はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

エルサルバドル公式BTCウォレット普及進む、1日の送金額3億円超える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインネットワークの利用増加

エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は16日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)ウォレット「Chivo」を利用した1日当たりの送金件数が2万4,076件となり、総額306万9,761ドル(約3億5,000万円)に達したとツイッターで発表した。

また、ブケレ氏は国内に設置されたビットコインATMの利用状況に言及。ビットコイン購入が米ドルの引き出しを上回っていると報告した。Coin ATM Radarによると、エルサルバドルのビットコインATMの数は米国、カナダに次ぐ世界3位で、全国に200台が設置されている。

Chivoはエルサルバドル政府が採用したビットコインの公式ウォレット。9月7日に正式に同国の法廷通貨となったビットコイン普及のインセンティブとして、政府はChivoをダウンロードしたユーザーに、30ドル(約3,400円)相当のビットコインを付与している。

このような政府の活動が功を奏したようで、ビットコインの採用から3週間弱で、Chivoのユーザー数は人口の3割以上に当たる210万人に達したと、ブケレ大統領はツイッターで発表した。

関連:エルサルバドル、ビットコインウォレット急普及 人口30%利用

エルサルバドルのビットコイン法とは

米ドルと並行する形で、ビットコインを法定通貨として認め、市民がビットコインを全ての決済シーンで利用できることを定めている。エルサルバドルのブケレ大統領が推進した法案で、2021年6月9日に議会によって可決された。ビットコインが国の法定通貨として正式に認められる初の事例となった。

▶️仮想通貨用語集

海外からの送金の重要性

外務省のデータによると、在米エルサルバドル人から故郷の家族への仕送りは59.18億ドル(約6,760億円:2020年)で、GDPの23%に相当するという。エルサルバドルにとって、海外在住の家族からの送金は経済を下支えする重要な役割を果たしていることがわかる。

ブケレ大統領は16日、さらなる朗報としてエルサルバドルの中央準備銀行の発表を引用。今年1月から9月までの送金累計額が、昨年の同時期よりも31%増加したと伝えた。なおこの送金にビットコインを利用した送金が寄与した割合は、明らかにされていない。

しかし、ビットコインを利用した送金に切り替えることで、平均10%と言われる従来の送金サービスによる手数料や着金にかかる期間など、送金コストの大幅な改善が見込まれる。そして、手数料改善で節約できた金額はそのまま、エルサルバドルのGDPに反映されることにつながる。

エルサルバドルのFélix Ulloa副大統領は、ビットコインを法廷通貨に採用するという大胆な「賭け」により、同国が将来経済や金融のハブになることを期待していると述べた。さらに在米エルサルバドル人にも恩恵を与えることになるだろうと付け加えた。

また、仮想通貨取引所BitMEXのAlexander Höptner最高経営責任者は、海外からの送金に依存する国の経済事情を考慮すると、今後、ビットコインなどのデジタル通貨を積極的に導入する国が増えると主張。来年末までに、発展途上国の少なくとも5カ国が、エルサルバドルに続いてビットコインを法廷通貨として採用するだろうとHöptner氏は予想している。

反対派

17日、首都サンサルバドルでは、ビットコインの法廷通貨採用や最高裁判事による大統領の2期目の任期承認などが「独裁的である」として、反対派による抗議活動が起こった。しかし、ブケレ大統領はこのデモの航空写真をツイッターで公開し、集結した実際の人数は少なく、メディアで騒がれるような規模のものではないと指摘した。

国内からのビットコイン政策に対する批判はあるものの、火山を利用したマイニングでビットコインの採掘に成功するなど、ブケレ大統領の政策は着実に成果を上げつつあるようだ。

関連:エルサルバドルの火山マイニング、初のビットコイン採掘成功を報告

また、エルサルバドルでは、TEXACOなどの大手ガソリンスタンドがChivoウォレットの受け入れを始めた。ブケレ大統領は「世界的なインフレで燃料価格が高騰しているが、その高騰分はChivoウォレットを使って解消できる」とツイートした。

米経済学者のSteve Hanke氏は、9月のビットコイン下落時に「底で買う」戦略をとったブケレ大統領に対し、「国民の税金を速攻で失い財政破綻に直面するだろう」と批判していた。しかし、現在、ビットコイン相場は急騰し、史上最高値に迫ろうとする勢いだ。

ブケレ大統領は早速、ツイッターで「なんとおっしゃってましたか?」と返している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/29 土曜日
06:35
仮想通貨関連株が急伸、ビットコイン・イーサリアム価格回復を受け
ビットコインとイーサリアムの価格回復に伴い、仮想通貨関連株が28日に急伸した。ビットマインは5日間で27%上昇し、クリーンスパークは55%の上昇を記録している。
05:55
アップビットの48億円ハッキング、当局が北朝鮮ラザルス集団の関与を本格調査
韓国当局が27日に発生したアップビットからの約48億円相当の仮想通貨流出について、北朝鮮のハッキンググループ「ラザルス」の関与を疑っていることが明らかになった。
05:45
米CME、11時間超の取引停止から復旧 データセンター冷却障害で株式・ビットコイン含む商品先物が一時中断
世界最大の先物取引所運営会社CMEグループが28日、データセンターの冷却システム障害により11時間以上にわたり先物取引を停止した。株式、債券、商品、通貨の先物取引が中断され、トレーダーからは批判の声が上がっている。
11/28 金曜日
19:05
Secured Finance(セキュアード・ファイナンス)とは?JPYCの運用方法を徹底解説
Secured FinanceでJPYCを使った固定金利運用が可能に。満期と金利が事前確定する仕組み、メタマスクの準備から貸し出し・借り入れの手順、リスクまで初心者向けに詳しく解説。
18:47
ゆうちょ銀行のトークン化預金が不動産決済に進出
シノケングループ、ゆうちょ銀行、ディーカレットDCPの3社がトークン化預金の活用に向けた基本合意書を締結。賃貸管理における月次賃料の支払いをユースケースに、決済の自動化・効率化を検証する。2025年12月末に実証実験を完了し、2026年以降の本格導入を目指す。
18:01
価格急騰で注目を集めた仮想通貨ジーキャッシュとは
価格急騰で注目を集めたプライバシー銘柄の仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)の将来性を徹底解説。買い方や技術、注目点、リスクまでわかりやすく説明します。
17:29
英国、DeFi預け入れ時の課税を繰り延べへ 売却時まで納税義務を先送り
英国歳入関税庁が11月27日、DeFi預け入れ時の課税を実質売却時まで繰り延べる税制改革案を発表。アーベやバイナンスなど業界大手32団体が支持。利用者の税務負担軽減へ。
17:13
bitFlyer、法人向け「アセットロックサービス」提供開始 期末時価評価課税の適用除外に対応
bitFlyerが法人向け「アセットロックサービス」を開始。暗号資産を1年以上ロックすることで期末時価評価課税の適用除外要件を満たし、含み益への課税を回避できる。対象はBTC・ETH・XRPの3銘柄。
15:38
Soneium基盤のファンダムアプリ「IRC APP」公開 SNS応援をオンチェーン管理
IRC 2026公式アプリ「IRC APP」がSoneium基盤で公開。SNS応援活動をAIがスコア化し、チケット先行購入や優先入場などイベント当日の特典に変換。6万人が参加したベータ版実績を持つファン参加型プラットフォーム。
14:30
ブータン政府が320ETHをステーキング、BTC保有と併せ仮想通貨準備金戦略を拡大
ブータン政府はFigmentを通じて320ETH(約1.5億円)をステーキングした。世界初となる国民デジタルIDのイーサリアム統合、6,154BTC(876億円相当)の保有、観光業へのバイナンスペイ導入など、小国ながら先進的なブロックチェーン戦略を展開している。
13:30
トム・リー率いるビットマイン、押し目買いで70億円相当のイーサリアムを追加購入
ビットマイン・イマージョンが27日、70億円相当のイーサリアムを追加購入した。これは同社の毎週の購入パターンと一致。先週まで保有するETHは363万枚を超え供給量の3%に到達。
13:10
途上国インフレが仮想通貨の促進要因に 今年のチェイナリシス「グローバル仮想通貨採用指標」
チェイナリシスの2025年仮想通貨採用指標でインドが首位に。各国でインフレがステーブルコインなど仮想通貨の需要を喚起している。日本はAPAC地域で最高成長率を記録した。
12:46
トム・リー氏、ビットコイン年末25万ドル予想を軟化 史上最高値更新は「可能性ある」
ビットマインのトム·リー会長が年末25万ドルという強気予想を初めて軟化。10月に200万口座が消滅した史上最大の清算イベント後、年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」と予想を下方修正したが、楽観的な見方は維持している。
11:35
欧州最大級の資産運用会社アムンディ、イーサリアム上で初のトークン化ファンドを運用開始
欧州最大級の資産運用会社アムンディが、マネーマーケットファンドの初のトークン化シェアをイーサリアムブロックチェーン上で開始した。24時間365日の運用が可能になり、投資家は従来型とトークン化の両方でファンドにアクセスできる。
11:26
Visa、中東欧・中東・アフリカでステーブルコイン決済を拡大 Aquanowと提携
決済大手Visaが27日、Aquanowと提携し中東欧・中東・アフリカ地域でステーブルコイン決済を拡大すると発表。USDCを活用し、コスト削減と決済時間短縮を実現。世界のステーブルコイン市場は5年で10倍に成長。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧