新たなアーダーチェーン活用事例
アーダー(Ardor)チェーン及びイグニス(Ignis)を開発するジェルリダ(Jelurida)が12月7日、世界最大級のコンサルティング企業のアクセンチュアと協力し、欧州連合(EU)向けにブロックチェーンベースの各種ソリューションを共同開発すると発表した。
🔥New project #Announcement🔥
— Jelurida (@Jelurida) December 7, 2021
We are proud to officially announce that Jelurida will collaborate with #Accenture on part of the EU-funded ‘Senator’ Freight Logistics Project to develop #Ardor #blockchain-based solutions for @Correos and the #EU! 🚀https://t.co/YIcNe8d2XM pic.twitter.com/jyG2jwheWZ
今回、EUとスペイン国営企業Correos社の構想による都市計画政策の開発・管理を目的とする「Senetor」プロジェクトにおいて、ジェルリダが開発するアーダーブロックチェーンが採用された形となった。
これまでにもジェルリダは、オーストリア政府との共同事業「HotCity」や「Cycle4Value」、パラグアイでの持続可能かつ収益性の高い森林再生を目指す「TreeCycle」環境プロジェクトの推進、またアフリカでは8ヶ国でブロックチェーン技術の教育と普及に取り組んできた実績がある。
関連:オーストリアのゲーミフィケーション・プロジェクト「HotCity」とは
関連:ブロックチェーンはアフリカを変えるか? Jeluridaが現地で普及活動
実世界でのユースケース拡大へ
ジェルリダとアクセンチュアは先日、EUのブロックチェーン関連プロジェクト「Senator」立ち上げのためのCorreos社による公開入札を落札。EU側が求めるブロックチェーン性能の要件も満たしたため、今回のSenatorプロジェクトの受注を獲得していた。
EUは、Senatorプロジェクトで採用するブロックチェーンの要件として、1,000ノード以上のパブリックプラットフォームであることや、マルチチェーン機能を持つこと、パーミッション権限のあるハイブリッド運用が可能であること、コンセンサスアルゴリズムとしてはPoS(プルーフオブステーク)であることや、低消費電力性などを挙げていた。
今後、まずジェルリダとアクセンチュアは、EUが規定した2つのユースケース(サプライチェーンのトレーサビリティー、およびデータ管理ソリューション)の提供のために必要なインフラを共同で構築することとなっている。
関連:サステナブルなエコシステム構築を目指すアーダー(Ardor)、南米などでのユースケース解説
EUのSenatorプロジェクトについて
EUが全額出資するSenatorプロジェクトは、主に都市インフラに関するガバナンスの仕組みをブロックチェーンで構築することを目的とする。都市部の需要計画、交通計画、貨物・物流計画など、都市計画全般の政策をブロックチェーンによって管理することを目指す。
ジェルリダのアーダーブロックチェーンは、EUが挙げた要件の全てを満たす上、従来のブロックチェーンの問題点を克服し、高度なスケーラビリティを確保するために設計された、オープンソースのマルチチェーン・プラットフォームだ。
アーダーチェーンはビジネスにおける実務に適したカスタマイズ性、エネルギー・コスト効率、セキュリティなどを実現していることから、EUおよびCorreos社のビジョンと合致したと見られている。
関連:EU、ブロックチェーン基盤のID使用可能なデジタルウォレット計画始動か
ブロックチェーンハブを目指すアクセンチュア
ジェルリダとの共同開発を行うアクセンチュアに関しては、2019年以来、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の概念実証および試験運用を欧州中央銀行、イングランド銀行、フランス銀行、スウェーデン国立銀行など、欧州各国の中央銀行と幅広く提携してきている。
また、アクセンチュアはイーサリアム上にDeFi(分散型金融)サービスなどを構築できるプロジェクト「Baseline Protocol」のスポンサーでもあり、物流、保険、金融などの業界におけるブロックチェーン・ハブとして、実践的な活用方法を提案している。
関連:英中銀、決済システム拡充でアクセンチュアと協業 デジタル通貨(CBDC)も視野
関連:大手アクセンチュア、イーサリアムDeFiの新たなスポンサーに