はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米大手ベンチャーキャピタル「a16z」、ステーブルコイン規制の三原則を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコイン規制の基本三原則

米大手ベンチャーキャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ (a16z)」は27日、ステーブルコインは「民主化された次世代の金融サービス」で重要な役割を果たすと主張。消費者保護と金融犯罪の防止、さらに金融システムの安全性と安定性のために「賢明で効果的な」ステーブルコイン規制が必要だとして、以下の基本三原則を提案した。

  • 公平なアクセスの促進
  • ステーブルコインの発行者及びその担保資産の完全性の確保
  • ステーブルコインネットワークの技術的・運用的な回復力の強化

すでに多くの種類のステーブルコインが市場に出回っているのに加え、市場は革新を続けているため、ステーブルコインの技術を活用し、かつリスクを抑制するためには、画一的な規制は適切ではないと、a16zは主張している。

優れた規制は、犯罪者を抑止し、ダウンサイド・リスクを管理するだけではない。テクノロジーがどのように人々に利益をもたらすかについての、枠組みとビジョンを確立するものだ。

ステーブルコインとは

ステーブルコインとは、価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。

▶️仮想通貨用語集

公平なアクセスの促進

a16zは、ステーブルコインの規制で、まず優先するべきは、全ての消費者に平等なアクセスを提供することだと述べている。そのためには、現在、金融包摂の障壁となっている既存の金融システムがもたらすコストや非効率性などを取り除くことが重要だという。

政策立案者が、ステーブルコインを基本的な金融システムの構成要素として受け入れることで、金融インフラを刷新し、効率性と競争力を高める新しいシステムを構築することに舵を切るよう提案している。

ステーブルコインの発行者・担保資産の完全性の確保

また、a16zは米国で各州が行ってきたステーブルコイン発行者の認可を、連邦政府が担う可能性を検討するよう提案した。

米通貨監督庁(OCC)は国法銀行によるステーブルコインの扱いについてガイダンスを発行するとともに、Paxos、Anchorage、Protegoの3社に対し、条件付きで国法銀行の設立を認可した。一つの道筋が示された一方で、全てのステーブルコインに有効な手段ではないとa16zは指摘。

関連:仮想通貨関連企業Protego、アメリカで国法銀行設立許可書を取得

一部のステーブルコインは、スマートコントラクトのプロトコルによって管理され、アルゴリズムによって価格の安定を維持しているため、従来の銀行設立条件の枠組みに当てはめることはできないと指摘。このようなステーブルコインの多様性を考慮し、規制の選択肢を提示すべきだとした。

さらに、ブロックチェーンが監査可能であること、また規制遵守をスマートコントラクトにプログラム可能であるなど、革新的技術の利点を活用した新しいコンプライアンス対応により、不正行為の検出や規制強化などに関して、現状が大幅に改善できることにも言及した。

技術的・運用的な回復力の強化

a16zは、仮想通貨担保型・アルゴリズム型のステーブルコインに関しては、市場参加者からの協力を得ることで、検証とガバナンスに関する具体的なガイダンスを作成することを提案した。多くの場合、これらのプロジェクトは自律分散型組織(DAO)によって統治・運営されているため、市場参加者からの協力なくして効果的な規制の枠組みづくりは望めない。

また、ステーブルコインはCBDC(中央銀行デジタル通貨)の問題とも密接に関連してくるが、ステーブルコインとCBDCは共存可能だとa16zは指摘。CBDCの実現には、特にプライバシーとセキュリティの面で多くの課題があるが、米国の開発者が他国に遅れを取らず、米ドルがデジタル通貨の分野で基軸通貨であり続けることが重要であると主張した。

様々な米ドル建てのステーブルコインを育成することは、この目的をサポートすることになる。また、単一障害点を回避することで、金融インフラの回復力を高めることにつながるとa16zは強調した。

地政学的にもドル建てステーブルコインは重要

a16zは、米国が「金融イノベーションにおける地政学的軍拡競争」に勝つためには、すでに活発な民間のステーブルコインのエコシステムを活用することが重要だと訴えている。

過去の幾世代におけるNATOやワルシャワ条約機構への加盟と同様、一国のデジタルインフラの選択が、今後、その国の地政学的方向性を形成する上で重要な意味を持つことになるかもしれない。

a16zは、米国建のステーブルコインが、世界経済における米ドルの優位性及び金融システムにおける中心的地位を維持するのに役立つとの見解を示した。

関連:初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/06 月曜日
14:18
クオンタムソリューションズ、20カ月ぶり高値 イーサリアム財務戦略を拡大
クオンタムソリューションズ(2338)の株価が急伸。ETH保有量は322ETHを突破し、日本上場企業でトップのETH保有企業に。200億円調達で買い増し計画も進行中。
13:25
DAT企業資産が20兆円規模に拡大も懸念浮上、ボラティリティ依存が課題=VanEckレポート
VanEckは最新レポートでDAT企業の保有資産が20兆円規模に拡大したと報告した。ブームが継続する中、レポートはボラティリティ依存型のDAT企業の戦略の持続可能性に懸念を表明した。
13:15
スタンダードチャータード銀、2025年末にビットコイン20万ドル予想を維持
スタンダード・チャータード銀行が仮想通貨ビットコインの2025年末価格を20万ドルと予想している。ETF流入と米政府閉鎖を上昇要因に挙げた。
11:05
ビットコイン史上最高値更新、独歩高の背景に強気の投資家態度|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日、史上最高値を更新した。金融市場全体における「脱中央集権的リスクヘッジ資産」としてのBTC存在感を際立たせている。
10:20
メタマスク、最大級のオンチェーン報酬プログラムを開始へ 独自トークンとも関連か
仮想通貨ウォレットのメタマスクが大規模報酬プログラムを予定している。シーズン1のみで45億円相当のLINEA配布を予定し、独自トークンとの連携も示唆されている。
10/05 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、BTC20万ドル到達分析や米国でXRPなどのETF個別申請が不要になど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1700万円台後半に回復、米政府機関閉鎖で逃避資金流入|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン円相場は1775万円周辺まで反発。米政府機関閉鎖による逃避資金流入と利下げ期待の復活が支援材料に。ドル建て12万ドル回復で史上最高値更新の可能性を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|自称「IQ276」投資家のBTCへの全財産転換に高い関心
今週は、自称IQ276の投資家によるビットコインへの全財産転換、米政府閉鎖による仮想通貨ETF承認手続き停滞、バイナンスによるビッグトレンド分析に関する記事が最も関心を集めた。
10/04 土曜日
13:30
仮想通貨強気相場を加速か? トランプ米大統領が最大2000ドルの給付金を検討
米国のトランプ大統領が関税収入を基に最大2,000ドルの国民給付金を検討している。コロナ禍では給付金がビットコイン上昇を後押ししており仮想通貨市場への影響が注目される。
11:40
ビットコインマイニング大手MARA、BTC保有量が1兆円に迫る
Maraが発表した9月の生産実績によると、218ブロックを獲得し前月比5%増を記録した。ビットコイン保有量は52,850BTCに達し、上場企業の中でストラテジーに次ぐ第2位の保有額。
11:05
ウォルマート傘下のワンペイ、仮想通貨取引機能を年内追加へ
ウォルマートが過半数を所有するフィンテック企業ワンペイが年内にモバイルアプリで仮想通貨取引とカストディサービスを開始すると報じられた。
10:15
ビットコイン現物ETFへの週間流入が3300億円到達、「アップトーバー」の兆しか
米国の仮想通貨ビットコイン現物ETFへの週間流入額が3,300億円に到達した。過去データから10月の上昇傾向「アップトーバー」が注目されている。
09:50
テザーなど、金トークントレジャリー設立で2億ドル調達へ=報道
テザーとアンタルファがトークン化ゴールドを蓄積するトレジャリー会社設立のため2億ドル以上の資金調達を協議中とブルームバーグが報じた。
08:30
ビットコイン円建て史上最高値更新、米政府閉鎖で逃避資金が集中|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは4日、円建てで史上最高値を記録。米政府の閉鎖によって「無国籍資産」としてのビットコインの存在感が強まり、投資家心理は極めて強気である。
07:50
コインベースが連邦信託認可を申請、決済サービス拡大の狙いで
仮想通貨取引所大手コインベースが3日に通貨監督庁に国家信託会社認可を申請したと発表した。カストディ事業を拡大し決済関連サービスを提供する計画で、銀行になる意図はないと明言。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧