「適格なステーブルコイン」を定義
米国のJosh Gotthiemer下院議員は15日、「ステーブルコインのイノベーション・保護法案」の草案を発表した。「適格な」ステーブルコインを定義して、他のより不安定な暗号資産(仮想通貨)と区別することで、消費者や投資家を保護することを目的とするものだ。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
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法案は、適格なステーブルコインを、次のようなものとして説明している。
適格なステーブルコインを、要求があった時に、1対1で米ドルと交換可能な仮想通貨と定義する。また、2種類の適格な機関のいずれかが発行するものとなる。すなわち、銀行など、保険付きの預金を取扱う機関、あるいはそれ以外の適格なステーブルコイン発行者だ。
法案は、「システム上のリスク、詐欺、不正な資金調達を防止することに役立つ」ものだという。
法案の概要には、次のように書かれている。
ノンバンク(銀行以外)の適格ステーブルコイン発行者は、米ドル、米国債などの米国政府発行証券、および通貨監督庁(OCC)が適切とみなすその他の資産からなる準備資産を、少なくとも発行資産の100%をカバーできる範囲で維持しなければならない。
また、現金による裏付け資産は、連邦預金保険公社(FDIC)が保険を提供する口座に分離して保管する必要がある。
監督権限にも言及
最近では、行政機関だけではなく、米国議会もステーブルコインや、その他の仮想通貨の規制をテーマとして議論することが多くなっている。この草案も、セクターに立法的な注目が高まる中で、新たに発表された格好だ。
この法案の主な内容の1つは、ホワイトハウス主導のステーブルコインに関するワーキンググループが昨年発行した報告書に含まれる勧告を反映している。適格ステーブルコインの発行を「銀行または、その他の適格な発行者」に制限するという部分が、グループの提言を取り入れた部分だという。
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ただ現在のところ法案の内容は、「適格」ではない種類のステーブルコイン発行を妨げるものではなく、高い投資家保護を有するコインとそれ以外を区別することを趣旨としている模様だ。法案は、SECやCFTCが、適格ステーブルコインの条件には当てはまらないステーブルコインや、その他の仮想通貨を審査することはできるとしている。
さらに、適格なステーブルコインは、「証券でもデリバティブでもない」と定義した。このことは、適格ステーブルコインを、証券を規制するSECと、先物を規制するCFTCの規制対象から外す可能性も示唆している。
Gotthiemer議員の法案は、監督権限にも言及した。
通貨監督庁(OCC)が適格なステーブルコインの発行体に対する主な監督権限を持つという。また、連邦預金保険公社に、ノンバンクの発行体のステーブルコイン償還についての保険を管理する、ステーブルコイン保険基金を構築することも義務付けるとしている。
Gottheimer氏の法案は、まだ初期段階にあり、現在議会と仮想通貨業界から、草案についての意見を募集しているところだ。
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