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ビットコイン難度9連続プラス調整、古参勢のイーサリアム送金観測も CoinPost週次データレポート Vol.35

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11月の仮想通貨動向

11月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコインは14日午後、SegWit以来となった約4年ぶりの大型アップグレード「Taproot」の実装を無事完了。また、11日には米国の消費者物価指数が31年ぶりに6.2%を記録し、インフレヘッジ需要としての見方が一段と強まった。一方で過熱感の反動もあり、直近では下落基調となっている。

出典:CoinMarketCap

関連: ビットコイン上昇要因で「インフレヘッジ」 アナリストらが議論

ここ1週間のイーサリアムは4,800ドル台を更新するなど過去最高値(ATH)を再更新するも、やはり直近では大幅反落した。バーンされたETH量は90万ETHを突破(16日時点)している。

出典:CoinMarketCap

時価総額TOP20の騰落率

時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(15日時点:ステーブルコイン除く)

  • ライトコイン(LTC)+37.59%
  • ビットコインキャッシュ(BCH)+12.96%
  • アバランチ(AVAX)+12.8%
  • アルゴランド(ALGO)+6.31%
  • チェーンリンク(LINK)+4.41%

参照:CoinMarketCap

仮想通貨分析企業Santiment社は100万LINKから1,000万LINKを保有するウォレットは現在64あると指摘。これらの大口ウォレットは過去4日間で総供給量の1.89%を買い集めており、全体の供給量の18%を占めているという。

関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化

ビットコインのオンチェーン・データ

ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

Taproot、無事実装完了

ビットコイン・ネットワークは14日、14時15分に大型アップグレード「Taproot」の実装に成功した。主にシュノア署名とMAST(マークル化抽象構文木)を導入することで、スマートコントラクト機能の強化やプライバシー機能、トランザクションの処理速度の向上などがメリットとされている。

出典:Taproot activation

関連:ビットコイン、「Taproot」アップグレードを発動

Taprootは難易度調整と同タイミングでの実装となった。今回の調整では前回に続き、プラス(+4.69%)のディフィカルティ調整となり、7月末以降、9回連続でのプラス調整を終えた。

出典:btc.com

難易度上昇するにしたがってコストパフォーマンスが悪化する仕組みであるが、それでも採算が取れることを見越したマイナー(採掘業者)の期待と需要の高さを示している。

難易度調整とは

過去2016ブロックで実現したブロック生成時間を基準として、算出されるハッシュレートの推定値から次回2016ブロックの生成時間10分になるように調整する仕組み。平均で2週間に1回難易度が変更される。

▶️仮想通貨用語集

2013年と類似パターン

一方、オンチェーンデータ面では、アナリストのMatthew Hyland氏が古参勢の保有するビットコインの供給量(Old Coin Supply)が2013年以来見られなかった動き方をしていると指摘。

Old Coin(古いコイン)は長期保有(HODL)されて長らく取引されていないビットコインの総称。2014年以来の強気相場(ブルマーケット)ではOld Coinが利益確定行動によって徐々に減少し、弱気相場を経て長期保有率は徐々に回復する傾向があった。

しかし現在、ビットコイン価格が好調であるにも関わらず、長期保有のビットコイン供給が増加傾向にあると説明。「2013年には現在と同様の現象が発生し、極端な上昇につながった」と述べ、今回も上昇余地があるとの考察を示した。

オンチェーン分析サイトGlassnodeの共同創設者らもビットコインの過去90日間に取引された「通貨供給量」が過去最低水準にあると指摘。過去3ヶ月において、長期保有されたBTC供給量がほとんど動いていないことを表していると説明した。

強気相場の幕切れ(終息地点)には従来、この数値が上がる傾向にある。

イーサリアムのオンチェーン・データ

イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ETH2.0 ステーキング額

ステーキング額:824万ETH

CrytoQuant

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

バーン量

イーサリアムのバーン量は90万ETHを突破。(参照:Watchtheburn)前週に続き10万ETHバーン(焼却)された格好だ。

バーン(焼却)とは

株式の「自社株買い」に近い形で仮想通貨の供給量を減らす仕組み。自社株買いをする企業は、発行している株式を自分たちのお金で買い戻す。買い戻されると市場に流通する株数が減少することで一株あたりの価値が向上し、株主に対してプラスの影響を与える。

需要と供給の影響により、トークンをバーンすることで、流通するETHの一枚あたりの価値が高まることになる。

▶️仮想通貨用語集

古参のETHクジラが動き出す

また、Santiment社によれば、15日には「5年以上移動(送金)されていなかった182万ETH」が移動したことが確認された。仮想通貨取引所クラーケンのウォレット同士で10分間に渡り、約200万ETHが移動したという。

取引所預入残高

イーサリアムの取引所預入残高は15.66%まで低下。同指標は前年比ではおよそ8%低下しており、Santiment社はコールドウォレットや長期保有、DeFi関連のプロトコルでステーキングされていることが考えられると分析した。

DeFi(分散型金融)

DeFiプラットフォームのTVLは14日時点で2,739億ドル(31.2兆円)だった。

出典:DeFi Llama

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

クリプト指標

           
日程 指標

11/16~11/18

Adopting Bitcoin – A Lightning Summit in El Salvador 開催(エルサルバドル)

11/18~11/25

Polkadot パラチェーンオークション 2回目

11/18~11/19

NEM 「Harlock」ハードフォーク予定日

前回の週次レポートはこちら:ビットコイン大型アップグレード目前、イーサリアムのバーン量は前週比+10万ETH

重要ファンダ情報などのクリプト指標カレンダーは、CoinPostアプリ(iOS)、TAOTAOアプリ(iOS/Android版)で好評配信中。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

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