するためにより多くの仮想通貨を集められるようになるというメリットがあり、仮想通貨の貸し手側には、支持するプロジェクトを応援することができたり、プロジェクトによっては、独自で発行する仮想通貨をもらえるなどのメリットがあるという。

クラウドローンの大きな特徴は、プロジェクト側が貸し手の仮想通貨にアクセスしないことだ。仮想通貨を貸し手のアカウントにロックし、その証明書をプロジェクト側がオークションで利用できる仕組みになっている。

またユーザーがクラウドローンを含めたオークションに参加しやすいように、サポートを行うことを表明している取引所もある。例えば、上述したクラーケンもその中の1つだ。

以前からクラーケンはオークションをサポートすることを表明していたが、改めて8日にプレスリリースを出し、オークション用のプラットフォームを発表。サービスの利用を認可されていない日本や米国等の地域以外に住むユーザーは、取引所に預けてあるKSMを送金することなく、そのままクラウドローンに貸し出し、オークションに参加することができるという。

クラーケンは現時点で、Karura Network(KAR)とShiden Network(SDN)のオークションをサポートしている。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧