チーム結成から3日で販売、40分で完売した「NFT福袋」その裏側を独自インタビュー 立ち上げ3日で販売、40分で完売した「NFT福袋」チームにインタビュー

NFT福袋プロジェクトとは

NFT元年となった2021年、その年の瀬の日本で「NFT福袋」なるプロジェクトが、僅か三日間のうちに立ち上がり、そして成功裏に終えたことをご存知だろうか。

個人の呼びかけから始まったこのプロジェクトは、クリエイターやプロジェクトに必要なエンジニア、広報などの役割を担う人が自然発生的に集まり、NFT福袋は1時間も経たずに完売した。

プロジェクトの始まりは「NFTで面白いことをしたい、社会浸透に繋げたい」という思いだったが、拡大するにつれ、既存NFTクリエイターの盛り上げやNFTへのクリエイターの呼び込み、DAO(自律分散型組織)的な試みを日本で実現する、といった狙いが加わっていったという。

取り組みで注目すべき点としては、以下のようなものが挙げられる。

  • 個人が共通の目的で集まりであり、短時間でDAO的な運営体制でプロジェクトを完遂
  • NFTが未経験のクリエイターを含め、計7名が音楽、日本画、イラストのNFTを提供
  • 販売された22個の福袋には、女性ラッパーちゃんみなへの楽曲提供などで知られる若手作曲家 BENAやARクリエイターのharumakidaなどの作品も
  • マーケットプレイスのOpensea等で福袋のためのNFT作品の買い付けを実施
  • 派生プロジェクトとして「中高生向けNFTお年玉企画」を実施し、NFTの認知拡大に貢献
  • 福袋の完売後も、著名起業家のけんすう氏が議論に参加したり、Astar Networkの渡辺創太氏が購入オファーを出すなどのムーブメントが発生

そこで、コインポストは、NFT福袋を販売したDAOの中心メンバーにインタビューを実施した。

インタビューに登場する、中心的な役割を担った3名は以下の通り。

  • 清原 三雅 氏:NFTインフラのHokusai API事業に従事
  • 花坂 氏:ステーブルコインJPYCの買い取りサービスなどを運営
  • 浅野 潔志 氏:京都大学 法科大学院に所属

Q1:プロジェクトの立ち上げから終了までの流れを教えてください

12月29日の朝に、清原さんが正月が近づいてきたということで、NFT福袋をやってみたいと思い立ち、JPYC買取所を運営してる花坂さんに一緒にやってみないかと連絡をとった所、一言でやるとの返事がありました。

その後すぐに花坂さんが以下のツイートをした所、反響が大きく、すぐ(チャットアプリの)Disocrdにクリエイターや運営メンバーが集まりました。12月30日の午前3時にはクリエイター7名が確定しています。

そこから広報や、法規制周りのリサーチ、価格設定、販売方法、NFT福袋の販売サイトの制作など、各メンバーが自分の担当を持ち自律的にプロジェクトが進められました。

販売価格も当初は5,000円でしたが、NFTのクオリティがかなり高くなったことで協議の末、20,220円で販売する事を決定しました。1月1日12時に販売を開始、最初の1分で22個のうち半分が売れ、残りの半分が40分で完売しました。

1月4日にはYoutubeでルーレットを回してNFT福袋の中身の割り当てを決める様子を配信するなど、エンタメの要素も盛り込むことができました。途中Polygon Networkの遅延などのトラブルに巻き込まれるなどしましたが、1月6日に全てのNFTを購入者に送信してプロジェクトは終わりを迎えています。

Q2:プロジェクトが円滑に進んだ理由は何だと思いますか?

立ち上げからプロジェクト終了まで3日間と期間が明確だった点です。長期のプロジェクトとなると参加しにくい、と感じる人もプロジェクトに関わりやすかったのだと思います。

プロジェクトで守りに徹した事も大きかったです。ロースクールに通っており法律に詳しい浅野さんがいた事により、様々な法規制について調べながら、障壁をクリアしてNFT福袋のプロジェクトを進めることが出来ました。また、運営内やコミュニティの内輪に留めず、DiscordやTwitterで積極的に個人情報を除く全ての情報、意思決定プロセスの開示を行いました。

最後に、NFT福袋という言葉のコンセプトが明確で、プロジェクトとして何を目指してるのかの共有が認識のズレなしで行うことが出来ました。

NFT福袋に関わったクリエイター、Mixerさんから以下のコメントが寄せられたことで、情報を開示し続けたことは正しかったと再認識しています。

全ての活動がオープンになっているので(私が参加した時点でDiscordには100人前後集まっていました。)、怪しい感じのことをしていれば誰かが突っ込んでくれるだろう…と安心もできました。

Q3:反省点、課題としてはどのようなものがありますか?

課題としては、クリエイターに売上を全額還元という形をとったことで、運営メンバーは無償で動く形になった点です。

結果としては無償でやった方が良かったですが、今後同様のことをやる際は、しっかりと運営メンバーにもインセンティブが発生するような仕組みは作りたいです。

もう一つは、多くのDAOやプロジェクトが抱える問題だと思いますが、途中から参加すると状況のキャッチアップにかなり時間がかかったり、どう貢献できるかが見えない状況が生じたことです。実際に、途中からDiscordに入ってきたメンバーから、貢献したかったが入る隙がなかったとのフィードバックをもらいました。

あと、秘密鍵の管理やプロジェクトの売上の管理などは、特定の運営メンバーに依存していたので、今後は特定の個人に依存することなく、トラストレスに管理をする必要性があると思いました。

Q4:DAOに注目が集まりつつありますが、今回の施策における気づきにはどのようなものがありますか?

DAOには分散性が必要ですが、最初から必要では無いと思いました。

最初はコアメンバーが根幹となるプロジェクトの意思決定を行い、やる事、目指すべき所が定まってから徐々にコミュニティに託すように分散化を行なった方が最終的に上手くいくのではないかと、NFT福袋をやって思いました。

また、今回の経験に基づいたポジショントークになるかもしれませんが、本来DAOは長期間存続させるべきでは無いと思います。長期的にDAOを存続させようと思うと、コミュニティメンバーやトークンホルダーの新陳代謝が進まずに、結果的にコミュニティ運営が難しくなるのかなと思います。

何か小さい目標を立てて、そこに人が群がり、色々なポジションから貢献できる受け皿を作り、目標達成したら潔く利益分配を行って解散を繰り返すのが、結果として健全な形でコミュニティを形成して多くの人が関われるDAOというものを作れると思いました。

Q5:今後の計画や抱負をお願いします

今回のNFT福袋の経験をいかし、NFT福袋の運営メンバーで現在 PoC DAO(Proof of Concept、概念実証)の設立に向けて動いています。

今回は概念実証の色が強かったと考えています。全ての情報をオープンに進めたことで、今後誰もがNFT福袋のような事をしたい時に参照できるプロジェクトを作った自負があります。

今後もこのように、まだ誰もやれていないか、実行するのには躊躇しているようなアイデアやコンセプトを見つけ、どんなに小さくても目標を立て、全ての情報や知見を公開する概念実証を短期や単発で行うDAOにしていきたいと考えています。

目標が達成したら、プロジェクト解散を行って利益分配を適切に行い、また次の概念実証に動いていくDAOになります。プロジェクトで実証されたアイデアなどは、第三者が自由に事業化などしてもらえるように設計していきたいと考えています。ひたすら新陳代謝が強制的に働く、解散と集合を繰り返す概念実証をするDAOを次の1〜2ヶ月で作りたいですね。

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