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クレディ・スイス、長年にわたり9,000億円超の不正資金保有か 大量のデータ流出で「不都合な顧客」が判明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

内部告発に基づく国際的調査

スイス第二の大手銀行クレディ・スイスが数十年にわたり、巨額の不正資金を扱っていたことを示す大量のデータが流出したことがわかった。

速報:流出した銀行記録は、クレディ・スイスがどのようにして、独裁者、腐敗した政治家、スパイ、犯罪者が不正な財産を隠すのを助けたかを示している

組織的犯罪や不正を調査するジャーナリストの国際ネットワーク「OCCRP」は20日、「スイス銀行業界に関する世界最大級の調査」と銘打った「Suiss Secrets」(スイスの秘密)プロジェクトの調査結果を公開した。同プロジェクトには、世界39カ国、48の報道機関から160人を超えるジャーナリストが参加。クレディ・スイスから流出した口座情報を数ヶ月かけて分析した。

流出したデータには、最大で一時1,000億ドル(約11.5兆円)を超える資金を保有していた1万8,000以上の口座情報が含まれていた。ジャーナリストらは、これらの口座を保有する顧客データを調査した結果、そのうち数十の口座が国際ニュースで取り上げられた「悪名高い顧客」に属することを突き止めた。

その中にはエジプト情報機関トップの家族、犯罪組織「Ndrangheta」の資金洗浄で起訴されたイタリア人、ナイジェリア官僚の買収に関わったドイツの企業幹部、またヨルダン国王アブドゥッラー2世も含まれていたという。

これらの口座には80億ドル(約9,200億円)を超える資金が保有されていた。

クレディ・スイスの声明

スイスの大手銀行からの情報流出としては過去最大と言われる、今回の顧客情報漏えい報道について、クレディ・スイスは「当行とスイス金融市場の信用を失墜させるための協調的な取り組み」と激しく批判している。

クレディ・スイスは、当行のビジネス慣行と称されるものについての主張と推論を断固拒否する。提示された事柄は主に過去のものであり、場合によっては1970年代まで遡るものだ。これらの事柄に関する説明は、文脈から切り取られた部分的で選択された情報に基づいており、結果として銀行の業務行為に関する偏向した解釈となっている。

また、顧客関係についてコメントはできないが、報道で指摘された「大量の口座」の90%以上は、「閉鎖済み、もしくは閉鎖の手続き中」であると主張。問題は既に解決済みであると回答している。

OCCRPは、クレディ・スイスの主張を裏付ける情報は提供されていないと、指摘した。OCCRPによると、流出した情報は現在まで至るものではないが、多くの口座は2010年代でも開設されたままであったという。

一方、スイスで外国居住者の税務規制が新たに導入された2014年には、多くの口座の閉鎖が確認されたとのことだ。

内部告発者がデータを提供

Suiss Secretsが調査したデータは、1年以上前に、ドイツ紙「Süddeutsche Zeitung」へに匿名の情報源から提供されたものだという。情報源の身元は明らかになっていないが、その動機を説明した声明では、スイスの法制度の欠陥を指摘している。

私は、スイスの銀行機密法は道義に反していると考える。金融プライバシーを守るという口実は、脱税者の協力者としてのスイスの銀行の恥ずべき役割を隠す「イチジクの葉」(覆い隠すもの)に過ぎない。…このような状況は、汚職を可能にし、発展途上国が必要とする税収を枯渇させるものだ。

スイスの銀行法

OCCRPによると、スイスの銀行法第47条では、金融機密保護法違反では最高3年の禁錮系に処されると定められており、「本質的に内部告発を犯罪化」としていると指摘。スイスのジャーナリストは、個人の銀行情報のデータを公開するまでもなく、所持しているだけで起訴されるリスクを抱えているという。

スイスメディアグループTamediaのArthur Rutishauser編集長は、同法によってスイスの報道の自由が大きく制限されているとして、次のようにコメントした。

この法律は、メディアを検閲し、威嚇するのに役立つだけだ。法律は犯罪者とその資産を保護することができる。それらを暴こうとするジャーナリストは、刑事訴訟のリスクを負うことになる

一方、今回のクレディ・スイスの情報漏洩はスイス国内でも広く報道され、一部の政治家から、同法廃止の呼びかけが提起されたようだ。

巨額の資金洗浄

今回のクレディ・スイスの情報漏洩に関する報道で明らかになったのは、巨額の不正資金が既存の銀行システムの中で保有されてきたという事実だろう。顧客確認と一括りにされるが、権力者や超富裕層に対しては「別のルールが存在する文化が生まれた」とOCCRPは、クレディ・スイスの従業員に対するインタビューから明らかにしている。

100万ドルレベルの顧客や口座のデューデリジェンスは非常に徹底している一方、富裕層の口座となると、上司は皆によそ見をするように勧め、マネージャーはボーナスや雇用について脅しをかけられることもある。

さらに国家レベルの大口の顧客は、最高管理職レベルが直接対応することになっているという。

一方、今月初めには米司法省が史上最高となる4,150億円相当のビットコイン(BTC)の押収に成功するなど、追跡可能なブロックチェーン基盤のデジタル通貨を利用した犯罪の検挙率は著しく向上している。今後も新たなテクノロジーを利用した犯罪捜査は進化していくことだろう。

巨額の資金洗浄がどちらのシステムで起こりやすいかは、今後、歴史が証明することになるかもしれない。

関連:200兆円超、巨額の資金洗浄を可能にした世界主要銀行と機能しない防止システム=FinCEN漏洩文書

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