ブロックチェーン導入に積極的な老舗銀行
暗号資産(仮想通貨)取引所などを運営するBitMEXグループ傘下のBXM Operations社は18日、独von der Heydt銀行(BVDH)を買収する方向で合意に至ったことを発表した。ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)の承認次第で、2022年中盤に買収は成立する見込みだ。
今回、両社はBXM OperationsとBankhaus von der Heydt(フォンデハイト銀行)の現オーナーであるDietrich von Boetticher氏が売買契約書に署名したことを発表。
買収額は明らかにされていないもの、BaFinからの承認を受ければ最終的に買収が成立する。
von der Heydt銀行はドイツ・ミュンヘンに本拠を置く1754年設立の老舗銀行。1800年代から証券取引に特化しており、2021年にはステラネットワーク上でユーロ建のステーブルコイン(EURB)を発行。カストディ事業などにも参入するなど、ブロックチェーンの事業戦略が目立つ。
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今回の買収について、Höptner CEOは「von der Heydtの規制商品における経験とBitMEXの仮想通貨イノベーションを組み合わせることで規制されたクリプト商品を欧州の中心で提供していく」と語った。
Lutz CFOも以下のようにコメントした。
ドイツは欧州最大の経済大国であり、デジタル資産に対しても革新的なアプローチと強力な規制監督などを兼ね備えている。
BitMEXの欧州展開にとって最適な市場だと言えるだろう。
なお、買収後も同行は独立事業として継続する見込みで、BitMEXのAlexander Höptner CEOとStephan Lutz CFOらが監督委員会に加わる予定だ。
BitMEXの過去
BitMEXは2020年に米商品先物取引委員会(CFTC)など米当局から銀行秘密保護法(BSA)違反の疑いなどで訴訟を受けて以来、欧州でのプレゼンス強化に努めてきた経緯もあり、今回の買収でさらに欧州戦略を強める狙いが考えられる。
訴訟は21年8月、BitMEX側がCFTCやFinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)に罰金1億ドル(約110億円)を支払う形で和解に至ったが、米国での先物やスワップ取引提供が依然として提供できない状況が続く。