CoinPostで今最も読まれています

デジタル通貨フォーラム、大手企業主導の「電子マネー分科会」など新たに3つが発足

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル通貨の進捗は

暗号資産(仮想通貨)取引所ディーカレットを運営する株式会社ディーカレットは16日、同社が事務局を務める「デジタル通貨フォーラム」の第3~5回において、議論された内容を公表。各分科会におけるデジタル通貨開発の具体的な構想が明かされた。

デジタル通貨フォーラムは、「民間主体が発行する日本円に準拠した二層構造のデジタル通貨」のユースケースなどを議論するために2020年11月に設立が発表された会議だ。

全大会の概要

「デジタル通貨フォーラム」は、2020年11月に終了した「デジタル通貨勉強会」から再スタートした試みであり、ディーカレットを事務局とし、座長には元⽇本銀⾏決済機構局⻑の山岡浩⺒氏が就任。三菱UFJ銀⾏、NTTグループ、SBIホールディングスなど様々な業界の60以上の企業が名を連ねており、オブザーバーとして金融庁や財務省などの関係省庁も参加している。

関連:ビジネスの実現性などを検討する「デジタル通貨フォーラム」新たに4領域の分科会発足

第3~5回全体会では、デジタル通貨プラットフォームのDVP(証券と資⾦の同時受け渡し)決済、デジタル通貨が目指す世界のビジョンや海外の動 向などについて共有されたという。

テクノロジー分野においては、技術者による会合を実施、デジタル通貨プラットフォームのサンドボックス環境の案内も開始。民間主体が発行するデジタル通貨の発行と普及に向けて事業とテクノロジーの両面で包括的な議論を行っている。

また、シニアアドバイザーとして同社特別顧問で前金融庁長官の遠藤俊英氏が就任したことも明かされた。

関連:前金融庁長官の遠藤 俊英氏、仮想通貨交換業者ディーカレットの特別顧問に

各分科会の議論

既存の4つの分科会(電力取引分科会・小売り、流通分科会・地域通貨分科会・ウォレットセキュリティ分科会)に加え、以下の3つの分科会が新たに発足したことも明かされた。

  • 電子マネー分科会
  • セキュリティトークン決済実務務・制度検討分科会
  • クレジットカード会社の加盟店精算分科会

それぞれの分科会の概要や活動状況も取りまとめられている。

  • 電力取引分科会

幹事企業は関西電力株式会社。電力・環境価値のP2P取引と、その決済をデジタル通貨で実現することを目指す。「デジタル通貨の商業・サービス利用」「グリーンファイナンス」を組み合わせた2つのユースケースを検討している。

  1. 売却した電力や環境価値の対価として得たデジタル通貨を商業・サービス利用する
  2. 電力の環境価値を応用してグリーンファイナンスに利用する
  • 小売り・流通分科会

幹事企業は株式会社セブン銀行(株式会社セブン&アイ・ホールディングス)。小売り・流通分野におけるデジタル通貨のユースケースについて議論している。

  • 地域通貨分科会

三菱 UFJリサーチ&コンサルティング株式会社とTIS株式会社を幹事とする。地域経済圏活性化のため、プログラム可能で真に地域活性化に繋がるデジタルマネーの創出に向けて検討を行っている。また、宮城県・気仙沼市、福島県・会津若松市とも共同実験を行っていることも明かした。

  • ウォレットセキュリティ分科会

セコム株式会社を幹事とする。デジタル通貨プラットフォームをユーザーが安全に使えるようにするためにセキュリティの基本要件を定めることを目的とする。利用時の秘密鍵管理・使用、ユーザー認証(KYC)などのセキュリティ課題と対策を検討していくとしている。

  • 電子マネー分科会

イオン株式会社を幹事とする。ユーザーがどのようにして電子マネーにデジタル通貨をチャージするかといった「電子マネーとデジタル通貨の連携」を中心としたユースケースについて議論している。法解釈・コスト・ウォレットの契約方法などが検討事項となっているという。

  • セキュリティトークン決済実務・制度検討分科会

ブロックチェーン上で発行される有価証券である、セキュリティトークンとデジタル通貨のDVP決済の実現に向けて検討を行う。セキュリティトークンは業界で各種実証実験が行われており、取引の安全性を考慮した実サービスの提供フェーズに移行しつつあるが、資金決済は現行の枠組みにとどまっているため、金商法・資金決済法・銀行法などの観点から論点整理を進めている。

  • 加盟店精算分科会

加盟店清算をデジタル通貨への支払いを以て行う形を採用し、効率的な加盟店清算を実現することを検討している。加盟店は、デジタル通貨から現金化の指示を行うことで銀行口座からの現金払いを行うことが出きる形を想定している。また、複数の企業への振り込みについても、振込サイクルの短縮化などを検討中だ。

オンラインセミナーも開催

16日、ディーカレットの主催の「デジタル通貨フォーラム報告会 第2回」と題したオンラインセミナーが開催された。

セミナーの総括として日銀元決済機構局長の山岡浩巳氏は、デジタル通貨フォーラムの参加企業が大幅に増加していることに触れ、デジタル通貨に関する動きは世界の潮流とも整合していると述べた。

また、各国で開発が進む中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長の発言やイングランド銀行によるディスカッションペーパーの発行といった例に言及しつつ、「デジタル通貨フォーラムは世界の動きにも引けを取らない」「世界の中でも先行している」と評価。地域通貨(デジタル通貨)の発行は地域経済の活性化と一体であり、民間のイノベーションが重要であるとも話した。

関連:パウエルFRB議長、金融市場の過熱感・デジタルドルに言及

セミナーの最後、質疑応答においてディーカレット社代表の時田一広氏は、時期は未定だが年度内に6つの分科会で実証実験が予定されていること、5~10の企業がフォーラムへの参加を検討していることを明かした。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧